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『統合失調症とは?』の疑問を6つのポイントから説明します
1.統合失調症とは?
統合失調症についてどのようなイメージを持っていますか?
統合失調症は、およそ100人に1人弱がかかる頻度の高い病気です。
私の知り合いにも何名か統合失調症の方がいます。
私的には身近な病気としてとらえています。
発症年齢は、10代から20代が多いと言われています。
比較的若い人が発症していることがわかります。
統合失調症は脳をはじめとした神経系のネットワークがうまく働かなくなることで、思考や感情をうまくコントロールできなくなる慢性の病気です。
そのため、症状として、幻覚・幻聴・意欲の低下・被害妄想等が挙げられます。
原因は、上記で記載したように、脳をはじめとした神経系のネットワークがうまく働かなくなることです。
しかし、そのネットワークがうまく働かなく原因は、不明です。
なにかしらのトラブルが神経系に起こっているということですね。
- 大切なことは
- 他の病気と同じように、早期発見や早期治療
- 医療機関できちんとした治療を受けること(薬物療法)
- 家族の協力
- 再発予防のための治療の継続
きちんとした治療を受けないでいると、以前のような生活を送ることは困難と言われています。
統合失調症を発症し、幻覚や幻聴は生活に支障が出ますが、上記の大切なことを守ることで、多くの患者さんが回復しているもの事実なのです。
割合 | 100人に1人(1%) |
---|---|
発症年齢 | 10代から20代に多い |
症状 | 幻覚・幻聴・意欲の低下・被害妄想等 |
原因 | 不明(脳をはじめとした神経系のネットワークがうまく働かなくなる) |
2.統合失調症の症状
統合失調症の症状は多岐にわたります。
代表的な症状について記載します。
1.陽性症状
幻覚と妄想をまとめて「陽性症状」と呼ぶことがあります。
- 幻覚
- 実際にはないものが感覚として感じられること
誰もいないのに本人を批判・批評する内容が聞こえてくるといったように、聴覚についての幻覚が代表的です。
- 妄想
- 誤った内容であるのに信じてしまい、周りが訂正しようとしても受け入れられない考えのこと
妄想には種類があり、迫害妄想・関係妄想・注察妄想・追跡妄想これらを総称して被害妄想と呼びます。
「自分自身に特別な力がある」と信じる誇大妄想もあります。
- その他の陽性症状
- 周りに誰もいないのに、現実に「声」として悪口や命令などが聞こえてしまう「幻聴」
- 他人から危害を加えられていて被害を受けていると思い込む「被害妄想」
- 独りでぶつぶつと話している
2.陰性症状
自信や気力、やる気が欠落している状態を言います。
陰性症状に関しては、なかなか認知されるのが難しいとされています。
私も、調べるまでは、気づけない症状が多いことがわかりました。
その症状を下記に記載します。
- 集中力が続かない
- 意欲がわかない
- 喜怒哀楽がはっきりしない
- 過剰な睡眠や極度の疲労感に襲われるため、横になって過ごすことが多い
- 考えがまとまらず、気持ちをうまく伝えることができない
- 身なりを気にしなかったり、入浴回数が減る
上記の症状から、統合失調症は、うつ病やひきこもりに間違われることが多いです。
また、怠けや努力不足に見られると言ったこともあります。
3.統合失調症の原因
統合失調症を発症するメカニズムは厳密にはわかっていません。
はっきりとわかっていないながらも、原因は一つではなく、様々な原因があると考えられています。
今回は、統合失調症を発症してしまうかもしれない要因を記載します。
- 1.遺伝
- ただし、かならずしも遺伝するというわけではありません。
- 2.脳の変化
- 発症にどのように関与しているのか不明ですが、統合失調症の患者さんの脳に何らかの変化があることが報告されています。
しかし、こちらの脳の変化に関しても、危険因子の一つにすぎないそうです。
- 3.性格
- 統合失調症の人には性格傾向があると言われています。
発症と何らかの影響があるかもしれないと考えられています。
- 4.ストレスに弱い人
- ストレスをたくさん溜め込んでいると、統合失調症の発病に影響すると考えられています。
- 5.環境の変化
- 進学・就職・独立・結婚・転職・引越・離婚などの生活環境が変化することで、発症してしまうとも言われています。
原因ではなくきっかけということです。
4.統合失調症の治療
統合失調症の治療は薬物療法が基本です。
薬物療法については、医療機関の指示に従うことが大切です。
ですから、『薬物療法をいつまで続けるか』や『薬の量を減らしたり中止したりすること』や『副作用の悩み』については、自己判断ではなく、きちんと医療機関と相談することが必要です。
薬物療法の他、併せて必要と言われているのが、心理社会的療法です。
心理社会的療法とは、患者の社会生活をサポートするために行う治療法です。
- 心理社会的療法
- 社会生活機能の回復を図るリハビリテーション
- 患者さん本人を支える家族のケア能力を高める
本人に病気の自覚がなく、自傷他害行為や日常生活に支障をきたす症状がある場合は、強制入院もあり得るそうです。
5.統合失調症の診断
統合失調症は、上記の『統合失調症の症状』でも述べたように、症状は多岐にわたり、初期症状では、気がつきにくいことが多いです。
しかも、症状が出たとしても、統合失調症と断定できず、「うつ病」「ひきこもり」と間違われるケースがあります。
そのため、おかしいと感じたら、早い段階に医療機関にて診断・治療を受けることが重要です。
本人に病識が無い場合は、家族への問診が中心になります。
本人を医療機関へ連れてくる際は、きちんとした説得が無ければ本人は家族に対する不信感が募ります。
本人がきちんと理解できるまで、根気よくきちんとした説明や説得が必要になります。
問診の内容は、様々ですが、主に、『どのような症状か・おかしいと感じた時期・経過・日常生活や社会生活に支障があるか・発症する前のことや発症する前後の様子』を聞かれることでしょう。
統合失調症の診断の難しいところは、症状が多岐にわたり、共通の症状が無いことです。
ですから、問診が大切なのですね。
何度も問診を重ねることで、多くの情報を集めます。
ここで重要なポイントですが、問診は本人に行いますが、家族にも行うと上記で述べましたが、この家族への問診が非常に重要になります。
本人が症状で興奮しているときは、本人はその状況を正確に伝えることが困難です。
そこで、家族が客観的に見て、どのような状況であったのか医師に正確に伝えることが可能ですよね。
それが、正しい診断につながることになります。
症状を観察しているときは、より細かい情報を医師に伝えるために、メモすることが大切です。
6.統合失調症の完治
統合失調症は、以前まで治らない病気の一つとしてとらえれれる事が多かったそうです。
しかし、現在では適切な治療により回復が期待でき、完治に近づくこともできるとされています。(症状が落ち着いていて、病の兆候が見られない状態)
しかし、再発の可能性や後遺症が続く恐れもあるため、完治に関しては、大切なことが何点かありますので、下記に記載します。
- 自分の意思が大切で、『治す』という持続的な気持ちが大切
- 周りの環境がとても大切
- 自分判断で服用を中断しない
- 医療機関の指示に必ず従い、不明点は必ず相談する