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自律神経失調症とうつ病の関係性

自律神経失調症はうつ病へのエントランスです。

では何故にストレスの蓄積が自律神経失調症につながるのでしょうか。

ストレスがかかると自律神経のうちの交感神経がはたらきます。

ストレス時の交感神経と身体の各所の反応を列挙すると以下の通りです。

心臓 脈拍の亢進
血圧 上昇
唾液 減少
収縮・胃液分泌量減少
小腸・大腸 蠕動低下
全体 心身ともに活発化

これは何を意味するのでしょうか。
我々現生ヒト種を含めた全ての動物は、「ストレス=生命の危機」と受け取ります。
動物は生命の危機には戦うか、逃げるかです。
この時に交感神経が働いて上記のような状態に身体はなります。
そうでなければ生命を維持する事ができなくなるからです。

たとえば、あなたがアフリカのサバンナでインパラの大たい骨を片手にぶら下げたアウストラロピテクス・アフェーレンシスだとします。
今から200万年前の話です。

最前に掘り出した地蜂の幼虫を貪り食っていて、ふと顔を上げると目の前にライオンがいると言う場面です。

ライオン画像

その瞬間、戦うか逃げるか、選択は2つに1つです。
いずれにせよ筋肉をフルに動かさなければなりません。
筋肉を動かすには酸素と糖が必要です。
そこで酸素と糖を運ぶ血液を大量に筋肉に送り込む必要があります。
そのため、心臓の鼓動が早くなってたくさんの血液を筋肉に送り込みます。
たくさんの血液が血管を通るから血圧も上がります。

つまり、上記のように生命の危機(ストレス時)には鼓動が早まり、血圧が上がると言う反応は交感神経の反応です。
ストレス時には交感神経から働き始めると言う事です。
同時に副交感神経は働かなくなります。
これが自律神経のストレス反応と言うものです。

そして、この反応は我々の意思とは関係なく行われています。
200万年前のサバンナの記憶を身体が忘れずに脈々と自律神経の反応として受け継がれてきたきました。
ですから、このストレス反応のために、サバンナでもなく目の前にライオンがいなくても、生命の危機と言うほどのものでなくとも、4種類のスストレスを感じたら自動的に交感神経が働いてしまいます。

人間関係などの精神的ストレスや、肩や首の歪みなどの構造的ストレスは生命の危機ではないのですが、我々の身体は生命の危機と受け取って交感神経を働かせます。
交感神経が繰り返し働き続ける状態です。
そして、これが常態になれば自律神経のバランスなどは地平の彼方になります。
これが自律神経失調症と言うものです。

ストレス

それでも自律神経失調症の段階では、交感神経が過剰に働いているため、疲れていてもまだガンバリが効きます。
しかし、それは長続きしません。
交感神経が働きっぱなしで副交感神経が働けず、交感神経は回復できないので、やがてエネルギーが尽きてしまいます。

このエネルギーが切れた時の状態が「うつ状態」です。

でもうつ状態は、まだ「やる気を振り絞って」何とかやっている段階です。

これがさらに悪化して「もうがんばる気力もない。何もする気力すら起こらない」と言う脱力状態が2週間以上続くと「うつ病」と言う事になります。

うつ病は、尋常ではないがんばり方をしたためにエネルギーを蕩尽してしまったのですから、尋常ではない疲労感とやる気喪失になるのは、当然と言えば当然な事です。

さて、うつ病には様々な身体症状が出ると言われていますが、これは要するに自律神経失調症の症状なのです。

  • 不眠症
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 動悸
  • 息苦しさ
  • 胃腸障害
  • 疲れが取れない

上記などなど全て交感神経過剰稼動状態であると言う証拠です。

そしてうつ病になってしまうと身体症状にくわえて、心の症状が出ます。

  • やる気が起こらない
  • 喜べない
  • 笑えない
  • 不安になる
  • 集中力や思考力や記憶力が低下する
  • 大事な事でもどうでも良くなる
  • 死にたくなる

自律神経失調症の時には交感神経が過剰に働くためエネルギーを過剰に使います。
そしてエネルギーが尽きるとうつになります。
エネルギー枯渇状態では交感神経も副交感神経も働けなくなります。
と言う事は、うつ病になると、交感神経がdisableになるので働く事も遊ぶ事もできなくなります。
副交感神経がdisableになるので眠る事も満足にできなくなります。

何もできなくて、ただただ辛い状態……。

うつ病になると言うのは、このような事なのです。

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