新型うつ病の特徴

「新型うつ病」と呼ばれる新しいタイプのうつ病が20~30代の若者を中心に急増しています。

「世代論」と言うのは昔からありまして「この頃の若い者は」と言う類いの年長者からの苦情は、古代エジプトに立てられたピラミッドの天井に書き込まれていたという話もあります。

とは言え、どの職場の若手の中にも1人や2人この手のタイプの人間が必ずいる、と言う切実な問題になりつつあります。

どのような困り方かと言うと、以下に列挙する特徴が3つ以上当てはまれば、「新型うつ病だ。」となるようなレベルです。

(1) 基本的な症状は「従来型うつ病」と同様

抑うつ気分・不眠・食欲不振などの「従来型うつ病」と同様な症状が見られます。

(2) 常にうつ状態ではない

「従来型うつ病」同様、職場・学校・親のそばなどでは抑うつ状態なのに、そこから離れた瞬間に気分が回復します。
飲み会や旅行・ギャンブルなど、好きな事にはアクティブかつエネルギッシュになります。

(3) 責任は自分以外にあると考える

うつになった原因は自分にあるのではなく、職場の上司・学校の先生・自分以外の兄弟姉妹をヒイキする親など、自分以外の人間にあると考えます。
自己中心的であり他罰的性格の持ち主です。
「攻撃は最大の防御」と言いますが、ひ弱な自分を守るための攻撃です。

(4) まわりから「わがまま」・「さぼり」に見られる

仕事や学業以外ではアクティブであるため、周囲から「わがまま」とか「さぼり」であると見られます。
本人としては好きでそのように演じているわけではなく、(あくまで本人評価ではありますが)本人自身は悩み苦しんでいますし、そのような周囲の評価に傷つき悩んでいます。

(5) 身体的症状が現れる

「従来型うつ病」と違って身体的症状をともないます。

「身体に鉛の塊が入ったように」身体が重くなり、動く事ができなくなる

特に過激な運動や重労働をしたわけでもないのに、身体を動かすのが困難になります。

過眠になる

1日10時間以上眠り続けてしまいます。
周囲から本気で心配されます。
「不安で眠れない」という類い不眠がつきものの「従来型うつ病」と真逆な症状です。
心理学の半可通からナルコレプシー呼ばわりをされる事があります。
または「嫌な事から逃げるための寝たふりが嵩じて眠りまくるんだ」とか言われます。

寝すぎ

過食になる

「従来型うつ病」患者が食欲不振で体重が減少してやつれるのに対して、「新型うつ病」患者は食べまくります。
冷蔵庫にあるものを食べ尽くしたり、お菓子をたくさん買って食べ尽くしたりします。
コンビニ弁当を4つも5つも、購入し、全部1人で食べてしまいます。
満腹になるとトイレで吐いて、胃がカラになったら再び牛飲馬食を繰り返します。

当然肥満します。

過食

自律神経の失調が起きる

頭痛・めまい・吐き気・動悸・下痢・便秘・発熱などの症状が不定時的に頻発します。
内科を受診すると、たくさんの薬を処方されることになります。

パニック発作が起こる

パニック発作とは、いきなり前触れもな強烈な不安感や恐怖感が湧き起こり、動悸や過呼吸・発汗・不快感何度の身体症状が現れる発作です。
時間的には数分から十数分で治まる発作ですが、起こした本人は更なる不安感や恐怖感に混乱状態に陥ります。

この発作で慌ててメンタツクリニックを受診しても、原因が本源性のパニック発作なのか、「新型うつ病」由来のパニック発作なのか判別できない事がありますが、いずれにせよ、周囲の人間が注意しなければ危険です。
と言うのも、パニック発作は予測不可能な場面で突発的に起こるからです。

(6) 従来の抗うつ剤が効きにくい

気分の起伏が大きく、うつ状態が常態ではないので、「従来型うつ病」に対する抗うつ剤が聞きにくく、薬物によるコントロールが困難です。

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