統合失調症とチック症状

チック症の本人は周囲からの冷たい視線や自らに向けられる非難を認識しており、経過と共に極力外出を控える様に成ります。

チック症の症状

音声チック
  • 単音の発声
  • 鼻を鳴らす
  • 咳払い
  • 奇声の発声
  • 卑猥な言葉を発する
  • 言葉の繰り返し
動作性チック
  • 極軽い痙攣の様な動き
  • 口の周りを舐める
  • 頻繁なまばたき
  • 顔をしかめる
  • 肩をすくめる
  • 飛び跳ねる
  • 片足を引きずる
  • 手当たりしだい物に触れる
  • 口をあける
トゥレット症候群 音声チックや動作チックの症状を複数抱え1年以上の持続性がある認められる

音声は動作性共に何れの場合に於いても周囲から注目を浴びてしまう事が多く、特に動作などよりも奇声を発する事は周囲からの非難や好奇に晒され易く成ります。
チック症の本人は周囲からの冷たい視線や自らに向けられる非難を認識しており、経過と共に極力外出を控える様に成ります。

又、動作性に於いても手の震えが症状の場合(重度な場合の症状)字を書く事が困難に成り日常生活や就学にも支障が生じる場合もあります。

チック症の診断

米国精神科学会DSM-Ⅳのマニュアル診断基準の定義
①一般的に18歳以下の年齢層に於いてチック症状が4週間以上に亘り持続している場合。
②一過性のチック(短期)~トゥレット症候群(長期)を含め持続期間の長短によって3タイプに分類
③チック症状は顔面部分や頸椎周辺から症状が現れ、症状進行に従って手や足の末端に至るのが一般的症状
④トゥレット症候群の患者の約4割が注意欠陥・多動性人格障害、LD(学習障害)等との合併症状が認められる。

動作性チックの場合、覚醒下にありながら不随意運動を来す場合、舞踏病、突発性ジスキネジア、部分癲癇もその対象に含まれます。

ジスキネジアとは
大脳基底核の障害によって生じる障害で、意思とは関係なく、不自然な反復運動を行う疾患の事で、これを一般型ジスキネジアと言われます。
遅発性または突発性のジスキネジアの場合、精神抗薬に含まれるドーパミン摂取によって神経細胞系のシナプスのドーパミン受容体が過活動に成り発病する場合を指します。

チック症の原因

一昔前までは、患者本人の症状が破天荒な性分な問題児と同一視され、暗に家庭環境や躾の問題として扱われて来ましたが、今日では、先天的な要因として大脳の基底核という所にあるドーパミン神経系(受容体)の過活動による影響の可能性が示唆されています。
又後天的な要因(精神的ストレスの増減)とチック症状進行状況がシンクロされて現れる事から関連性が指摘されています。

例えば左利きの子供は両親から矯正を強いられ、その後爪を噛むなど異常行動が現れ、症状進行に伴いストレス後遺症としてチック症状が顕在化する場合もあります。
外観からは統合失調症・緊張型と類似した症状として現れます。

チック症の標準治療

一般的なチック症の治療方法には心理・行動療法が広く採用されています。

又、通常のチック症の場合では薬物投与の措置は採られていません。
しかし就学や日常生活に支障が在る場合は例外として薬物療法が採用されます。
セレネース、オーラップ、リスパタールが主な治療薬です。
オーラップ、リスパタールは定量でセレネースは症状によって薬量を増減して症状との調整を計ります。

疲れやすい

適度に区切りを付けたり、ペースを考慮する事に欠如した性格の人は、肉体的又は精神的にも疲れが蓄積されていても心象的に自覚出来ず、限界を逸脱して初めて疲れを自覚します。
この様な気質は統合失調症やうつ病の患者に共通しています。
その様な場合、発病後は統合失調症・緊張型の症状が主に現れ、周囲からはボゥーとして休んでいる様に、又は怠けている様に見えますが、神経細胞末端のドーパミン受容体が過敏に反応し交感神経の過活動が常態化して実は興奮・緊張状態にあります。

又、妄想・幻聴の類はこの状態下に於ける陽性症状現れる症状の一つです。
従って仮に十分な時間休んでいても、良質な睡眠も期待出来ず、疲れが取れにくい症状が長引く場合が多いと思われます。
眠気なども含め体調不良が日常化し、他の病気への抵抗力も減退し風邪などに罹り易く成ります。
解決策は限られており、専門医が診断し、必用に応じ出された薬を正しく服用し長期間の安静・リハビリでしか解決できません。
完治する場合はむしろ稀で症状の寛解が一つの目安に成ります。

上記の他、疲れの原因は投与された薬自体が原因である場合があります。
抗精神薬にはドーパミンの分泌を強制的に抑制しセロトニンの分泌とのバランスを執る効用がある為、結果的に分泌に偏りが生じると、心の安らぎ効果を超過して、気だるさ(眠気)を誘発させる可能性を孕んでいます。

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