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うつ病と摂食障害(後編:摂食障害とうつ病)

摂食障害になりやすい人々のメンタル的特長はと様々にネットを探っていると、「摂食障害のになりやすい性格の自己診断」と言うものがありました。
診断項目を紹介すると、以下の通りです。

  • (1)自分に自信がなく将来が不安だ
  • (2)子供のころから「良い子」を演じている
  • (3)自分の外見にコンプレックスがある
  • (4)痩せればよい人生が送れると思う
  • (5)ダイエットしようと思ったきっかけは、他人から「太っている」と言われたからだ
  • (6)何事も粘り強く取り組み、完璧にこなさないと気が済まない
  • (7)落ち込んでいても、そのそぶりを他人には見せないことが多い
  • (8)人から悪いところを指摘されるとかなり傷つく
  • (9)他人と自分を比較し、優越感や劣等感を持つことがある
  • (10)人から嫌われるのが怖いので、本音が言えない
  • (11)本当の自分と人に見せている自分にギャップがある
  • (12)ストレスがたまると食で発散することが多い
  • (13)人に甘えることが苦手だ

どこかで見たような性格像が、脳裏に浮かび上がってくるのは、私だけではないはず。

はっきり言って、これらの性格的傾向は、「うつ病」とか「うつ状態」、「気分変調性障害」と言う気質群の人々の精神傾向と重なる部分が顕著です。

摂食障害とうつ病。

確かに両方とも、治療に行くとなれば、メンタルクリニックとか総合病院の心療内科もしくは精神科、さらには精神病院に行く事になる病気ではあります。

とは言え、摂食障害は、年端のいかない外見とおしゃれしか頭にない女子供がかかる一過性の病で、うつ病は過度のストレスに悩む壮年の男性の病気、と言うイメージが牢固としてあります。
共通点等全くないように思われる症状の、根元の暗い部分に何か共通点があるのかもしれません。

そういえば、以前にアルコール依存症・薬物依存症・ギャンブル依存症・摂食障害の人々に向けて発行されている、併せて「コントロール障害」の人々向けの「自分の病歴を包み隠さず告白する文章」を大量に読む機会がありました。

読んで得られた傾向として、下記が共通して見られました。

  • (1) 自分に対する不満(容姿・性格・能力・廻りの評価・待遇など)
  • (2) 不安感(喪失不安、獲得不能不安など)
  • (3) 脅迫的傾向(アルコールを飲み続ける、ギャンブルをやり続ける、食べない、食べ続ける)

ここでも出てくる性格的傾向は、うつ病」とか「うつ状態」、「気分変調性障害」と言う気質群の人々の精神傾向です。

あらためてうつ病について簡単に確認すると、次の通りです。

以前は精神障害として、他の病気とは一線を画する扱いを受けていました。
しかし、大脳生理学の進歩の結果、うつ病ないし気分変調性障害の発生機序は、脳内の神経伝達物質と深い関係があることが解ってきて、具体定期にはセロトニンやノルアドレナリンの分泌量が減少して情報伝達がスムーズに行われなくなってしまう状態です。

「脳内の神経伝達物質の機能の低下→うつ病の発症」と言う図式です。

つまるところ、うつ病はれっきとした身体の病気であると言う事です。

ですから、従来のような、
「うつ病になる人は精神的に弱い」
「うつ病なんて怠け者の病気だ」
……などと言う精神論で片付けられるようなものではなく、緊急避難的な入院や、長期にわたる通院・投薬が必要な慢性病であると言う認識が必要な病気と言う事です。

そして、近年はうつ病と摂食障害が進められているようですが、未だに「うつ病が摂食障害の引き金」と「摂食障害からうつ病になる」と言う対立意見がアウフヘーベンされていないような状態です。

ですが、いずれにしても両者の間には密接な関係がある事は、誰も否定できないようです。
その傍証として、摂食障害とうつ病に間には、生化学的以上の類似性が高い、と言う事実があるからです。

具体的には、うつ病の治療薬である抗うつ剤が摂食障害、特に過食症の患者に効果が高い事が知見として報告されています。

また、ストレス対応ホルモンであるコルチゾールが健常者よりも高い値を示すと言う点でも共通しています。
うつ病や摂食障害の人々に見られる「コルチゾール過剰分泌」は脳内の視床下部付近の機能が関係している事が解ってきました。
視床下部と言えば、多くの身体の機能をコントロールしている場所です。
体温調節、水と電解質のバランス、ホルモン分泌、糖や志望の代謝、食欲中枢……。

これらの事を考慮に入れると、視床下部の異常が摂食障害とうつ病の双方に関係がある事は、充分に論議できるところです。

今のところ言える事は、長期にわたってストレス荷重状態が続くと、神経伝達物質やホルモンのアンバランスが起こり、その結果として摂食障害やうつ病の発症を見るのではないか、と言う事です。

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