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統合失調症と双極障害の違い

双極障害は、躁と鬱状態の両症状が現れる疾患の事で、一般的に躁鬱病と言われています。
統合失調症の陽・陰性症状との症状には重複が多く見られ、違いは臨床に於いて持続的診断経過を通して精査する必要があります。

例えば双極障害の患者の話す内容には現実との乖離が認められず、相談内容に至っても具体的で理路整然としています。

他方、統合失調症の患者との会話内容は、現実から少し乖離した内容(幻聴・妄想)が通常の対話の中に含蓄されているのが特徴です。

双極障害の特徴

治療によって鬱状態の症状が和らぎ回復の兆しを医師が患者に伝えると、患者は一足飛びに病気が治ったと安易(極めて前向きな)に考える傾向にあります。
大概その様な時はすでに躁転している場合が多く、この段階で社会復帰すると躁状態な為、自己限界を超越し無意識にオーバーワークを繰り返します。
従ってこの経過は肉体的・精神的限界に達して、結果的には鬱状態の再発に至ります。
完治がいかなる状態を示すのか個人差もあり躁と鬱との均衡状態の維持(患者にとってのマイペースと適度な緊張との均衡)を決定する事は専門家である医師にとっても長期診断と共に困難を伴います。
又、双極障害の患者は《躁状態をむしろ普通の状態》だと確信しているケースが多く、例えば鬱状態では殆ど外出したがらない人が突然トライアスロンや登山など次々と自発的に挑戦・参加する事自体が決して普通ではなく躁状態である可能性は高いと思われます。
患者が理想や社会的な望ましい人としてのあり方が、実は正常とは言えない事を理解してもらう事も必要です。

躁と鬱サイクルは幾通りかのパターンがありますが、躁と鬱とのスパンが測った様に同じ期間のケース、又はどちらかの症状に偏ったケースがあります。
一つの状態が極めて長期間一定である場合、担当医は患者の躁転又は鬱転を確認出来ていない為、躁病又は鬱病として診断し双極障害として正しい病識と判断出来ない場合もあります。

双極障害の定義

双極障害の位置付は当初、鬱病連続型として定められていました。
近年では医療技術の発達により遺伝子や脳内断面解析当によりDSM-5(病名・陽語翻訳-ガイドライン2013年5月)の策定後は統合失調症の亜種としての性格に近く定義に変更が加わりました。

その根拠となる点はうつ病(症状)の場合、症状回復と共に認知機能も回復すると言われていました。
しかし双極性の特徴である躁状態~鬱状態を幾度も繰り返す事によって統合失調症と同様に認知機能の低下が確認される事が確認されたからです。

本来はリチウム塩を主成分にした精神安定薬(リーマス)を古くから採用されていますが治療域と中毒域とが隣接している為、管理者には細心の注意が求められます。
しかし今日では新規(先発型)の抗精神薬の一部を双極性障害の治療にも採用されるように成りました。

双極障害の種類

Ⅰ型とⅡ型に分類されます。
但しⅠ及びⅡの内容的には相違はありません。
Ⅰ型の場合は《躁状態》が一つの極に持ちⅡ型は《軽躁状態》を極に持つ特徴があります。
又、躁の状態が全体の経過に占める割合がⅠ型の場合概ね35%前後、Ⅱ型の場合は50%が目処とされています。

躁状態に於ける主な症状

精神症状 気分爽快、高揚感、幸福感、不快気分、自我感情の亢進、自尊心肥大、自信過大、過度な楽観的、観念逸脱、注意転導性、誇大妄想
行動面の症状 多弁、多動、無遠慮、易怒性、攻撃性、行為心拍、過剰行動、脱線、濫費、頻回の外出、暴力、食欲亢進、性欲亢進、飲酒量増加、不眠

認知機能の偏差

認知機能の偏差を統合失調症と双極性障害とを比較した結果、前者は0.5~1.5の標準偏差が確認され、後者は0.3~0.8の標準偏差との結果が出ました。
双極性障害の方が軽度である結果が得られています。

認知機能はコミュニケーション能力に特に反映されます。
双極性障害の患者は現実と非現実を判断できる分、統合失調症の患者と比較して対話はスムーズに出来ると言う臨床結果が得られています。
しかし正常気分と思しき時点に於いても統合失調症の寛解時と同様、一定の認知機能障害が観られる特徴を有します。

統合失調症や双極性障害が進行するのに伴い、脳内の作業メモリー・言語メモリーの状態に変調が確認できます。
作業メモリーは短期記憶をする領野で、読解力に影響がでます。
言語メモリーは発言内容の前後の脈略の有無で度合いが判断できます。

認知機能テストの内容は本日の日時や年齢確認や簡単な算数問題及び単語の一時記憶機能の有無など基本的な問題が主です。
詳細はhttps://www.npa.go.jp/annai/license_renewal/ninti/kensayoshi.pdfで確認できます。

双極性障害のリハビリ

リハビリのプログラム内容は患者のプロフィールが類似しているケースが多く現在では、画一された内容に成っていて改善が求められる様に思われています。
又統合失調症のリハビリに比べ歴史が浅い為、予後に於ける効果予測が出来にくいのが現状の様です。

リハビリでの主な留意点
疾患名 双極性障害 統合失調症
目的 気分の起伏の抑制 妄想・幻聴の抑制
配慮 脳内の作業メモリー・言語メモリーの状態 抑うつ時の自傷行為への留意

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