亜鉛欠乏とうつの関係性

亜鉛欠乏症状として貧血が上げられます。

不足すると貧血になる微量金属として鉄が第一に挙げられ、鉄欠乏性貧血と言う病名まであるほどに重要ですが、亜鉛もそれに次いで重要なのです。

血液中で酸素を運ぶのに特化した細胞が赤血球で、これが人体を構成する細胞の中で最大の量を誇っています。
そしてその赤血球の酸素を運ぶ機能を担っているのがヘモグロビンです。
これはヘム(鉄分)とグロビン(タンパク質)からできていますが、亜鉛が不足するとグロビンの合成が円滑にいかなくなります。
したがって、鉄を十分に摂取しても、亜鉛が不足すると赤血球の生産は進まず、鉄欠乏性貧血と同様な症状が現れます。

また、亜鉛は汗とともに対外に流出しやすいので、スポーツをする方や肉体労働の方は要注意です。
一見すると筋骨隆々で貧血とは無縁な印象がありますが、亜鉛が不足すれば体格と関係なく眩暈に襲われます。

以上、亜鉛欠乏症のフィジカルな面に関するダメージを書いてきましたが、人体を構成する器官の1つである脳もその影響から逃れる事は不可能です。

亜鉛欠乏とうつの関係性

うつ病は感情や意欲を調整している脳の機能が低下してしまい、神経細胞間の刺激伝達が上手くいかないために起こる病気だと考えられています。

神経細胞間の刺激の伝達は、神経細胞から伸びている神経線維の末端から放出される様々な刺激伝達物質が、リレー式に伝わって行く事によって行われる仕組みになっています。

この神経細胞間の刺激伝達物質が正常に機能していく上で重要な働きをしているのが亜鉛です。
亜鉛が欠乏すると刺激伝達物質の合成に関わる酵素が作れなくなり、神経細胞間の刺激伝達が上手くいかなくなってしまいます。

先ほどから出ている刺激伝達物質と言う言葉ですが、具体的に言うとセロトニンであったり、ノルアドレナリンであったりします。
うつ病の原因説として最も有力なのが、セロトニンとノルアドレナリンの欠乏が原因である、というものですし、抗うつ剤の機能も脳内におけるセロトニンやノルアドレナリンの保持です。

つまり、うつ病と言う最もポピュラーな精神疾患の原因の大元には、亜鉛欠乏と言うきわめて物質的(フィジカル)な要因があると言う事です。

また、脳内の、記憶の中枢である海馬、恐怖と情動の中枢である扁桃体、それらをつなぐ神経線維に多くの亜鉛が含まれています。
脳内活動が盛んに行われている場所は、細胞レベルでの活動も盛んで、そのために酵素が多大な役割を果たし、酵素の有効な構成要素として亜鉛があると言う事です。

実際、食事療法にサプリメント投与によってうつ病の症状が改善されたと言う臨床結果も出ています。(むろん、食事療法だけの治療はありえず、他の療法も並行して行われています) 亜鉛の欠乏がわずかであっても長期化すると上記に上げた諸例ような甚大な影響を与えます。
何としても摂取しなくてはならない微量金属です。

ところが、前世紀の末期ごろから、世界の、特に先進国の保健機関から亜鉛摂取量低下の警鐘が鳴らされてきました。

では亜鉛を多く含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか。

一口で言うと、動物性食品です。

牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、乳製品、さもなきゃ大豆食品。

タンパク質とともにある、と言おうか食物が生命活動を盛んにしていた部分と言うのは、酵素が盛んに活動していた場所でもあり、それらの酵素の構成要素として亜鉛があったと言う事なのでしょう。

ですから、リッチに行こうとなればいくらでもリッチになるし、なるべく安価にとなればそれなりに安価になります。

リッチ編
牛ロース
牛もも肉
牛肩肉
牡蠣
からすみ
毛ガニ
タラバガニ
チェダーチーズ
エダムチーズ
カシューナッツ
アーモンド
アーモンド
安価編
牛レバー
豚レバー
鶏レバー
煮干
するめ
たらこ
パルメザンチーズ
脱脂粉乳
煎りゴマ
落花生
ヒマワリの種
きなこ
きなこモチ

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