うつと低血糖症

さて、以下の症状の羅列からどのうような病気を考えられるでしょうか。

  • いつも疲労感がある
  • だるい
  • 不眠
  • 不安感
  • いらいらする
  • 怒りっぽい
  • 頭痛
  • めまい
  • 発汗
  • 震え
  • 動悸がする
  • 筋肉痛と腰痛
  • 拒食症
  • 食欲不振
  • 発作的に泣く
  • 恐怖症
  • 集中力の低下
  • 感覚麻痺
  • 慢性消化不良
  • 精神錯乱
  • 手や足が冷たい
  • 目のかすみ
  • 筋肉の引きつりまたはけいれん
  • 筋肉痛
  • 非社会的あるいは反社会的行動
  • 落ち着けない
  • 肥満
  • 腹部のけいれん
  • 失神あるいは意識消失
  • ひきつけ
  • やる気が起きない
  • ふわふわした感じがある

何という病気の症状でしょうか。

一般常識なら、「うつ病?」と考えるでしょう。

もう少しこの手の情報に関心を持っている方なら「自律神経失調症?」と考えるかも知れません。

そうでもあり、そうでないともいえます。

なぜならうつ病おための薬剤、自律神経失調症のための薬剤で上記の症状の一部は緩和されるからです。

しかし、根本的な治療にはなり得ません。

この多岐にわたる症状を引き起こす病気とはなにか。

それは低血糖症です。

「低血糖症? インスリンの入れすぎだろう」とか「お菓子類をどっさり食べれば一発で治るでしょ」と言う反応が出てきます。

ここで言う低血糖症は、単に血中濃度が低下するという現象だけではなく、「血中の糖を細胞内でエネルギーに変換する機能がうまく働かなくなった状態」の事を言います。

現代では、知らず知らずに上記のような症状を訴える低血糖症の方が少なくありません。
しかも日々の頭痛や疲労感・不安感などが血糖の問題から来ています。

さて、それでは血糖とは何のためにあるのでしょうか。

血糖値が体内でどのようにコントロールされているのでしょうか。

血糖(ブドウ糖の事です)は、私たち生きとし生ける物の生命活動における核心的なエネルギー源です。
呼吸も、心臓の鼓動も、内臓蠕動も、無意識の睡眠時ですらも、私たちはエネルギーを消費しています。
1個1個の細胞レベルの生命活動からエネルギーは必要不可欠です。
たとえ安静時でも、睡眠時でも、私たちの脳内活動は止まりません。
大脳は多くのエネルギーを消費する器官である事は周知の事です。

そのエネルギーの源は食物に含まれる炭水化物・脂肪・タンパク質です。
それらが消化作用でそれぞれアミノ酸・グリセロールと脂肪酸・ブドウ糖に分解され、一旦肝臓に運ばれます。
そして必要に応じて個々の細胞に運ばれます。
これらの栄養素が細胞内のエネルギー生産工場であるミトコンドリアに酸素とともにインプットされ、エネルギー、そして二酸化炭素、水がアウトプットされます。

栄養素の中でも、血中のブドウ糖が最初にエネルギー源として利用されます。
特に脳がメインに使うエネルギー源はブドウ糖です。

血糖値が安定していればエネルギーも安定的に生産することができ、より盛んに生命活動を行うことができます。
そのため、私たちの身体は血糖値の安定化のために努力を惜しみません。
このように血糖値を一定に保つ働きを恒常性(ホメオスタシス:Homeostasis)と言い、それを維持するために多くの臓器(神経系・ホルモン系など)が関係して、緻密な血糖値コントロールを普段から不断に行っています。

血糖値は恒常的に一定の範囲内(80~100mg/dl)となるように綿密な調整が行われています。
食後30~60分で120~140mg/dl程度ま上昇しますが、60~180分後には空腹時のレベルにもどります。

ところが、様々な理由で血糖値が不安定な状態になるという状況に陥ることがあります。

このような血糖値の不安状態の主なものに「機能性低血糖」があります。

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