統合失調症の陽性症状の3点に着目

統合失調症には陽性症状というものがあります。
これは簡単にいえば、「普通の人よりもあって困るもの」です。
幻覚や妄想といったような、あって困るようなものが、オプションとしてついてしまっているわけです。

1.思考過程の障害

思考の障害は、思考過程の障害と思考内容の障害に分けられます。
思考過程の障害は、2つあります。

まとまらない話になってしまう状況がまず一つ目です。
思考に割り込まれると神経過敏や鬱状態になってしまい、考えが押し潰されてしまうのです。
結果として、話せない状況になってしまいます。

また、的外れな応答もあります。
空気を読めず、返答が食い違っている状況です。
周囲の人間から、話をよく聞いていない人物と見なされることがあります。

これらの思考過程の障害により、正常な会話ができず、日常生活に影響をもたらす事になります。

2.思考内容の障害

思考内容の障害とは、客観的に見てありえないことを事実だと信じる事です。
簡単にいってしまえば、妄想ですね。
妄想には幾つかの種類があります。

まず、被害妄想です。
「近所の住民に嫌がらせをされる」とか、「通行人がすれ違いざまに自分に悪口を言う」だとか、「自分の体臭を他人が悪臭だと感じている」などと思い込む事です。
これは統合失調症の中でも最も多いものです。
実際にあり得る事ではあるのですが、多くの場合はそうしたものとは別次元に妄想を膨らませています。

注察妄想という監視されていると感じるものも多いです。
盗聴や監視カメラでの監視から思考を盗聴されているというものまで様々です。

心気妄想という重い体の病気にかかっていると思い込むものもあります。
これは高齢者に多く見られる妄想です。

その他にも下記のような妄想があります。
  • 実際の状態よりも優れていると思い込む「誇大妄想」
  • 自分は神だ、などと思い込む「宗教妄想」
  • 配偶者や恋人が浮気をしているのではないかと思い込む「嫉妬妄想」
  • 異性に愛されていると思い込む「恋愛妄想」
  • 食べ物に毒が入っていると思い込む「被毒妄想」
  • 自分の家族は本当の家族ではないと思い込む「家族否認妄想」
  • 電磁波で攻撃されている、などと思い込む「物理的被影響妄想」

程度が軽く自身もその非合理性にわずかに気づいているも含まれます。

一人の統合失調症患者において上記の妄想の1種類から数種類の妄想が見られます。

3.幻聴

統合失調症では幻視はあまりありません。
幻聴が主な症状です。

この幻聴は、悪意を持ったものです。
自分を攻撃するようなものです。

これらの幻聴が、幻聴だとわかるものと、わからないものがあります。

幻聴だとわかっていれば、耐えるだけです。
精神衛生上はよくありませんが、耐え切ればその場を乗り切る事ができます。

ただ、幻聴と現実の境目がわからないと、周囲から攻撃されているのではないかと思い込む事となります。
その結果、統合失調症の本人が反撃して攻撃性を出してしまう事があるのです。

また、幻聴だと後で気づく事もあります。

これは知り合いの統合失調症の人から聞いた話です。
夜中に光がついている民家の窓を通勤途中に毎日見ていたそうです。
そうするとある時、「また、見ているよ」と声が聞こえたそうです。
これはバレているな、とその場を直ぐに立ち去ったのですが、1年後くらいにその事を思い出すと、確かに声はしたのですが、その声は遠くから聞こえてくる声ではなく、耳元で聞こえている声だったのです。
つまりは幻聴です。
頭の中が作り出した声だからはっきりとしていたのです。

さいごに…

統合失調症の陽性症状は、あって不便になるものです。
それによって日常生活に支障が出る事もあります。
その特性をまず理解して、適した薬を飲むべきでしょう。

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