更年期障害の先にあるのは『うつ病』!?

閉経をはさんだ前後5年を「更年期」といい、女性ホルモン(卵胞ホルモン:エストロゲン、黄体ホルモン:プロゲステロン)の低下によって日常生活に支障が出るほどの症状が現れることを「更年期障害」といいます。

ホルモンバランスから見るとエストロゲン欠乏症候群とも言えます。
と言うのも、エストロゲンは妊娠・出産を支えるだけでなく、神経伝達物質と自律神経、血管の柔軟性の維持・骨や皮膚・頭髪など、400以上の機能を備えているホルモンだからです。

その中でも神経伝達物質と自律神経が更年期障害に大きく関わっています。

エストロゲンは神経伝達物質であるセロトニンを通して自律神経の切り替えを促す事でコントロールしています。

ここで自律神経と神経伝達物質についての説明を。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
この2つの神経は私たちの先祖が原始の海の中の無力な魚の時代から存在しているものです。
捕食者が近づけば一目散に逃げるために、交感神経が働きます。
脳・神経は覚醒し、心臓の拍動は増え、血圧は上がり、神経伝達物質は交感神経賦活のノルアドレナリンが分泌します。
無事逃げおおせると休息とエネルギー補給のために副交感神経が働きます。
脳・神経は弛緩し、心臓の拍動は減少し、血圧は下がり、神経伝達物質は副交感神経賦活のアセチルコリンが分泌されます。

この2つの神経の切り替えで私たちは4億年の昔から生命をつないで来ました。
同時にそれと連携する神経伝達物が働きます。

よく知られているのは、神経を興奮させる神経伝達物質で、「やる気」や「意欲」を高める反面、「不安」「恐怖」「緊張」といった感情・精神状態とも深い関係があるノルアドレナリンです。
これは交感神経の活動とも大きく関わっています。
そしてノルアドレナリンと交感神経の暴走を抑えるブレーキの役割を担うのがセロトニンです。
セロトニンがしっかり分泌されていれば、大きな精神的なストレスにさらされたとしても、不安や怒りといった感情をほどよく抑えられるようになります。

以上、用語説明終わります。

ストレスがかかると、交感神経とストレス対処の神経伝達物質であるノルアドレナリンが相互作用を起こして、心身ともに臨戦態勢になります。
しかし、これはあくまで一時的なものであって、いつまでも続くものではありません。
入れ替わりにセロトニンの働きで副交感神経が心身ともに休息とエネルギー補給の態勢に切り替わります。

ただし、これは正常な状態で、強いストレスが持続したり、セロトニンの機能が弱まると、交感神経とノルアドレナリンの相互作用が続きます。
長期間の臨戦態勢に身体の各所は、当然のことながら、軋みますし悲鳴を上げます。

強いストレスの持続は、この21世紀では仕方がないとしてセロトニンの機能が弱まるとはどのような事なのでしょうか。

それはセロトニンの合成にエストロゲンが関わっているからです。

セロトニンはトリプトファンというアミノ酸(乳製品・ナッツ・大豆製品やバナナに多く含まれています)が原料です。
それではトリプトファンをどっさり摂ればセロトニン分泌が増えるかとなると、そう単純にはいきません。

バナナ

エストロゲンの分泌量が少なくなるとトリプトファンの吸収が円滑に行かなくなるのです。
なので、どんなにトリプトファン含有食品を摂取してもエストロゲンが少なければセロトニンの分泌は増えません。

ですから、加齢の結果卵巣の機能が衰えてエストロゲンの分泌量が減ると、セロトニンの分泌も減少し、自律神経の交感神経が優勢が続き、自律神経失調症になります。

その結果、身体的異変として、不眠、急激な顔のほてりやのぼせ・大量の発汗を伴うホットフラッシュや動悸、めまい、頭痛など身体反応が起こります。

交感神経の機能が優勢で副交感神経が機能しない状態は、休息とエネルギー補給ができない状態なため、それほど長続きもせずに心身ともに疲弊してしまいます。

これがうつ状態であり、その状態がさらに進行すればうつ病と言う事になります。

  • やる気が起こらない
  • 喜べない
  • 笑えない
  • 不安になる
  • 集中力や思考力や記憶力が低下する
  • 大事な事でもどうでも良くなる

症状がそこまで進行するのを阻止するには、更年期にさしかかる頃から、ホルモン補充療法(HRT:Hormone replacement therapy)を受けなけらばなりません。

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