更年期障害の根本的な原因

45~55歳の年齢にさしかかった女性を悩ませる更年期障害。

更年期障害の根本的な原因が、卵巣の機能低下に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏である事が判明し、それでは欠乏したエストロゲンを補充すれば良いのでは、と始められたのがホルモン補充療法でした。

ですが、どのような治療法にも、試行錯誤の時期があって、その過程で2002年のWHI(Woman's Health Initiative)の中間報告で「この治療法を受けた婦人に乳癌の発症例が多い」・「この治療法を受けた患者に子宮頸癌の罹患率が高い」などと言うネガティブな評価が確立してしまいました。
これによってこの療法の普及は一時的に頓挫しました。

しかし、人口の半分の女性の、その中でも家庭に職場に不動の地位を築いている年代の女性をさいなむ問題を解決する薬剤を、あるいは療法を確立すれば1度や2度の挫折には屈することなく、ホルモン補充療法の改善に邁進したのが、欧米の医療研究者たちでした。

日本においても2011年11月に開催された第26回女性医学学会で、「更年期障害におけるホルモン補充療法は、悪性腫瘍全体ではリスクを上昇させるものではない」と言う見解が出されるようになりました。

しかし、日本では、いまだにその両方の普及率は、更年期障害で悩む人々の1.5%にとどまっています。

そのうような中にあって、日本ではエストロゲンを補充する代わりに、大豆食品や大豆に含まれる大豆イソフラボンの摂取を勧められるようになっていました。
大豆イソフラボンそのものがエストロゲンに代替する機能を持っていると事が判明したからです。

ですが、その結果すべての更年期障害の女性の症状が軽減されたかというと、そうではありませんでした。

緩和された人と緩和されなかった人の明暗が別れていました。

何故にそうなのかと、大豆イソフラボンに関する研究が進むにつれて、その中に含まれるダイゼインという成分が、小腸内の腸内細菌の働きでエクオールという物質に変化して、そのエクオールこそがエストロゲン代替の機能を持つ物質なのだと言うことが判明しました。

そして同時に、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンの成分の一つであるダイゼインをエクオールに変える腸内細菌は、日本において、37%の人しか小腸に棲まわせていないと言う事も判明しました。

つまり、日本の更年期障害に悩む女性の3人に2人が、いくら大豆食品・大豆イソフラボンを摂取しても、更年期障害の軽減を期待できないということです。

ここに至っては、「エクオールを人工的に生成して服用すれば良い」と言う考えが出て来ても不思議はありません。
それも、「ホルモン補充療法のような、病院での受診が必要と言うのではなく、もっと手軽にサプリメントで摂るという形で摂取できるようにすれば、普及率は高くなるはず」と。

と言うことで、日本においてエクオールサプリメントが幾つかの製薬会社で生産・発売されています。

そして、TVでもエクオールサプリメントの効き目に関して放送されるようになってきました。
バラエティー番組で、女性ならだれでも関心を惹きつける「美容と健康」をテーマにした番組でした。

当然、更年期障害についての言及もありましたが、なによりも「お肌のシワ・シミ・ハリ」及び「骨粗鬆症・高血圧・動脈硬化予防」に関する効能が強調されていました。

女性の関心を惹きつけるといったら美容と健康が双璧なのでしょう。

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