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統合失調症の診断基準

一般的症例

心や考えの纏まりに混乱が生じる病気でタイプ(型)や経過・進行(期)によって症状変化が生じます。

主な初期症状
  • 実際には存在しない物を知覚してしまう。
  • 自分に向けての悪意のある噂や話が聞こえてしまう。
  • まとまりのある意見や意思疎通に困難を生じる。
  • 独りごとや空笑いが習慣化してしまう。
  • 意欲や感情表現が低減する。

妄想や幻聴の類は患者本人にとっては現実問題であり自らの羅患状態を自覚出来ない場合が多く症状の進行が在る程度に至るまで周囲も一切気付かず放置されてしまいます。
脳内の情報伝達物質の化学変化が症状の原因と言われ、投薬治療は主に偏ったそれら分泌物に対し抑制又は促進させ、調整して改善を図る対処療法が採られます。
脳内部の分泌物変化の根源理由は、嘗ては遺伝など先天性に着目されていました。
翻って今日では遺伝子の配列と統合失調症との相関関係はストレス(仕事・人間関係)など外部刺激からの耐性への強弱程度の違いに留めています。
従ってストレスの質や量が個々人の耐性能力以上に負荷が掛る環境で長期的に放置かれた場合、遺伝子の形態が何れにせよ発病する時には発病します。

診断への前段階

特に初期段階では本人自身も病気である事を自覚出来ない(…していないケース)《病識の欠如》がむしろ一般的です。
初めは家族など周囲が患者本人に診療を促しても大概は拒否されます。
ケースによっては患者本人を騙して診療させる家族もいますが、結果的に家族や病院に対し患者当人は不信感を抱くように成り、治療効果に至っては負の影響を与えます。
結局は家族や周囲は患者に対しては根気強く説得する他、有効な手段が在りません。

従って際立った異常言動(緊急症状)への進行に至って本人の意思とは関係なく強制入院に至る場合も少なく在りません。

初期診療に於ける問診のベース

問診の対象は本人並びに家族や保護者などです。

  • ①どの様な症状が現れたか
  • ②症状発生の時期
  • ③症状経過の具体的内容
  • ④社会生活や日常の営みにどの程度影響を与えているのか
  • ⑤生育歴・既住歴。家族歴や構成

特に病識が無くで陽性症状の患者は興奮状態にある為、適切な問診を当人相手に出来ないケースは家族との問診が優先されます。

診療基準

現在採用されている診療基準は主にWHOによる国際疾病分類《ICD-10》と米国精神医学会の《DSM-Ⅳ》が挙げられます。
診療方法は基本的に同様な手法が採られます。
投合失調症の症例項目を複数採り挙げ、診断する患者が該当する症状項目をカウントし投合失調症の有無及び、重・軽度の判断に生かします。

DSM-Ⅳの場合の統合失調症の基準は、陽性症状・陰性症状が2つ以上の症状が認められ認知障害により社会的・職業的機能低下が半年以上持続されている場合で羅患と判断されます。
加えて正確な現状把握の為、統合失調症以外の疾患による生理的症状(アルコール中毒や薬物中毒 etc)との重複を除外及び水準(A~F)区分けされます。

(A)特徴的症状 右記の特徴症状が1月持続し予後に於いて期間減少が確認された場合。
統合失調症独特な症状
妄想・幻聴・会話(煩雑・脱線・散漫)
緊張型症状・感情の平板化・意欲・思考減退・2(多)重人格性の対話(離人症が疑われる場合は例外的に1つの症例でも(A)基準の対象)
(B)社会的・職業的機能低下 右記の様に社会と関わる上で必用な管理能力など病前と比較し明らかに水準低下が認められる場合。 仕事のスケジュール管理・円滑な人間関係の構築・健康面での自己管理。
患者が若年の場合は交友関係や学業成績などが参考にされます。
(C)症例の持続期間 性格の急激な変化など半年以上の持続性が認められる場合や(A)活動期(陽性症状)の症状が1月以上の持続性が認められる場合。
前駆期や回復期の場合は陰性症状が期間とは関係なくに2つ以上の症状が認められる場合。
(A)の症状の他、荒唐無稽な信念・オカルト映画の様な異常な知的体験。
(D)気分障害の除外 (発病時)前駆期に於いて躁状態、うつ状態、又は混合性の症状が現れていない場合。気分障害の持続期間が統合失調症に於ける前駆期及び回復期より長期間に及ぶ場合。  
(E)物質や一般障害による症状の除外 この場合での物質とは薬物の事で指し、乱用をした結果の外因性を根拠とした精神障害。  
(F)LDなど広汎性発達障害(自閉症)の除外 発達障害が認められる場合、妄想や幻聴が1月以上認められる場合。治療によって持続期間の短縮が認められる場合  

統合失調症と仕事

統合失調症に適した仕事とは一般論では、《集中力の欠如・臨機応変な対応の欠如》という特質を考慮された環境が適しています。
具体的には比較的短時間でパターン化された業務内容で且つ、マイペースでの作業がある程度認められる事が望まれます。
接客に於いても一般的に不向きとの指摘が在りますが、実際問題、全てダメという訳ではなく、例えば苦情対応など関係構築に高い臨機性が求められる業務や一度に複数のリクエストが来て自己判断で優先順位を付けなければ成らない業務は困難である事を示唆しています。
その他業務内容も暗にパターン化する傾向がありますが個々人の性格、経験、症状の進行によって相違が生じます。

一日2時間程度、週5日制の10時間から少しずつ馴らして行き、フルタイム対応出来る様な就労訓練施設もあり、雇用者側と相談しながら調整する事も可能です。

他方、統合失調症の特徴は他の疾患と比較し自己の(病識)に欠落が多く、高学歴な人は特にプライドとの葛藤に苛まれ、「現実」と「在るべき状態」との乖離に適応障害を起こしやすいと言われます。
その様なケースの場合、無理に病気である事を指摘したり、同情心を醸し出す対応は逆効果に成る場合もあります。
対応や気使いに力を入れるよりは、職場での成功体験の積み重ねが結果的に置かれた位置への適応能力を高め症状改善に繋がります。

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