統合失調症は遺伝する病気なのか

統合失調症は遺伝する病気なのでしょうか。
確かに国民の1パーセントはかかっている病気という事で、それだけの数を抱えているのならば、遺伝のせいもあるのではないかという事を考える風潮はあります。
ただ、遺伝に関しては誤った考え方が昔の学説にあったそうです。

1.遺伝は確かに存在する、が…

統合失調症の原因には遺伝的なことが大きく関係しています。
統合失調症が遺伝しないと断定する事ができません。
それは事実ですが、病気そのものが遺伝するのではないというのが、今の学説では有力です。

統合失調症が遺伝するわけではなく、統合失調症になりやすい性格が遺伝する。

そういうふうに結論づけられています。

2.一卵性双生児の研究

統合失調症の研究では、一卵性双生児の研究が有名です。
一卵性双生児は1つの受精卵から2人できるわけですから、遺伝子は完全に一緒です。
もしも、統合失調症が遺伝のみによって起こる病気ならば、同じ遺伝子をもつ一卵性双生児の一方が発症すれば、もう一方も100パーセント発症するはずです。
それが遺伝というものです。

ところがもう片方の発症率は60パーセント程度で100パーセントにはならないのです。

これは非常に有益なデータです。

統合失調症になる遺伝子というものが存在するのならば、同じ遺伝子を持った二人とも100パーセント統合失調症になるはずです。
しかし、実際にはなりません。
しかし、高い確率で、二人とも統合失調症になります。

これは、統合失調症になる遺伝子は存在しないという事が確立されるのと同時に、統合失調症になりやすい性格や気質、体質などが存在しているという確かなデータなのです。

3.親が統合失調症である場合

両親のうちのいずれかが統合失調症であった場合にその子どもが統合失調症になる可能性は10パーセント程度で、これもまた低い数字です。

逆に両親のどちらも統合失調症でない場合を調べたところ、1パーセント程度であるとされており、9パーセントの差しかありません。

この事から、遺伝による統合失調症の発症の可能性はなく、遺伝によって統合失調症になりやすい気質や体質が受け継がれているものだとされています。

遺伝による影響というのは確かにあるのですが、それが全てではないという事です。

4.統合失調症に見られる傾向

統合失調症の人の幼少の頃の様子を聞くと、「生真面目」で、「自分の感情を表に出さず」に、「考えることが好き」という似かよった気質がみられるといわれています。

これらが統合失調症になりやすい性格であるとされており、遺伝します。

また、そうした性格を持っている人は人類の3割程度はいるのではないかという学者さんもいます。

5.統合失調症の遺伝の見解

人類の1パーセントはかかっているといわれている統合失調症は、未だに発症条件がわかっていません。
しかし、その一つに遺伝というものは確率を高くする要素として注目されています。
しかし、発症条件を高くする事は高くするのですが、親が統合失調症だからといって必ず統合失調症になるとは限りません。
そのため、統合失調症の人は自由に自分の子供を作る権利があります。

精神疾患にかかっている人の家族は、精神疾患になりやすいといわれていますが、それは環境によるものです。

遺伝によって統合失調症になりやすい性格を受け継いで、その上で家庭環境が悪いと、統合失調症だけではなく、他の精神疾患になる可能性も高くなると個人的な見解ですが、それは思います。

統合失調症は遺伝で確実にかかるものではありません。
そのため、そうした差別をするのは筋違いです。
しっかりとした知識の元、統合失調症の人と、統合失調症の家族を見つめる必要があるのではないでしょうか。

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