統合失調症は幾つかの分類に分けられます

統合失調症は、ただ統合失調症と診断されるのではなく、幾つかの分類に分けられます。
統合失調症のように多種多様な症状が出る病気には、そうした分類があるのですね。

その分類とは以下の通りです。

1.妄想型

妄想型には連合障害や自閉などの基礎症状があまり目立ちません。
その代りに妄想や幻聴が症状の中心となり、活発になる事になります。

隣人に狙われているから刺した。

そんなニュースを一度は見た事がある人もいるかと思いますが、そうした事件を起こす人は妄想型である事が多いです。
妄想型以外の症状でも、妄想は出るのですが、妄想に特化しているものが、この妄想型の特徴です。

また、妄想や幻聴によって正常にコミュニケーションができなくなる可能性もあります。
正常に話をする事ができなくなり、妄想の世界にひきこもってしまいます。

統合失調症はかつて早発性痴呆症と呼ばれていました。
それは思春期から青年期に早発することが多かったからです。
それに比べて妄想型は30代以降の比較的遅い発症が特徴的であるとされています。
30代以降ならば、社会的地位もありますし、財産もあります。
治療は比較的スムーズに行えると想定できます。

また、薬物療法に比較的感応的とされています。
子供だと使えない薬などがあったりもするのですが、遅い発症である妄想型なら、色んな薬が試せ、そして薬によるコントロールをしやすくなっています。

そのため、治療さえ行えば、比較的安定した統合失調症であるともいえるのです。

2.破瓜型

破瓜とは16歳のことで、思春期や青年期に好発とされます。

解体した思考や行動が目立ちます。
よく統合失調症の人が支離滅裂な会話をしているというイメージがあるかもしれませんが、そうした解体した思考や行動は破瓜型の特徴です。

幻聴妄想はあっても体系的ではありません。
まばらに動いており、非常に不安定です。

感情の表出、自発的行動が徐々に失われ、人格荒廃に至るケースもあるとされます。

若い内から発症し、比較的症状は重いのが特徴です。

早期に治療をしないと、人格荒廃にもつながるため、傾向が見られたらまずは精神科への受診を行ってください。

3.緊張病型

筋肉の硬直症状が特異的で興奮や昏迷などの症状があります。

陽性時には不自然な姿勢で静止したまま不動となったり、また逆に無目的の動作を繰り返したりします。

近年では比較的その発症数は減少したとされています。
確かにそうした症状が統合失調症のものであるというイメージはわきませんね。

4.鑑別不能型

一般的な基準を満たしているものの、妄想型、破瓜型、緊張型のどの型にも当てはまらないか、二つ以上の亜型の特徴を示す状態です。

その他大勢という事になるのですが、この識別不能型になると、治療が困難になります。
治療パターンが確立していないからです。
大学病院や大きな病院など、一定以上の水準を満たした病院にかかる事をおすすめします。

5.統合失調症後抑うつ

これは統合失調症の分類というよりも症状に近いものです。
ですが、立派な苦しみの一つとなっており、分類の一つに入れてもいいかと思います。

急性期の後に訪れることが多く、自ら命を絶つことを招くことがあります。

治療法はうつ病にほぼ同じです。

6.残遺型

陰性症状が1年以上持続したものです。
陽性症状はないかあっても弱くなっています。
他の病型の後に見られる急性期症状が消失した後の安定した状態です。

7.単純型

連合障害、自閉などの基礎症状が主要な症状で、幻覚妄想は無いか僅かです。
破瓜型の亜型に含めるケースもありますが、破瓜型に比べ内省的で病識の欠如が稀であるとされています。

最後に

如何でしたでしょうか? 簡単に挙げるだけでも7つの分類があるのです。

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