若年性アルツハイマーの症状(1)

認知症、中でもアルツハイマー病は高齢者の病気のイメージがありますが、若い世代でも発症することがあります。

若年性アルツハイマーの発症年齢と原因

若年性アルツハイマーは、10代から発症することもありますが、多くは4,50代から65歳以下での発病です。
高齢者の発症と同様、脳の中にβアミロイドやタウという物質が溜まり、老人斑というシミになり、その部分の細胞が滅んで脳が萎縮します。
このため、画像診断で病気が確定できます。

若年性アルツハイマーの症状とは

基本的にアルツハイマーは、どの世代でも症状は同じですが、若年性の場合は、うつ状態、徘徊、興奮が多く、うつ病に間違えられる確率がかなり高いのが特徴です。
記憶障害ももちろん起こりますが、それと共に意欲の低下も起こるため「心の調子が悪いのだろう」と思われがちです。

また徘徊や、興奮などイライラ、焦りもうつ病の症状です。
若年性アルツハイマー世代は、うつ病が多いこともあり、間違えられやすいのです。

見分けるポイントは、やはり記憶、言語障害です。
今日の日付を覚えていない、先ほどのニュースの内容を忘れた、という以前にテレビを見ていた事実を忘れた、単語の意味を間違えるという症状が出てきます。

このように根底の症状は、ほぼ同じですが、若年性アルツハイマー世代は体力があります。
自分で自分の思うようにならない歯がゆさが、徘徊や暴力という力技に出てしまうのです。

徘徊
若年性アルツハイマー世代は徘徊や暴力という力技に出てしまうのです

アルツハイマーの特性

若年性に限りませんが、アルツハイマーの患者は心のどこかで、自分の何かがおかしいことに気づいており、その苛立ちや不安が極端な言動になって表れるのです。
また、その言動が周囲に理解されることではなく、周囲の態度とかみ合わず、更にイライラなどの症状が悪化して行くこともあります。

若年性アルツハイマーの課題と特徴

若年性アルツハイマーは、働く世代であることが大きな特徴です。
アルツハイマーは女性に多い認知症ですが、4,50代女性は親の介護、子供の進学などいろいろな問題を抱えています。

今後の人生について、いろいろ考えて行動しなければいけないときに、だんだんとそれが出来なくなっていきます。
社会人であれば、何だか知らないが、どんどん仕事に支障をきたしていく、コミュニケーションが取れなくなる、そして周囲に敬遠されるのです。

このように、何だか解らないうちに、どんどん社会から疎外されていくようになります。
社会で1番活躍しているときに、このような状況になると、当事者は、思い切りプライドを踏みにじられている感覚になります。

それが、興奮、徘徊という「積極的な行動」につながるのです。
当事者にすれば、社会で働く人間という意識とプライドがあるのです。
この「現役感覚」が若年性アルツハイマーの大きな特徴です。

また若年性の場合、進行も早いのが特徴です。

若年性アルツハイマーの予防と対策

元々アルツハイマーは40代あたりからの生活の見直しで、かなり予防が出来ると言われています。
このあたりで、認知症テストを受けておくといいかもしれません。
実は、若年、老年合わせて軽度認知障害に属する人は、多いのです。
早期であれば、思考力はしっかりしているので、自分自身の病気を客観的に受け入れることができ、家族と相談もできます。

リハビリや、治療、予防も、老年期世代と違って、ボランティアなど「社会に組み込まれて役に立っている」ということが大事です。
体力はまだ充分にある世代なので運動もかなり有効です。
同病の交流会に参加することは、精神的にも安定できますし、自信も持てます。

運動
若年性アルツハイマーは運動も効果的です

また介護については、そもそも「介護を受ける」こと自体、若年性アルツハイマーの患者にとっては不本意、恥です。
また介護者(多くは配偶者)の浮気を疑ったりすることもあります。

このような場合は、相手を否定せず受け流すことです。
「自分は一人前の社会人である」という患者の背景をまず踏まえたうえで、対応を考えましょう。

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