アルツハイマー(AD)

認知症には、いろいろな種類の病気があります。
代表的なものがアルツハイマー(ad=AD)脳血管性認知症(VaD)
またレヴィ小脳型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD)などもあります。
病名が、このようにアルファベット表記されることもあります。

認知症の中で1番多いのがAD

認知症の中でも、1番多いのが、ADです。
脳の中にβアミロイドなどがたまり、神経細胞を壊し、脳機能が衰えていく病気です。
高齢者に多いですが、若年性もあり若年性アルツハイマーと呼ばれています。
表記は同じADになりますし、病気自体は全く同じものです。

ADの症状

認知症には、中核症状=記憶障害、言語障害、判断力低下など、病気そのものが起こす症状があります。
それとは別に周辺症状(BPSD)と呼ばれる2次的な症状があります。
不安、徘徊、暴力、うつ、被害妄想などです。

おそらく家族がアルツハイマーになった場合、中核症状が、なぜ起こるのかは医師の説明で理解できると思います。
しかし、周辺症状は周囲の人間からすれば「なぜこんなことをするのか?」と不思議=迷惑となることが大半です。

例えば、見当識障害という場所の感覚が失われる症状は中核症状です。
しかし、解ってないのに、外に出て、迷子になり、家に戻ろうとすると、嫌がるというのは周辺症状です。

介護をする人にしてみれば、「場所が解らなくなるのはしかたないけど、外に出ないでほしのに、なぜ出てしまうのか?」ということになり、家族も疲弊します。

アルツハイマー自体は薬で進行を遅らすことが出来ますが、中核症状自体を押さえ込むことは出来ません。
周辺症状をどうやって緩和するかが大事になります。

「若年性」AD

アルツハイマーに「若年性」という名前がつくのは「周辺症状への対応」が高齢者とは大きく異なるからです。

高齢者の認知症のリハビリに「回想法」があります。
昔の思い出話をすることで、脳を活性化させ、また聞いてくれる人がいることで自己肯定感を持てます。
また、似たような歳の人と、コミュニケーションも取れ、楽しい時間を過ごせます。

しかし、回想法は若年性に応用出来るでしょうか?
基本的に若年性アルツハイマー世代は40~65歳、過去を懐かしむ年齢ではなく「これから」に向けて、いろいろ考え行動していく年齢です。

アルツハイマー病は全てを忘れる病気ではなく、自分自身が置かれていた状況、プライドはどこかに持っている病気です。
回想法についても「子供の頃の話を聞く」こと自体は悪くありませんが、4.50代の子供の思い出話は、あくまで「休憩の雑談」という感じですよね。

高齢者のアルツハイマーのリハビリは、このように「ご隠居」的な位置づけのものが多いですが、現役世代がそういう所に参加した場合「ばかにされている」と思い、徘徊、思うようにならない焦りが強く出てきます。

つまりアルツハイマーという病気は、病気そのものより、患者自身がおかれていた立場や性格を把握して接することで、周辺症状を抑えていくことが1番大事なのです。

ADの介護負担

薬もアルツハイマー自体の進行を抑えるものもありますが、BPSD(周辺症状)に対して、
抗不安薬、抗うつ剤、などを症状に合わせて使い、患者の心の平安を維持することの方が重要です。

これで介護者も、少し楽になります。
ただ、若年性の場合は、高齢者と違い、進行も早く「本人の現役に向けてのやる気」が強く心の中にあるため、介護者の負担は大きいです。

最近は、全国各地に「介護者の会」があります。若年性専門の会もあります。
煮詰まらないためにも、参加をお勧めします。
そういう場所では、良いリハビリ、施設からかかるお金の節約法など生きた情報も手に入ります。

また、逆に高齢者のADの介護の場合も、そういう会に入ると良いですね。
なるべく自分に近い状況の会を探すのが大事です。

健康な人でも、高齢者はITが苦手、若者は集まって騒ぐのが楽しいなど、個性は人それぞれです。 ADという病名の前に「その人の特性」を知るだけで、周辺症状はかなりいい方へ向かうのです。

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