緊張型頭痛の薬物治療『市販薬物』について

頭痛は大きく下記の2つに大別できます。

  • 病変生頭痛
  • 機能性頭痛

前者には、脳腫瘍やクモ膜下出血・脳梗塞・脳溢血などの脳や血管系の疾患を原因とする頭痛です。
手足の麻痺やしびれ・非流暢性失語症(ろれつがまわらない事)・顔面感覚麻痺・発熱などが伴ったら上記の疾患の危険性があります。
このような場合は緊急性が高いので、救急車を呼ぶべきです。

救急車画像

後者は上記の病変生頭痛ほど緊急性はありませんが、生活の質(Quarity of Life)を損なう疾患である事は間違いありません。

機能性頭痛

機能性頭痛は以下の3つに分類できます。

  • 緊張型頭痛
  • 偏頭痛
  • 群発型頭痛

緊張型頭痛の特徴

その中でも最も多くの人を悩ませているのが緊張型頭痛です。

日本人の9割が患うと言う報告があり、年齢性別を問わず誰にでも起こります。

その特徴は以下の通りです。

頻度
反復性は1ヶ月に15日未満。
慢性型緊張型頭痛は毎日のように起こる。
いずれにしても持続的である事が特徴。
継続時間
痛みは短いものでは30分、長いものでは1週間続く。
場所
頭の両側を締め付けられる様な痛み。
いつまでも終わらない鈍痛。
随伴症状
嘔吐感はあっても実際に嘔吐することはない。
頭痛時の行動
偏頭痛とちがって、気分転換に身体を動かすと少し楽になる。
痛みの度合い
仕事・家事にさしつかえるような痛みではない。
仕事・家事はなんとかこなせる。

緊張型頭痛の原因

原因としては、パソコンの使用やなどの悪い姿勢を長時間に渡って維持した結果、頭から肩にかけての筋肉が緊張し、血流が悪くなると、疲労物質であるファーティグファクター(Fatigue Factor)が筋肉にたまり、これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。
「疲労物質と言えば乳酸」と言うのが長らく常識でしたが、2008年に東京慈恵会医科大学の研究グループが、「真の疲労物質はこれです」と発表しました。
それ以来注目を集めている疲労物質です。
これについては、後日紹介させていただきます。

また、肩凝りや首凝りはこのようなフィジカルな原因だけでなく、極度な緊張やストレスの持続のようなメンタルな要因によっても、首から肩にかけての筋肉が強張って肩凝りや首凝りにつながります。
そして、緊張型頭痛そのものがストレスになって首から肩の筋肉が強張ると言う、緊張型頭痛の悪循環が繰り返されてしまいます。
一旦このスパイラルに入り込んだら、緊張型頭痛から抜け出すのは困難になります。

緊張型頭痛の治療

では、この緊張型頭痛のスパイラルから抜け出すにはどのような治療法があるでしょうか。

ネットで緊張型頭痛の治療法を検索すると、「なるべく薬剤を使わない」と言うのを基本方針にして、様々な治療法が紹介されています。

しかし、どんな医学的知見や、医療思想も、今現在進行する頭痛を軽減する手立てにはなり得ません。

何よりも必要なのは、頭痛を鎮める薬なのです。

代表的なもの、と言う事で、近所の薬局の鎮痛薬のコーナーを見てみると、目に入ってくるのがロキソニン・ブルフェン・カロナールです。
筆者が子供の頃に聞き慣れたノーシンとかセデスなどは影も形も見えません。

頭痛持ちの知り合いにこの3つの薬の名前を問うと、すべて服用経験があって、ロキソニンとブルフェンは鎮静作用が強いけれど胃痛や下痢・便秘が起こらなくて助かったということでした。

胃痛や下痢・便秘?
なんですかそれは、と聞くと従来型の鎮痛薬は副作用として胃腸障害を起こすのだそうです。

なるほど、と思いました。

筆者が子供の頃に耳に馴染んでいた頭痛薬がひとつも並んでいなかった理由はそのあたりにあったのでしょう。

頭痛が治まっても下痢や便秘や胃の痛みなんぞに来られたのではたまったものじゃありません。

と言う事で、胃腸に優しい(と言われた)鎮痛薬を調べてみました。

緊張型頭痛に効果的!?『ロキソニン』に続く

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