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緊張型頭痛と眼精疲労(その2)

眼精疲労による頭痛は緊張型頭痛の可能性が高いと説明してきましたが、眼精疲労を軽減する方法を下記に記載します。

アロマセラピー

長時間の、VTD(Visual Display Terminal )作業などで蓄積した疲れを、アロマで癒すのもお勧めです。
アロマの働きでリラックスすると全身の力が抜けて、硬く強張った筋肉がほぐれるため、血行がよくなって首や肩の凝りや眼の周りの筋肉の疲弊の軽減・緩和に効果的です。

特にミントやベルガモットの香りにはリフレッシュ効果があります。

ミント

また、眼の疲れを取るには何と言っても睡眠が大事で、カモミール(かみつれ)やラベンダーの香りには熟睡を誘う効果があります。
その他にも自分の好きな香りを嗅ぐとリラックスする効果があるので、試してみるのも手です。

とは言え、一口にアロマセラピーと言ってもアロマ(芳香)の素は基材と言います。
基材は大きく「油性のもの」と「水性のもの」に分けられます。

油性の基材(キャリアオイル)とは植物油のことです。
キャリアはアロマ(芳香)の核心である精油(エッセンシャルオイル)を運搬するものと言う意味で使われています。
と言うのも、精油(エッセンシャルオイル)そのものを直接肌につけることは、刺激が強すぎるのでNGなため、キャリアオイルで薄めて使用します。
精油(エッセンシャルオイル)もキャリアオイルも多数の種類があって奥が深いものがあります。

もう1つの水性のものはフローラルウォーター(芳香蒸留水)と言うものです。

これは芳香の素材である植物から精油(エッセンシャルオイル)を、水蒸気蒸留法と言う方法で抽出する時に、副産物として精油以外に採取できる液体の事です。

たとえば開花した ラベンダーを刈り取り、水蒸気蒸留をするとラベンダーの精油(エッセンシャルオイル)が抽出できると同時にラベンダーのフローラルウォーター(芳香蒸留水)が採取できると言う事です。

フローラルウォーター(芳香蒸留水)には精油(エッセンシャルオイル)が、ごく少量ではありますが、混入していて、そのために芳香がしますし、精油(エッセンシャルオイル)そのものと同等の有効性があります。

おすすめはラベンダーウォーターやペパーミントウォーターです。

眼精疲労を癒やす方法として、常温または冷湿布と温湿布の2種類があります。

常温または冷湿布

冷たい湿布と香リ効果でリフレッシュし、疲労回復を狙う方法です。

常温のフローラルウォーターでも体温より低いので冷涼感があります。

夏の場合は気温が上昇しますので冷蔵庫で保冷しておくのがお勧めです。

実践方法
  • 100円ショップで購入したスプレー容器(あらかじめ洗浄します)にフローラルウォーターを移し入れます。
  • コットンに2~3スプレーします。
    あまり湿らせすぎると眼の中に入ってしまいます。
  • 目を閉じた瞼の上に湿らせたコットンを乗せて、5分間ほどクールダウンします。

温湿布

温かい香りのたおるでまぶたをあたため、血行をよくして疲労物質(FF:Fatigue Factor)の排出を助けたり、疲労感を軽減・緩和する方法です。

実践方法
  • 濡らしてよく絞ったタオルをラップで包んで電子レンジにかけます。
  • 500Wで1分ほどが目安ですが、それよりも人肌よりもやや熱めと言う温度になるように試してみてください。
  • 精油(エッセンシャルオイル)を1滴タオルに垂らします。
  • そのまま閉じたまぶたの上に乗せてリラックスします。
  • 5分ほど行います。
    冷えてきたらまたラップに包んで温めなおしてください。

※ただし、先述のようにエッセンシャルオイルが直接肌につかないようにしてください。
まぶたの皮膚は薄く、精油(エッセンシャルオイル)によって眼を直接刺激する事がありますので。

精油(エッセンシャルオイル)を垂らした部分が中になるように、タオルをくるくると巻き込んでください。

おすすめのエッセンシャルオイルとして、上げられるのは比較的肌への刺激の少ないものです。

ラベンダー

他の精油と相性が良い精油です。
20世紀初頭に実験中にやけどを負った香料科学者が、その傷にラベンダーの精油を塗布したところ、火傷が速く治ったとの事です。
ラベンダーには傷口を活性化し、回復を促進し、傷跡を縮小する作用があります。
また、天然の鎮静剤として頭痛の際に精油をこめかみに塗ったり(大昔の日本の主婦がこめかみにサロンパスの切れ端を貼っていたことを思い起こさせます)、就寝時に数滴の精油を枕に落としたりするとリラックスして深い充足した睡眠へ誘ってくれます。

ペパーミント

フレッシュな香りのペパーミントは、風邪の席や喉の腫れの調合薬として使用されていた他に、香料としてお菓子や歯磨きの香料として広く用いられ、普及したハーブです。
頭をクリアにし、活力や集中力をもたらします。
喘息や気管支炎などの呼呼吸器系だけでなく消化不良などの消化器系にも効果的です。

ジャーマンカモミール

ジャーマンカモミールの最大の特徴はカマズレンというキク科のハーブ(カモミール・ニガヨモギ・セイヨウノコギリソウなど)の植物に含まれる芳香族化合物を成分として多く含んでいることです。
カマズレンは鮮やかな青色をしており、そこからブルーカモミールの別名があります。
カマズレンの機能は高い抗炎症作用・抗アレルギー作用・組織再生作用などです。
ですので、ジャーマンカモミールはスキンケアに効果的と言われており、また古くから婦人系の不調に効果があるとして使われてきました。

ローマンカモミール

ローマンカモミールの成分は、上記のジャーマンカモミールとはまったく異なります。
エステル系の成分が圧倒的多数を占め、強い鎮静効果が特徴です。
作用は穏やかで香りもフローラルなため、子供から老人までリラックスのために使用することができます。

ゼラニウム

フウロソウ科の植物で、原産地は南アフリカです。
同じフウロソウ科の薬草として日本ではゲンノショウコがあります。
ゼラニウムの精油の効果は多岐に及ぶため、「オールマイティー」とか「ホルモンバランサー(調整作用)」として知られています。
リンパの滞りや血行不良の症状を改善するなどの循環器系への作用があります。
また、気鬱を防ぎ、リラックスした気分を味あわせてくれます。
また、気持ちを高揚させ、ポジティブにすると言う効果も期待できます。

レモングラス

インドや中国の伝統的医学では、レモングラスの精油は中枢神経を調整して興奮を収め、鎮静させる機能があります。
脳の疲労や情緒不安定の予防につながることが期待できます。
また、痛みと発熱を伴う筋骨格系の症状に用いられてきたハーブで、眼精疲労が目の周囲の筋肉群の疲弊が原因になている事からも使用するのに適していると言えます。

他にもバラの花から抽出されたローズオットーなどがありますが、高価なので財布と相談してください。

精油(エッセンシャルオイル)の価格(1ml----約20滴分----)
  • ユーカリ・パパーミント・イランイランなど:150円前後
  • ティートリー・ラベンダー・ゼラニウムなど:200円前後
  • サンダルウッド・ジュニパー・フランキンセンスなど:400円前後
  • カモミール・ネロリ・ジャスミンなど:2,000~3,000円前後
  • メリッサ・ローズオットーなど:4,000~5,000円前後

薬物治療

様々な眼精疲労の緩和・改善の方法を紹介してきました。

最後に紹介するのが薬物療法です。

とは言え、眼精疲労とそれが講じることによって起こる緊張型頭痛の解消法として、最初に検討されるのが薬物治療である事は否定できません。

確かに薬物の使用による副作用や過度の摂取による依存や渇望症状は警戒すべき事ではありますが、何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、過度の警戒は自ら治療の選択肢を減らす事になってしまいます。

一口に眼精疲労と言っても、原因は何種類かあって、それに適した薬剤を投与すれば効率的です。

眼精疲労の原因として以下の5つがあります。

  • 調整成眼精疲労
  • 筋性眼精疲労
  • 症候性眼精疲労
  • 神経性眼精疲労
  • 不等像性眼精疲労
調整成眼精疲労

眼のピント調節を行う筋肉(毛様体筋)の過度の緊張による眼精疲労です。
長時間に渡るVDT(Visual Display Terminal )作業やTVの見すぎ、スマホゲームなどで眼を酷使する生活が原因です。
また、遠視・乱視・老眼などが原因です。
眼精疲労の原因で最も多い症状です。

シアノコバラミン(ビタミンB12)配合点眼液

水溶性ビタミンの一種で末梢神経に働きかけて疲れを取ります。
多くの市販薬に配合されており、眼の調整機能を改善します。
処方薬としてサンコバ点眼薬として販売されています。
眼のピント調整機能を司る眼周筋に必要なエネルギーを供給します。
眼精疲労の点眼薬として市販されている点眼薬に配合されています。
代謝に関わるビタミンで、効率よくエネルギーを生み出すことによって眼精疲労に効果があると言われています。

ネオスチグミン配合点眼液

商品名はワゴスチグミンで、眼の調整機能改善に有効です。
毛様筋の機能を援護します。
神経伝達物質の1つであるアセチルコリンを増やし、副交感神経を賦活させます。
副交感神経が活性化すると毛様体筋の収縮を促します。

トロピカミド配合点眼液

眼の緊張を緩和します。
毛様体筋(ピント調節を行う筋肉)の痙攣がひどい場合に処方される処方薬です。
ムスカリン拮抗薬で、点眼すると短時間に散瞳(瞳孔散大)作用と毛様体筋麻痺作用を示します。
これはトロピカミドが瞳孔括約筋の働きを抑制するからです。

内服薬メコバラミン

毛様体筋や末梢神経に働きかけるビタミンB12を補う成分です。
商品名はメチコバールです。
末梢神経障害・糖尿病性神経障害・帯状疱疹に伴う神経痛などに用いられます。
その他、味覚障害・臭覚障害・耳鳴り・難聴・眼疾患などで神経の働きを助けるのに応用されています。

筋性眼精疲労

眼の周囲の筋肉が異常をきたした事によって眼精疲労になるパターンです。
斜視や斜位などの眼位置異常、眼球運動に問題がある輻輳異常などがあります。

アデノシン3リン酸2ナトリウム

血管を拡張して血流を改善する内服薬です。
眼精疲労だけでなく様々な用途で使用されています。
一般にATPと呼ばれる代謝活性薬剤です。
器官・組織・筋肉の血管を拡張して血流を改善します。
薬剤としての効果は強さに欠けますが、それだけに副作用が少なく、代謝サイクル・神経伝達を活性化させ効果があります。
脳・内耳・心臓・胃などの各臓器の血流量。
エネルギー量を増加させ、エネルギー代謝を活発にします。
めまいや眼精疲労・慢性疲労・メニエール病・慢性胃炎などに処方されます。

※筋性眼精疲労は投薬以外に、それぞれの原因に合わせた対処が有効です。
眼位異常が原因の場合はプリズム眼鏡での矯正が可能です。
斜視の場合は手術や視能訓練などによって根本的な改善を目指す事ができます。

症候性眼精疲労

ドライアイ・ものもらい・結膜炎・角膜炎・白内障。
緑内障などの眼病や、心身症・神経症・高血圧などの全身症状が原因で起こるパターンです。

ものもらい・結膜炎・角膜炎・白内障、緑内障や心身症・神経症・高血圧などは、簡単に直せるものや治そうとして治しきれる事が困難な疾患があります。
無論それぞれの治療や症状の改善に薬剤の投与が必要ですが、対処療法として投与可能な症状はせいぜいドライアイで、それに対する薬剤としては人工涙液を上げる事ができます。

人工涙液(主成分は塩化カリウム・塩化ナトリウムが主成分)

病院で処方される人工涙液には、角膜に悪影響を及ぼす危険のある防腐剤が基本的に配合されていません。
ですので、点眼する回数が多い場合は注意が必要です。

神経性眼精疲労

日常生活や仕事などのストレスによって症状が出ているパターンです。
健康な状態のときには無意識に眼のピント調整を行っていますが、これは自律神経が正常に作動していればこそです。
ストレスで自律神経のバランスが崩れるとピント調整機能が乱れてしまいます。
神経性眼精疲労は軽症であれば(a) の調整性眼精疲労と対処法と同じです。

トフィソバム

自律神経失調症の症状がある場合に処方される安定剤のひとつで、内服薬です。
眠気やだるさなどの副作用が比較的軽い軽いです。
商品名はグランダキシン。
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬。
自律神経系によく働きます。
トフィソパムがベンゾジアゼピン受容体に着くとGABAが活性化し、脳の活動が抑えられて不安感や緊張感が緩和されます。
作用は穏やかで作用時間は短く(6時間以内)、覚醒時に2ないし3回服用する昼用があります。

不等像性眼精疲労

視力の差が大きいために目に負担がかかり、眼精疲労になるパターンです。
メガネやンタクトレンズの度数が合っていない場合に起こるパターンです。

メコバラミン:内服薬、アデノシン3リン酸2ナトリウム:内服薬

※症状が軽度の場合は投薬ですが、根本的な対策はコンタクトや眼鏡を、ストレスのないように買い換えたり、レーシックなどの屈折矯正手術を行う事です。

以上は処方薬で、それを使用するためには医師の診察を受けなければなりません。

もっと手軽に、となると市販薬という事になります。

事実、あまたある薬剤の中で最も多く使用されているのは市販薬であると言われていますが、多くの市販薬の中で眼精疲労に効き目のあるものをと言う事で紹介します。

ロート養潤水α(ロート製薬)

名称からも明らかなとおり、ロート製薬から発売されている点眼薬です。
この点眼薬の特徴は眼疲労を睡眠中に癒やすことです。
就眠前に一滴点眼することで、眼を閉じている間に眼に栄養と潤いを与え、じっくりと癒やしてくれます。

口コミ
「乾き気味の疲れ目によく効く。眼が潤う感じがする」
「寝る前に使うと眼の具合が違う。回復に役立ってくれている気がする」
ロートV11(ロート製薬)

店頭で薬剤師の説明がもれなくついて来る第2類医薬品です。
連日の酷使に悲鳴を上げている眼に、旱天の慈雨のように染み渡る、ビタミンB12などの11の薬効成分が配合されています。
疲労困憊した眼が軽くなるような爽快感が売りの点眼薬です。

  • 「爽快で疲れ目によく効く」
  • 「リピートして会社のデスクにおいてある」
  • 「ないと不安」

ユーザーの絶大な支持を得ています。

多少高価(何せ第2類医薬品なもので)ですが、ぜひ一度は試してみる価値があります。

サンテドウ・プラスEアルファ(参天製薬)

参天製薬が発売している点眼薬です。
購入者が希望すれば説明を受けることができる第3類医薬品です。
そのため通販での購入が可能です。

ビタミンB12などの薬効成分に加えて、末梢血管の血流を促進するビタミンEが配合されており、多方面の角度から眼精疲労を軽減します。

口コミ
「価格が手頃で使いやすい」
「液がしっとりしていて、差すとジワーと染み込む感じで心地よい」
アリナミンEXプラス(タケダ)

アリナミンと言えば会社名を連呼するCMで有名なタケダの内服薬です。
EXは第3類医薬品で薬局で購入でき、悠久すれば薬剤師の説明を聞くことができます。

ビタミンB誘導体フルスルチアミン+神経や筋肉の働きを剪除するビタミンB・ビタミンB12+血行を良くするビタミンEを配合しています。

眼精疲労だけでなく、肩凝り・腰の痛みの緩和に効果が期待できます。

口コミ
「眼の疲れに効く」
「しばらく飲み続けていたら肩凝りがなくなった」

眼精疲労だけでなくデスクワークがらみの体調不良に効くようです。

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