統合失調症の急性期に於ける主な治療内容

脳の運動とは、各々必要な記憶が格納されている領野と、統括して適切な行動を促す海馬との間とを繋ぐ神経線維のシナプスとの総合作用から構成されます。
そのシナプス上に乗った記憶情報を伝達させる脳内伝達物質ドーパミンです。
しかし生物のシナプスの総量は制限されており、幼児期以降の増減は殆ど在りません。
その代わりにシナプスの更新(幼児期に作成された優先度の低いシナプスは刈り取られ、刻々変化する情報に対応する為の新規のシナプスが作られ海馬とリンクします。
統合失調症の発病(陽性症状)とは伝達物質ドーパミンの過剰分泌による副作用です。
限られた流量を超えると、隣接する無関係な記憶領野まで刺激されDOS攻撃の様にシナプスを一時的に混線状態にさせます。
その結果、硬直又は妄想・幻聴などの発症が促されます。

エンドルフィンの様に麻薬と作用が似ている事からドーパミンも脳内麻薬とも表現される事もあります。
治療に至ってはドーパミン分泌量を減少させる事が最優先で(定形型/非定形型)主に向精神薬による服用治療が必要に成ります。
この場合もドーパミン抑制効果が強く過ぎると副作用(陰性症状)が強く出ます。

『短期的予後・長期的予後』

統合失調症での寛解は個人差や早期発見・治療の有無又はタイプによってバラつきが在り一様では在りません。
但し診療側の目途としては《短期と長期予後》が一応は組込まれます。

短期予後とは発病以降概ね1年間を通して薬の効き具合を微調整する期間で適度な抗ドーパミンと抗セロトニン効果を探ります。
他方、長期的予後とは薬物治療により容態が安定している事を前提に寛解に向けてのリハビリ期間を示します。
その期間の目途は個人差による所が大きくはっきりとした答えは在りません。
例えば長いケースの場合10~20年又は生涯に亘るケースもあります。

再発(揺り戻し)は短期予後の期間中で70~80%と高い割合を示しています。
従って薬の服用調整が主な治療内容に成ります。

長期予後の期間中に於いて症状の寛解に見通しの付く患者の割合は大凡33.4%。
回復傾向にあるが時折、再発(軽度な揺り戻し)の可能性が否定出来ない患者の割合も33.3%、残り33.4%の患者は重い症状のままと言われます。

早期診断~薬物治療開始までの短期間を精神病未治療期間と言いますが多くの症例から、精神病未治療期間に治療された患者の場合は、揺り戻しの回数や予後の経過に有効な効果が見られます。

性別での傾向を探ると予後状態では女性の方が概ね良好であると言われます。
コミュニケーション力に反映される能梁の数の違いから差異が生じ女性優位な結果に至るのか現在の所解りません。

『記憶喪失』

今現在の状態に於いては五感を通し視覚などの刺激を無意識の内に記憶します。
この様な機械的な記憶を一時的記憶と言います。
次々と変わる状況の即して、記憶内容も更新される為、少し古い記憶は一部ないしは破片ぐらいの記憶しか残りません。

被害的記憶、悲観的記憶は客観刺激とは異なり長期間~生涯記憶される内容の事です。
ショックが極限的な出来事で在る場合は冒頭に触れた一時記憶をセーブする事も困難に成ります。
目には映っているが記憶に無い事を比喩的に“目の前が真っ白”という表現が使われます。
健忘とは無意識に記憶している内容をブロックされている記憶内容の事です。
無理に忘れている為、強い刺激やデジャブ―に出会う事で記憶が蘇る事があります。

『サヴァン症候群』

常軌を逸した記憶能力を持つ一方で想像力や感情学習が出来ないという症状の事です。
例えば膨大な量で一度だけ読んだ本の内容について詳細を持続的に記憶でき、それを正確に逆に読み返すという離れ業を成し遂げるとも言われ一時記憶の機能障害が原因だと思われます。
加えてこの傾向は自閉症患者《(広範性発達障害・高機能性発達障害・学習発達障害)》に多くみられます。

短時間に特定の事柄やシーンの細部に至るまで映像的に記憶できる直観像質者と言われる人もこのサヴァン症候群に属すると思われます。

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