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統合失調症に完治という概念は存在するのか

『寛解と完治』

抗精神薬(第一・第二世代)の何れも目的は症状抑制にあり、完治を目的としていません。
目的は社会生活を送る上で妄想や幻聴によって実生活に深く影響を与えられている場合、現実と非現実的な現象との区別がつかない、強い嫌悪が妄想の内に現れ不快で耐えがたい等の場合に対しての症状緩和治療にあります。

但し完治は100%不可能だとは断言はできません。
当然症例には個人差があり、リハビリ・投薬による治療の結果、妄想など症状が完全に静圧出来たというケースもごく稀在ります。
又、統合失調症は体力面での強弱とは無関係でむしろ高齢者程、進行が遅く症状や起伏が浅い為、加えて再発前に寿命に達してしまう場合は論理的に[完治した]した事に成ります。

仮に抗精神剤服用を中止した場合は略70%以上で症状の再発が予期されます。
この場合、急激に症状が悪化するのではなく概ね、3カ月~6カ月で再発率が高いという経験予測が出来ます。

タイトルに完治と謳われていますが精神治療に於いては表面的な判断として改善又は悪化(揺り戻し)は認知出来ますが、明確な完治を将来に於いては保障できません。
従って投薬により陽性と陰性症状のバランスの安定した状態を完治という表現を敢て避け《寛解》と表現されます。
具体的に、一定期間の症状安定と再発の兆しが見られない事を前提に医師が寛解と判断します。
つまり統合失調症では生きている限り一番よい状態がこの寛解です。
従ってストレスやトラウマを再度体験する事で再発する可能性は在り得ます。
寛解を担当医から宣言された場合、性急な社会復帰は再発に対して一定のリスクを伴う事を考慮しなければ成りません。

治療の後、寛解又は完治までどの位の日時を要するのかを予測する事を《予後》と言います。
精神科は元より内科・外科問わず広く用いられる表現です。
予後の悪さとは経過が予想以上の時間を要す事を意味します。
悪化には複合的に因子(外部環境から又は患者本人の特質)による影響が主に考えられます。

『予後の再発ケースデータ』

再発年齢層10歳代後半の破瓜型は略、再発します。
30歳代以上~高年齢は予後は良好で寛解しやすい。

性別比較的、男性の方が発症年齢が低い為、予後にも悪条件が重なります。

発病の早さ発病時や陽性症状での再発は起伏が激しい一方、投薬により予後には効果が期待出来ます。
逆に陰性症状は症状が長く引きずります。
尚、性急な薬物投与は興奮状態へ揺り戻しを再発させます。

身内の症状身内に発症した人がいる場合は先天性の可能性も在り、予後や寛解にはより時間を要する傾向があります。

薬の効き目個々人の症状や体質と薬との相性があり、予後の状態を左右いします。
相性が悪い場合は自律神経等に副作用を来たします。

その他一概に定義できませんが、社会体験の有無や既婚者かどうかによって予後に影響を与える因子となり得ます。

『薬の投与』

寛解して普通に日常・社会生活を実践している人は多く、一定の配慮が成されている限りは仮に再発があっても症状は軽度で復帰も早いとい得ます。
ここでの一定の配慮とは医師や薬剤師の指導の下、決められた分量と時間など守って薬の服用する事です。
長期服用による副作用など避ける為、分量や薬の種類を変更する場合もあります。
特に睡眠誘導を併発する薬は事故に繋がる為、場合によっては配慮されます。
但し、基本的には薬の服用は無くなる事はありません。

寛解状と医師が判断した時は必然的に薬が減量されます。

『完治への試行』

寛解後1~2年程度、症状が安定している場合、医師と相談の上、投薬を減量しつつ最終的に中止できる事もあります。
この場合5年間以上経ち仮に再発した場合、上記の減量~中止を3年掛けて試行する方法を執ります。

更に再発が繰り返された場合は基本的に薬の服用と定期診療が必要に成ります。

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