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パーキンソン病の原因

パーキンソン病は、運動の指令がうまく伝わらないことでスムーズな動きができなくなる病気です。
指令が伝わらないのは、中脳にある黒質に原因があります。

運動の調節機能

通常は大脳基底核(大脳の深くにある神経細胞の集合体)が小脳とともに運動の指令を調節することで、体のスムーズな運動を可能にしています。
人間は視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚などから得た情報を脳に入力し、それを思考・判断し、骨格筋に指令を出すことで実際に体が動きます。
情報を脳に入力するのが、大脳皮質の役割です。
大脳基底核は、大脳皮質からの情報の入力を受けて、運動の開始と停止を司ります。
大脳基底核は、普段は大脳皮質に対して動かないようにブレーキをかけています。
このブレーキをどのくらいの強さに調節するかで、スムーズな動きができるようになるのです。
ブレーキがかかり過ぎて、運動が抑制されてしまった状態がパーキンソン病です。

逆にブレーキのかからない状態は、ハンチントン病(体が不随意に動いてしまう病気)です。
大脳皮質と大脳基底核の間を結び、運動に必要な情報を伝える神経伝達物質をドーパミンといいます。
パーキンソン病の患者さんはドーパミンが減ってしまうため、うまく情報が伝わらずに、ブレーキが過剰にかかった状態になってしまうのです。

パーキンソン病=ドーパミン不足

神経伝達物質のドーパミンは、中脳の黒質というところで作られます。
パーキンソン病の患者さんは、何らかの理由で黒質が変性しているのです。
細胞の数が減ってしまうため、作られるドーパミンの量も減ってしまいます。
ドーパミンが減ってしまうと、黒質から大脳基底核にある線条体に情報が伝わりません。
情報が伝わらないと、どのくらいブレーキをかけたら良いかわかりません。
そのためにブレーキが過剰にかかり、運動が抑制されて姿勢の維持や運動の速度調節がうまくできなくなってしまうのです。
ドーパミンの量が正常の20%以下にまで減ると、パーキンソン病の症状が出現するといわれています。

なぜ黒質は変性するのか?

脳の神経細胞は、誰でも加齢とともに減少するものですが、パーキンソン病の患者さんは黒質の神経細胞の減り方が通常より早いのです。
細胞の中にレビー小体という、細胞内の物質輸送に関与しているタンパク質が溜まることが関係しているといわれています。
レビー小体の溜まる原因は、環境や遺伝子等いくつかの原因が重なった結果起こるという研究結果がありますが、どれもまだ仮説の域を出ていません。
パーキンソン病がなぜ起こってしまうのか、真相はまだわかっていません。

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