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【新型うつ病】怒りの発作

好きな事ならできるけれど、嫌な事は身体が動かない。
職場では精彩に欠けるのに、アフターファイブは天下を取ったように意気軒昂。
失敗してもその原因を他人のせいにしたがる……どの職場にもいて、近年では増加傾向にあり、困りもの。
そんなタイプのうつ病が増えています。

このうつ病は、これまで知られている従来型うつ病とは、顕在化する症状も治療法も異なる事から新型(非定型)うつ病と呼ばれています。
世間での認知度が低いため、単に「ワガママ」と見なされて放置されて発見が遅れたり、従来の抗うつ剤が効かなかったり、正しい診断をする事ができる医師が少ないため、正しい治療が行われず、受診したり入院しても症状が改善されない例が多々あります。

また、従来型うつ病が中年以降の年代に多いのに対して、新型(非定型)うつ病は20~30代の若い年代に多いのも大きく異なる点です。

従来型うつ病との相違点を列挙すると以下の通りです。

従来型うつ病 新型うつ病
自分を責める 他罰的
自分に価値を感じない 気分反応性
焦燥・絶望・不安感 鉛様疲労感
興味・関心がなくなる 不安・抑うつ発作
気力減退 拒絶過敏症
自殺願望 怒りの発作
睡眠障害 過眠
食欲不振とそれによる体重減少 過食による体重増加

上記の症状の中でも特に周囲への影響や本人に対する打撃が大きいのがアンガーアタックというもので、新型うつ病の拒絶過敏性が爆発的怒りとなって顕在化する症状です。

この症状の患者は、いわゆる「キレた」状態になり、身をふるわせて相手を非難したり、大声で叫んだり、手当たり次第に物を壊したりして、手がつけられないようになります。
普通なら理由にならない事で怒りを爆発させますので、周囲の人々は理由が分からず困惑します。
しかし、それに対して不用意な反応をすると、ますます刺激を与える事になります。

もちろん、全ての新型(非定型)うつ病患者が怒りを爆発させるわけではありません。

アンガーアタック患者は新型(非定型)うつ病患者の3割程度です。

彼らはどんな事に怒りを感じるのでしょうか。

たとえば、レストランでなかなか注文の品が来ない時に、普段であれば「まだですか?」と訊ねるくらいなのに、「馬鹿にされた」と感じて激高し、店長を呼び出して事情を説明させるほどに怒りを露わにする事があります。

沸き上がってくる怒りを自分では抑えられず、怒りの理由も普通はそこまで怒らなくてもよさそうな些細なものでしかないのがほとんどです。

そして、顔を真っ赤にして、身体を震わせて、大声で相手を非難するような怒り方で、尋常ではありません。
怒りの対象が人間であれば人間以外の物の場合もあります。
相手が人間の場合も放っておけばタダではすまないのに、人間以外の者に対しては力の限りを尽くして破壊してしまいます。

そして、この怒りの発作が収まった後は、本人も自分が正気ではなかったと気づき、激しく自己嫌悪に陥り、うつのスパイラルにはまり込んでいきます。

このアンガーアタックという症状は、患者自身が本来持っている性格ではなく、新型(非定型)うつ病ゆえに生じるものです。

この症状と診断されるには一定の基準があり、それは以下の通りです。

  • A:過去半年間、怒りっぽい
  • B:過去半年間、些細な事に対して過敏な怒りを示す。
  • C:過去1ヶ月の間、不穏当な方法で他人に対して怒ったり、激怒した事が1回以上ある。
  • D:怒りの発作において、以下に示す症状を4つ以上、少なくとも1回以上体験している。
  • (a) 心拍数の増加。
  • (b) ほてり、赤面
  • (c) 胸の締め付け、胸部圧迫感
  • (d) 手足の感覚麻痺、もしくは疼く感じ
  • (e) 頭がフラフラする感じ、めまい
  • (f) 息切れ、もしくは呼吸困難
  • (g) 発汗
  • (h) ふるえ、もしくは震せん
  • (i) パニックのような感じ、いてもたってもいられない感じ
  • (j) 制御できない感じ、もしくは爆発しそうな感じ
  • (k) 他人の身体を攻撃したい、もしくは怒鳴りたい様な気分
  • (l) 実際に他人の身体を攻撃する、もしくは言葉で攻撃する
  • (m) 周囲の物を投げたり、壊したりする

新型(非定型)うつ病の特徴を全体的に見渡すと、 自分への愛や賞賛が拡大しすぎて等身大の自分が見えなくなってしまう「自己愛性パーソナリティ障害」の可能性が高いと言われています。

新型(非定型)うつ病は抗うつ剤は効きにくく、 治療はカウンセリングや認知行動療法が中心となり、まずは、社会の中での自分の役割やポジションを理屈で解ってもらい、 本当の自分の姿と向き合うことで、周囲と摩擦を起こさず現実社会に溶け込めるよう矯正します。

自己愛性パーソナリティ障害の傾向をもつ人たちは、知的水準の高い場合が多いため、 カウンセリングや認知行動療法の趣旨さえ納得していただければ、治療もスムーズに進んで症状の改善に向かうことが可能であると言われています。(希望的観測)

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