トップページ >> 鉄分欠乏症02

鉄分欠乏症02

モノアミン系神経伝達物質とは、アミノ酸を1個だけ含む神経伝達物質でセロトニン、ノルアドレナリン、ドパーミンなどが代表として挙げられます。
これらは脳内で合成されますが、バランスよく機能していると脳は正常に働きます。
しかし、バランスの失調が精神疾患となって現れます。

鉄は神経伝達物質であるセロトニン・ノルアドレナリン・ドパーミンが脳内で合成される時に働く酵素の補酵素として機能しています。
したがって、鉄の供給が断たれるとこれらの脳内神経伝達物質----セロトニン・ノルアドレナリン・ドパーミンなど----の合成が阻害されます。

セロトニンは精神のバランスを整える物質で、この物質の不足は

  • ◎イライラしやすく、キレやすい
  • ◎些細な事でクヨクヨメソメソ
  • ◎集中力がなくなる
  • ◎睡眠障害

などの症状を誘発します。

ノルアドレナリンは生存本能を司り、物事への意欲の源です。
「やる気」や「意欲」を高めます。
ストレスに反応して怒りや不安・恐怖等の感情を起こします。

この物質の不足は

  • ◎無気力・無関心・意欲の低下
  • ◎判断力低下
  • ◎注意力散漫
  • ◎抑うつ気分

などの症状を誘発します。

ドパーミンは快楽を司り、「報酬系」と言われており、向上心やモチベーション、記憶や学習能力、運動機能に感よしています。

この物質の不足は

  • ◎喜びの喪失
  • ◎やる気の喪失
  • ◎行動力の喪失
  • ◎習慣の喪失

などの症状を誘発します。

これらの症状を総合すれば、医者でなくても「うつ病ですね」と言う事になってしまいます。
最近の大脳生理学では、うつ病の原因はセロトニン・ノルアドレナリン・ドパーミンなどの神経伝達物質のバランスの失調が原因になっていると言われていますが、鉄分の欠乏がここまで身体的にも精神的にもダメージを及ぼします。

ところが、精神科や心療内科でも血液検査はあるのでしょうが、鉄分欠乏までは診ません。
結果として、鉄不足が原因の疾患であるにも関わらず、うつ病・パニック障害などの精神疾患と判断されてしまう事が少なからずあります。

血液中の鉄が不足していると、恒常性を保つため体内の貯蔵鉄を供給する仕組みになっています。
ちなみに血液中のヘモグロビンの量は、成人男性・成人女性で一定の基準があって、成人男性は13.1~16.6g/dlで成人女性は12.1~14.6g/dlとなっています。

したがって、血中mpのヘモグロビンの量が12.1未満になるような明白な貧血は見逃される事はないのですが、そこまでに至らなくとも、その前段階の貯蔵鉄の減少している状態(潜在性鉄欠乏)までは検査しきれません。
この貯蔵鉄の量を知るには血液中のフェリチンという物質の量を調べなければなりません。

フェリチンとは、内部に鉄原子を貯蔵できるタンパク質で、肝臓・脾臓・心臓などの各器官に存在しており、微量ながら血液中にも存在しています。
そのためフェリチンの量を調べる事によって貯蔵鉄の量を調べる事ができます。
フェリチンの量も成人男子と女子でそれぞれ基準値があり、成人男子では250ng/ml以上、成人女性では100ng/ml以上となっております。
これが70ng/ml以下になると何らかの精神症状が出ると言われております。

通常の血液検査ではフェリチンの量までは測定しませんので、潜在的鉄欠乏を見逃してしまいます。

潜在性鉄欠乏状態になったら、特にフェリチンの量が10ng/mlを切るような状態ならば、食事だけで状態に復することは不可能です。
医師の指導の下に鉄剤かサプリメントを服用するしかありません。

フェリチン量が低下する可能性の高いタイプを、高い順に上げていくと以下の通りです。

◎女性に限ります。

  • 生理の出血の多い人
  • 妊娠している人・産後の人
  • 婦人科の問題を抱えている人
  • ダイエットをしている人

◎男女共通

  • 胃潰瘍・痔、その他出血が常態な人
  • 菜食主義者
  • 胃の調子が悪い人・ピロリ菌保菌者

上記に当てはまる人は要注意です。

そうならないためには、常日頃から鉄分を摂取するために食事を見直す必要があります。

ただ闇雲に鉄分を取ろうと、食品成分表で鉄を含む食品を手当たり次第にピックアップして食べようとしても、あまり効果が上がりません。

食品に含まれる鉄は2種類あります。

1つが「ヘム鉄」と言い、もう1つは「非ヘム鉄」と言います。

ヘム鉄はイオンになるとFe2+になる二価鉄と有機化合物からなる分子です。
血色素であるヘモグロビンや筋肉の赤みの色であるミオグロビンがその一種です。
したがって肉類・魚類・魚類・貝類に多く含まれており、吸収率は15~25%と非ヘム鉄の5倍から10倍高くなっています。
また、非ヘム鉄の吸収を助ける働きがあります。

非ヘム鉄はイオンになるとFe3+になる三価鉄で野菜や乳製品に含まれています。
吸収率は2~5%と低く、ビタミンCやアミノ酸・消化酵素の働きによって二価鉄に還元されて吸収されます。
つまり、食べあわせによって吸収率が左右されます。

かと言って肉や魚介類ばかり食べるわけにも行きません。
植物(緑色植物や海藻類)や乳製品等に含まれる非ヘム鉄の吸収率を上昇させる事が重要になります。

つまり、次の物質を食べ合わせる工夫が必要です。

  • ◎ヘム鉄:ヘム鉄と食べ合わせると非ヘム鉄の吸収率が上がります。
    ダイエットで野菜ばかり食べていると鉄分欠乏になりやすく、適度に肉や魚介類と組み合わせる事が大切です。
  • ◎ビタミンC:ビタミンCには三価鉄を二価鉄に変える働きがあります。
    レモンやカボス・スダチなどの果汁や食後のデザートで果物を選択する事が吸収の助けになります。
  • ◎タンパク質:タンパク質を構成するアミノ酸は、非ヘム鉄の吸収を促進する働きがあります。
    アミノ酸は消耗が激しいので、タンパク質は毎食ごとに摂取するようにすべきです。

人気の記事

病気一覧ページへ
アルツハイマー
アルツハイマーについて
アルツハイマーの症状について
アルツハイマーの原因について
アルツハイマーの原因について
アルツハイマーの対応について
若年性アルツハイマーについて
くも膜下出血
くも膜下出血について
くも膜下出血の予防について
くも膜下出血の原因について
くも膜下出血の症状について
くも膜下出血の治療について
くも膜下出血のその後について
くも膜下出血と脳の病気について
急性くも膜下出血について
外傷性くも膜下出血について
脳梗塞
脳梗塞について
脳梗塞の症状について
脳梗塞の原因について
脳梗塞の予防について
脳梗塞の治療について
若年性脳梗塞について
パーキンソン病
パーキンソン病について
パーキンソン病のリハビリテーションについて
パーキンソン病の原因について
パーキンソン病の初期症状について
パーキンソン病体操について
若年性パーキンソン病について
偏頭痛
偏頭痛について
偏頭痛の症状について
偏頭痛の原因について
偏頭痛の対処について
偏頭痛と食べ物について
慢性偏頭痛について
群発頭痛について
緊張性頭痛について
自律神経失調症
てんかん
てんかんについて
てんかんの症状
てんかんの原因
てんかんの対処
てんかんの治療
てんかんと年齢
てんかんの分類
動物のてんかん
統合失調症
うつ
緊張型頭痛
コミュニケーション障害
群発頭痛

免責事項

ページトップ