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パーキンソン病と遺伝

パーキンソン病の患者さんの中には、家族性に発症することがあります。
パーキンソン病は本当に遺伝と関係があるのでしょうか。

パーキンソン病とは

パーキンソン病は、神経難病の中ではアルツハイマーに次いで多い病気です。
50~60歳前後での発病が多く、運動機能の障害によって、スムーズな動きができなくなる病気です。
ゆっくりと年単位で進行を遂げ、寿命に大きな影響はありません。
まだ根本的な治療法がない難病で、特定疾患に指定されています。

パーキンソン病はなぜ起こる

パーキンソン病は脳の黒質というところの神経細胞が減ってしまい、そこで作るはずのドーパミンが不足してしまうために起こります。
ドーパミンは運動をするための神経伝達物質です。
ドーパミンが不足すると、動きたくても足がすくんでしまったり、手足が固く動きにくくなってしまいます。
治療は不足したドーパミンを補う、または少ないドーパミンで効果を最大限にすることで症状を緩和しようという、対象療法の段階です。
なぜ黒質での変性が起こってしまうのかまではまだ解明されていないため、根本的に治すための治療薬も開発されていないのです。

家族性パーキンソン病

研究段階のパーキンソン病ですが、全パーキンソン病患者さんのうち、5~10%の割合で家族性に発症していることが解りました。
一つの遺伝子異常によるものなら標的をしぼりやすいのですが、いくつかの遺伝子、体質を決める遺伝子の型、生活環境的な要因が組み合わさって起こることもあり、まだ全容は解明されていません。
ですが、家族性で発症するパーキンソン病の患者さんは比較的若く、20~30代で発症していることが多いと解りました。
この若年性で発症したパーキンソン病患者を遺伝子レベルで研究することで、パーキンソン病についていくつかの発見がありました。

パーキンソン病の原因遺伝子

家族性パーキンソン病を研究して、この10年で遺伝子研究はかなり進みました。
まだ未発見のものもありますが、パーキンソン病の原因となる遺伝子が発見されたのです。
全ての家族性パーキンソン病の患者さんに当てはまるのではありませんが、この原因遺伝子はあるタンパク質が欠けていることがわかりました。
このことで、それまでは環境因子や生活習慣からパーキンソン病の発症原因を突き止めようといった研究が主体でしたが、確実に病気を起こす素である「遺伝子」に注目がおかれるようになったのです。

まだ研究段階ではありますが、パーキンソン病の原因となる遺伝子が家族性ではない単独発症のパーキンソン病の患者さんの発症原因の解明にもつながりました。
今後更なる研究が進み、根本的に治すことのできる治療が開発されることを願います。

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