うつ病は生活習慣病!?
かつて「うつ病は心の風邪」と言うフレーズが流布したことがあります。
本当はそんなお手軽な精神疾患ではないのですが、うつ病が世間に認知されるのに貢献しました。
しかし、うつ病に関する認知の度合いをさらに深化しないと、うつ病患者が増えるばかりで、このままでは自殺者の数が3万人をはるかに超えてしまいかねません。
新しいフレーズを流布広宣する必要があります。
それは「うつ病は生活習慣病」です。
19世紀の後半に興り、20世紀の末期まで世界中に悪影響を及ぼし、1991年に滅び去ったマルクス主義の社会・歴史理論の基本概念の1つに「上部構造は下部構造の影響を受ける」と言うフレーズがあります。
精神とか心と言うと、何か特別に高度なものであるような印象を受けますが、考えて見れば大脳と言う人体の1器官の活動に過ぎません。
したがって、精神とか心と言うものも体内の他の器官の影響を受けます。
とりわけストレスと言うものを。
さらに露骨な言い方をすれば、うつは身体の異常で起こる身体の病気である、と言う事です。
ストレスと言うと、「ストレス=人間関係等の精神的ストレス」と言うのが「常識」になっていますが、病理学的に言うとストレスは、下記の4種類あります。
- (1) 精神的ストレス
- (2) 構造的ストレス
- (3) 化学的ストレス
- (4) 温度と湿度のストレス
(1) 精神的ストレス
誰もがストレスとして実感するストレスです。
人間関係など、基本的に「嫌だなぁ」と思う事が精神的ストレスです。
(2) 構造的ストレス
主に身体の歪みです。
身体が歪んでいると、その歪みの情報は確実に脳に伝わり、あなたが意識しているかいないかに関わらず、脳はストレスを感じます。
欝の発症に関係する身体のゆがみは、頭蓋骨・あご・全身の筋肉・背骨・骨盤などです。
また、内臓や脳を支えている膜組織などの歪みもストレスとして脳に伝わります。
(3) 化学的ストレス
主に日々摂取する栄養素です。
ある栄養素が不足であったり過剰であったりしても、その情報は脳に伝わりストレスになります。
うつ病の症状と言われる身体反応には、ある栄養素の欠乏症状と重なるものが数多く見られますし、逆にある栄養素の過剰がうつ病の判断基準の1つであったりします。
さらに、栄養素以外にも化学物質や臭いや眼などの粘膜の刺激も化学的ストレスに入ります。
(4) 温度と湿度のストレス
熱すぎたり寒すぎたり、あるいは高い湿度、気圧の変化など対外の環境の変化がストレスになります。
それだけでなく、体温の変化もストレスになります。
発熱とか、逆に手足の先端が冷える冷え性とか。
では何故に上記の4種類のストレスがあると、うつ病を発症するのでしょうか。
キーワードは自律神経です。
自律神経とは、循環器、消化器、呼吸器などの活動を自動的に調整するために、24時間働き続けている神経です。
体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。
健康な状態ではこの2つの神経の活動はバランスが取れています。
ところが、上記4種類のストレスが長期にわたってかかり続けると、自律神経のバランスが崩れていきます。
この2つのバランスを崩すのが「自律神経の乱れ」です。
具体的には、通常ならば副交感神経が働ければならない時に交感神経がが働き,交感神経が働ければならないときに副交感神経がはたっらいてしまう事です。
たとえば、夜はぐっすり眠りたいものです。
そのためには副交感神経が働かなければならないのですが、交感神経が働いてしまうと、当然の事ながら眠れません。
逆に、日中はアグレッシブに活動したいとなると交感神経が働かなければならないのですが、副交感神経が働くと眠くなります。
このような経験をしたと言う事は、積み重なったストレスのために自律神経が乱れていると言う事です。
このように自律神経が乱れている状態を自律神経失調症と言います。
そして、この自律神経失調症の悪化がうつ病へとつながって行く事になります。
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