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緊張型頭痛と脱水症状

水分補給

1980年の前半に中学校で数学を教えていたことがあります。

ある秋の1日に、全校生徒で札幌を根拠地にする劇団の興行を観劇する行事がありました。
劇の内容はそれほど露骨なお涙頂戴物ではなかったはずなのですが、女子のかなりの部分が大泣きしてしまい、それに男子の一部もシンクロしてしまい、観劇後はなかなかの騒ぎになってしまいました。
騒ぎの1つに、大泣きした女子たちが頭痛を訴えた事も入れて差し付けないと思います。
声を上げて泣きまくった女子たちが、眉間にしわを寄せて「ノーシン! ノーシン!」と叫んでいた光景を、30年以上経った現在でも覚えています。

騒ぎが終わったあとで、保健の先生に、大泣きと頭痛の関連性を尋ねてみたとところ、「あんなに泣いて涙を流したら、脱水症状になっちゃいますよ」と言う答えでした。

脱水症状?
初めて接する単語ではありませんでした。

前年の夏に読んだ雑誌に、アメリカの西海岸を舞台にした漫画があって、登場人物たちがデスバレーへ宝探しに言って、一行の中の女子が倒れた原因が脱水症状でした。
この脱水症状とは、日本のような温暖湿潤な気候の下ではそれほど恐れるに足りませんが、カリフォルニア州の砂漠では極めて恐ろしいものです。

脱水症状の症状

脱水症状の主な症状としては、軽症でもめまい・ふらつき・頭痛・悪心などがあります。

保健の先生の話では、脱水状態で体内の水分が失われると、血液の循環量も減少してしまい、頭部にまで十分な量の血液が、つまり酸素と栄養がいきわたらなくなってしまいます。
これは脳にとって重大な危機で、その警告のために頭痛が出ます、と言う事でした。

「ああ、それで麦茶を用意してたんですか」と改めて聞くと 「ただ水を飲みなさいだけじゃ、際限もなく飲んじゃうから。コップ2杯ものませれば十分でしょ」と言う事でした、 コップいっぱい飲ませてもらったら、かすかに塩味がしました。

そのことを言うと、「水だけだと足の親指やふくらはぎがつっちゃいます」とのことでした。

そして女性がどんなに頭痛で大変な思いをしているのかをグチグチと語られてしまいました。

確かに、2種類の女性ホルモンの台頭と衰退のたびに頭痛が起こるのは、身近な家族を見ていればわかることですし、妊娠中も頭痛だし、出産後も頭痛なのは、母親の下の妹の受胎・妊娠・出産を目の当たりにしていたので、痛いほどわからされていました。

筆者は幸いなことに男なのでそのような頭痛は無縁ですし、せいぜい仕事で何日か徹夜をして仮眠(30分睡眠)から目覚めた時とか、焼酎の輸入ワイン入りを飲みすぎた時ぐらいなものです。

二日酔いと頭痛

そう言えば、二日酔いによる頭痛と言うのは、長らく肝臓でエタノールを分解・代謝する過程でアセドアルデヒドが発生し、それが有害物質なため、頭痛や吐気の原因になる、と言うものでした。
ところが二日酔でその原因をあらためて検索してみると、アセドアルデヒドだけが原因ではなく、あと2つ原因があるというのです。

何かと言うと、1つは先述の脱水症状です。

確かに酒の薬効成分であるエタノールというのは、アルコールの一種で、身近に接した組織や細胞の水分に置き換わろうとします。
酒を飲むとエタノールが口腔から喉、食道、胃、十二指腸、小腸と消化器系を移動するうちに、その表面から水分を追い出して置き換わります。
また、エタノールそのものに利尿作用があります。
結果、酒を飲む量が増えれば増えるほど身体から水分が抜け出てしまい、脱水症状になります。
エタノールの作用で体液や血液の主成分である水分が排出されると、血液そのものの粘性が高まり、血液循環が滞ります。

毛細血管にまで血液が流れにくくなり、身体の各器官の組織と細胞に酸素と栄養分が行き渡りにくくなります。
特に大脳は神経細胞の塊でああるとともに、それに酸素と栄養分を供給する血管(動脈・静脈・毛細血管)の塊でもあります。
酸素と栄養分の供給が滞るのは重大な危機です。
血流が滞った血管から痛み物質が分泌されます。
警告としての緊張型頭痛が発症します。

もう一つの原因は低血糖です。

エタノールを分解するために肝臓がフル回転で働きます。
ただ、生物としてのヒトという生き物が進化の過程でそこまで大量の毒物(エタノール)を分解するようにはできておらず、その途中で別な仕事は後回しになってしまいます。
つまり、エタノールを分解している間、栄養分の供給が疎かになり、血中の糖分濃度(血糖値)が下がってしまいます。

「飲酒の締めにラーメン」を食べたくなると言うのは、水分不足と低血糖状態を訴える身体からの警告信号なのかもしれません。

筆者が経験した脱水にまつわるお話

先に頭痛は徹夜と二日酔いぐらいと書きましたが、もう一つ頭痛を経験したことがありました。
それは夏の放課後のグランドです。
筆者の10代・20代はいかに冬に楽しくスキーを滑るかを追求するためにあったようなものです。
より高く、より険しく、あまり他人の滑っていない斜面を、いかにアグレッシブに滑り降りるか、です。
そのためには春・夏・秋はひたすら走り込みと言うか、ランニングであり、ジョギングでした。
朝のジョギングは当然として、放課後には部活で走るのがなかなか良いエクササイズでした。

問題は、放課後の部活ではどんなに喉が乾いても水を飲めなかった事です。

黙って立っているだけでも汗が滴るような炎天下で走るわけですから大汗を書いてしまいます。
汗は血液や体液から絞り出されます。
水分だけでなく塩分も対外へ抜け出ていきます。
特に、ダッシュとか30m走などの息をつめる走り込みの直後に、頭が締め付けられるような痛みを感じたものです。

「このまんまじゃ日射病だなぁ」といつまでも沈む兆しの見えない7月の太陽を恨めしく思ったものです。

それでも、顧問の先生、先輩たち、同学年の連中、後輩どもが、喉の渇きに負けて水を飲む者がいないかを監視しています。
そういう筆者も自分以外の者が水を飲まないか監視していました。

あれは一体何だったのでしょう。

どうして部活動での運動のときに水を飲むのがご法度だったのでしょうか。

筆者が中学校や高校のグランドで熱中症で倒れなかったのは、丈夫な生まれつきと毎日のランニングで培った頑健な身体のおかげでした。

実際、頑健さに欠ける部員が脱水症状で体調を崩し、無理をおして運動を続けた挙句に頭痛や筋肉痛、めまい、吐気に襲われたのを保健室までかつぎこんだことがあります。

小中高生の頃から筆者は、いい年になるまで、一旦疑問を持つとそれを解明するまでかなりしぶとく持ち続けると言う癖があります。
この疑問を引きずりながら大人になって、なおかつ一時的にせよ中学校の教師になってしまい、これがチャンスと当時40代半ばの体育の先生にその疑問を尋ねてみました。

その反応は
{はぁ?}
と言うものでした。

そして帰ってきた返事は、「そんなもの疑問に思う方がおかしい。昔から決まっていることだ」と言うものでした。

と言う事で30代前半の体育の先生にあらためて尋ねると、「下手に水を飲むのを解禁すると奴らは好きなだけ飲んじまうからな。あっという間に腹がガボガボ状態さ。そうなったら走るもへったくれもあるもんか」と言う事でした。
多少はわかりやすい説明です。

念のため同じ疑問を同年輩の体育の先生に尋ねてみると「本当は汗を書いた分、水分を入れなきゃだめなんだよね」と言う答えが帰ってきました。

「でもね、水だけだと足がつるんだよ」
「ああ、それ」
と保健の先生が大泣きした女子たちに塩入りの麦茶を呑ませていたことを話すと、「それだけじゃチャント吸収できないんだよ。本当は塩だけじゃなくて糖分を入れると吸収率がよくなるんだ。内地のや高校野球の強豪校だと湯冷ましの水に塩と黒砂糖をハカリではかって混ぜたのを飲ませているんだそうだよ」 「経口補水液」と言うものです。

1980年代の初め頃は、そのような状況でした。

炎天下の部活の水飲み厳禁は未だ支配的でしたが、新しい常識の胎動が始まっていたのでした。

それにしても釈然としないのは、当時40代の世代が金科玉条のようにしていた、部活中の飲水厳禁はどこから来たのだろうか、と言う事でした。

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