子供のコミュニケーション障害は個性との区別が困難。
発達障害は脳機能障害の1種です。
しかし麻痺症状など無い為、蓋然(がいぜん)的に特徴として表出されない特徴を持ちます。
コミュニケーション障害は下記のように分類されます。
- ①広汎性発達障害(自閉症)
- ②アスペルガー症候群(高機能発達障害(又は自閉症の一種))
- ③注意欠陥発達障害(ADHD)
- ④学習障害
尚①②を同一分類に指定する場合もあります。
臨床においては幼児の場合は特に発達障害と個性との区別は困難です。
例えば人見知りの場合は成長に従い人格変化が生じ一般的に求められる社交機能に対応出来る様に成ります。
その為、軽度な発達障害の場合、子供の個性として見逃されるケースも少なくありません。
加えて成人であっても自覚症状無しに普通に生活を送って人もいます。
症状としての蓋然(がいぜん)的な特徴や異常行動が現れにくい為に一般的に理解されにくく、成長過程で療育機会が乏しいと言う事が現実です。
他方顕著に現れるケースでは概ね3歳頃までの間に刺激への反応に現れる為、早期治療(療育)の機会が得られます。
①②自閉症
- 言葉の発達遅延
- 言葉の受け答え上での障害
- 強い拘り・執着
- 社会性欠如
- 知的障害
広汎性発達障害の主な特徴の中で知的障害も含まれ、就学時には学習障害(LD)として判断される場合が多くあります。
その他、知覚に異常が見られないタイプがあります。
この場合を高機能発達障害(アスペルガー症候群)と称されます。
知的機能には異常が無い為、個性として社会生活上でも成立でき、病的執拗な拘りが発明や発見の能力に活かす事があります。
不器用な生き方(交渉術や利害関係、信頼関係構築に困難)が目立ち、人との関わりは消極的である為、罹患者は成人に至っても高機能発達障害である事を認知出来ない場合もあります。
また、症状が極めて軽度な症状で推移し通常の社会生活を送っている場合は(自閉症スペクトラム)として分類される場合も存在します。
②アスペルガー
- コミュニケーションに齟齬(そご)が生じる。一方通行の会話で相手の立場を考慮出来ない。
- 対人関係・社会性の欠如。他の考えに立止まって熟考出来ない。
- 関心の偏重、芸術家や職人などにも現れる症状。
- パターン化した行動。生活上、計算の出来ない新奇性の体現(想定外)に嫌悪する。
③ADHD(注意欠陥性発達障害)
集中力や持続性に欠け、じっとしていられなく、衝動的に不可知な行動をとる。と云う特徴があります。
その他、整理整頓や物事を優劣や手続きの流れを考える事が苦手である場合もあります。
症状発症は6~7歳(修学開始頃)が多く、一般的に軽度な場合成長する事に従って心身に落ち着く方向に変化して行きます。
他方、重度の発達障害の場合で対処困難な児童に対しては支援学組でサポートできます。
成人の[人格障害] 境界性、多動性との関連も全く否定出来ない様に思われます。
④LD(学習障害)
読み・聞く・書くと云った一連の学習機能に問題がある障害を指します。
- 複数の事柄を並行して挑めない。(授業に耳を傾けながらノートに書き写す作業など。)
- 失語症の特徴同様、文字の読み書きに難がある。
- 練習を重ねても計算式を解けない。
軽度の場合、知能検査や外見的には健常者と乖離(かいり)していない為単に勉強嫌い、怠け者と云ったレッテルを貼られる事もあり。
また一時的問題か、重症かの判断に至って専門家においても長期観察を余儀なくされます。
特にアスペルガーやLDの症状は近親者(親や兄弟)でも気付かない場合が多いと云われます。
小児コミュニケーション障害ポイント
- 基本的に会話が苦手幼稚園などでも一人で遊ぶ事が多い。
- 会話の一方通行で言葉のキャッチボールが苦手。
- 急な予定変更やトラブルへの上手く対処出来ず、パニックに浸りやすい。
- 大きな音や騒然とした空間では心理的混乱が生じ耳を塞ぐ傾向が強い。
- 学習面において偏りがあり、好奇心が擽られる科目には集中力を発揮できる一方で苦手な科目へは無意識に回避する。
- 例えば、難しい漢字で表現出来るが一方で’ひらがな’での表現が困難である場合もある。
- 興奮すると際限なく感情の爆発を抑えるまでに長時間かかる