統合失調症は認知症に似ています

統合失調症は認知症に似ています。
統合失調症は、昔は「早期性痴呆」などと呼ばれていたように若い頃に発症する認知症のようなものだと認識されていた時期もありました。
つまりはそれほど似ている部分があるわけです。

妄想

統合失調症と認知症で最も似ている部分は妄想です。

例えば、「物盗られ妄想」です。
認知症の人にとって物がなくなるというのは日常茶飯事です。
何故ならば、何処にしまったか忘れてしまっているからです。
そうした物がなくなったという事実に対して、「盗まれた」と感じ、その対象の多くは一緒に暮らしている家族に向けられます。
最も盗みやすい家族が盗んだのだと思い込んでしまうのです。

統合失調症の被害妄想にも似たような妄想があります。
例えば、「自分は監視されている」という妄想を持った場合、多くは自分の家族が自分の部屋に隠しカメラを設置しているのではないかという妄想を持つようになります。
「自分の情報が漏れている」などという些細な動機から「自分が監視されているはずだ」という妄想に誇大的に考えてしまうという側面がよく似ています。

統合失調症には、認知症のように物事を忘れるという事はありません。
ただ、薬とお酒を併用して使った場合、記憶がなくなるような組み合わせもありますので、そうした組み合わせの場合、「物盗られ妄想」のような妄想へ発展してしまう可能性もあります。

私もお酒は飲むのですが、その際記憶を失くす事がよくあります。
そうした場合、パソコンがスリープモードのままつけっぱなしになっていたり、おつまみが床に散乱していたり、お酒が入ったコップがそのままにしてあったり、様々ななんでこんな事をしたんだろうという痕跡が残っています。
そうしたものは、お酒のせいだと普通ならば考えるのですが、「誰かが部屋を荒らした」と妄想的に考えてしまうのが、統合失調症の特性です。

その他に「いじめられる」、「嫌われている」などの被害妄想があります。
これは統合失調症と同じですね。
ただ、認知症の場合、本能的に会話をしているため、被害妄想を言葉に出す事が多いのですが、統合失調症の場合は溜め込んでしまう傾向にあります。
その結果、反撃に出て、結果的に何の脈絡もない犯罪行為につながってしまうケースもあります。

「夫が浮気をしている」嫉妬妄想もあります。
これは統合失調症でもある事ですね。

自分の配偶者や家族に向かって他人のように振る舞う事はよくあります。
自分の配偶者や家族がわからなくなってしまうのです。
統合失調症でも、錯乱状態になっている時は、そうした傾向があります。

そこにいるはずのないすでに亡くなった人、見知らぬ人が「そこに居る」と思い込んだりする妄想もあります。
これは幽霊のようなものなのですが、統合失調症の人は幽霊が見えるという人が多いです。
これは認知症の妄想と同じく、妄想が生み出した産物なのです。

感情の抑制が効かない

認知症の人は、精神安定剤を使用している人が多くいます。
認知症にはイライラを抑え込めない人も多くおり、そうした感情の抑制が効かないところは、統合失調症にも似たようなところがあります。

認知症は特にイライラを抑える薬を飲んでいる事が多いです。
漢方の抑肝散などは代表するものですね。
そうしたイライラは、統合失調症にもあり、感情をコントロールする事が難しいという面で一致しています。

最後に

統合失調症と認知症には似たような症状が幾つもあります。
ただ、決定的な違いである「忘却」は統合失調症に含まれていませんので、間違う事はないはずです。

しかし、異なった病気でここまで似た症状が出るのは、興味深い事です。

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