トップページ >> パーキンソン病の診断方法・診断手順・診断基準の3点を説明します。

パーキンソン病の診断

安静時の振戦があれば、パーキンソン病という診断にはなりません。
パーキンソン病は特定疾患にも指定されており、厚生労働省から認定基準が定められています。

パーキンソン病の診断方法

パーキンソン病の特徴は、安静時振戦・筋強剛・無動・姿勢反射障害の4つです。この4大症状をパーキンソニズムといいます。
パーキンソン病の診断は、パーキンソニズムのある人の中から他の病気を除外していくことで、最終的に診断します。
そしてパーキンソン病の診断基準と併せてヤールの重症度分類で一定以上の障害を認められると、医療費助成が受けられます。

パーキンソン病の診断手順

パーキンソン病は、採血や画像検査ではっきりと診断することができません。
ですから、パーキンソニズムを起こす患者さんの中から、神経内科医が症状と他の病気の可能性を除外して最終的に診断します。

  • 1.パーキンソニズムを起こす薬を使っていないか?(抗精神病薬・抗潰瘍薬・制吐薬・降圧薬etc.)
  • 2.脳CT・MRIで異常はないか?
  • 3.パーキンソン病薬を使ったら改善したか?

この過程を踏んで、初めてパーキンソン病と診断します。

パーキンソン病の認定基準

厚生労働省によるパーキンソン病の認定基準は下のように定められています。

  • 1.パーキンソニズムがある。
  • 2.脳CT・MRIに特異的異常がない。
  • 3.パーキンソニズムを起こす薬物・毒物への暴露がない。
  • 4.抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善がみられる。

以上4項目を満たした場合にパーキンソン病と診断する。

  • パーキンソニズムの定義は次のいずれかに該当する場合とする。
    • 1.典型的な左右差のある安静時振戦(4~6Hz)がある。
    • 2.歯車様筋固縮・動作緩慢・姿勢歩行障害のうち2つ以上が存在する。
  • 脳CT/MRIでの特異的異常とは、多発脳梗塞・被殻萎縮・脳幹萎・著明な脳室拡大・著明な大脳萎縮など、他の原因によるパーキンソニズムであることを明らかに示す所見の存在をいう。
  • 薬物に対する反応は、できるだけドーパミン受容体刺激薬薬又はL-dopa製剤により判定することが望ましい。

Hoehn&Yahrの重症度分類

上記のパーキンソン病の診断基準を満たして診断された患者さんのうち、Hoehn&Yahrの重症度Ⅲ度以上で、 かつ生活機能障害度Ⅱ~Ⅲ度であると特定疾患治療研究事業の対象範囲となり、医療費の助成が受けられます。
生活機能障害度とは、症状を生活レベルに合わせて評価する指標です。
また、Hoehn&Yahrの重症度分類は、身体障害者手帳交付申請や介護認定の際にも使われています。

【Hoehn&Yahrの重症度分類】

StageⅠ 症状は一側のみ
日常生活はほとんど影響がない
StageⅡ 症状が両側にある
日常生活はやや不便だが可能
StageⅢ 姿勢反射障害がみられ、活動が制限される
自力での生活がなんとか可能
StageⅣ 重篤な障害がみられるが、歩行はどうにか可能
生活に一部介助が必要
StageⅤ 立つことが不可能
ベッド上または車椅子生活

【生活機能障害度】

Ⅰ度 Hoehn&Yahrの重症度分類でStageⅠ~Ⅱ
Ⅱ度 Hoehn&Yahrの重症度分類でStageⅢ~Ⅳ
(特定疾患対象)
Ⅲ度 Hoehn&Yahrの重症度分類でStageⅤ
(特定疾患対象)

パーキンソン病の診断や重症度は厚労省の指定やHoehn&Yahrの重症度分類を用います。
Stageが低くまだ日常生活に支障のない場合は様子をみますが、支障の出る場合には抗パーキンソン病薬での治療を開始します。
典型的な症状から始まらずにうつ状態から発症する場合等は、老人性うつと間違われて投薬されている場合もあります。
また、治療を開始しても適切な量でのコントロールをしないと、副作用が強く出てしまいます。
必ずパーキンソン病の診断・治療ができる、神経内科医の診察を受けましょう。

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