更年期うつ病
最近の研究によると女性に限らず、男性も更年期障害を発症する可能性が在ると言及されていますが、発症率は女性が圧倒的に多いのが特徴です。
45歳~55歳に掛けての10年間女性ホルモンが分泌停滞・減少がその主な原因です。
最終的には卵巣の機能低下によって閉経に至ります。
この様な体の変化と同様に”こころ”(精神面)にも深く影響を与える事が少なく有りません。
具体的には’ほてり’・’のぼせ’と言った肉体的変化と’抑うつ・憂うつ感’の様な精神的変化が主な症状です。
更年期障害(女性)の症状
上記統計項目の’憂うつに成る’では更年期障害者全体に占める割合は3割~5割程度発症している事が解ります。
抑うつ症状の原因には大きく分類してホルモンバランス失調や分泌減少によるストレスが起因する場合、又は単に更年期障害に対する不安が元の不眠と言った症状悪化に伴う場合があります。
「更年期障害だから仕方がない」と現状に妥協する向きも多少在りますが、実際には潜在的にうつ症状を抱えていて体調バランスを崩した時を機会にうつ症状の表層化する場合も考えられます。
その他、身回りの環境変化や子育てなどの緊張から解放され至り蓄積されていた疲労が一気に表層化する可能性も否定できません。
軽度のうつ病
症状的にはスランプが長く続く現象でプチうつ病・簡易抑うつ症状とも称され、人によっては”甘え”や”怠け”と受け取る人もいます。
実際に症状も重症とは異なり、苦痛ではあっても努力で殆ど抵抗を感じる事柄を乗り越えられる症状だからです。
適切に治療を行えば半年~2,3年間で完治しうる病気で現状維持の寛解とは根本的に違います。
但し放置し重症化すると完治までの時間がより長期に及び、完治へのハードルが高く成ります。
この軽度うつ病の原因は略、環境への適応傷害にある様です。
- 主な症状
- ①急な気分の落ち込み
- ②意欲・集中力の減退
- ③体調の不具合(気だるさ)
- ④食欲不振等
自らの状態に不安を感じる場合、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)という方法で状態をチェックする事が可能です。
それぞれ設問(全16設問)の対する選択項目毎に加算され総計0点~27点で症状判断出来る方法を執っています。
6点以上はうつ病の可能性がある為、診療機関で診察を受ける事を推奨しています。
QIDS-J [DSM-Ⅳに対応]
(QIDS-J:https://www.cbtjp.net/qidsj/)
0~5点 | 6~10点 | 11~15点 | 16~20点 | 17~27点 |
---|---|---|---|---|
正常 | 軽度 | 中等度 | 重度 | 極めて重度 |
冬季うつ病チェック
- ①甘いモノに直ぐ手が伸びる
- ②炭水化物(ご飯・パン)の食事量が減る
- ③睡眠時間が普段より長く成る
- ④仕事・家事などの集中力が減退
- ⑤社交的な場所に行ったり対話したりするのが億劫に成る
- ⑥趣味や好奇心が失せて何をやっても、面白くない
- ⑦倦怠感・憂鬱感に苛まれ朝は布団から出られない
- ⑧寝ても、寝ても寝足りない
冬季うつ病は以前から季節病の一種(季節性感情障害・主に10月~12月に発症)として春が来て日照時間が長く成る事で改善されると一般的には思われ重要視される事は殆ど在りませんでした。
大概の場合、上記の如く放置していても自然治癒されるタイプのうつ病である場合で知られています。
しかし近年には冬季に掛ったうつ病が春に成って重症化させるケースが徐々に見られる様に成りました。
又高緯度地域に限られていた症状が気候と場所との因果関係から解放され、生活環境によっては誰にでも起こり得る様に成りました。
例えば「日当たりの悪い部屋内でカーテンを閉め切り状態にしている。」又は「昼・夜逆転の生活を送る」と云う様な条件が永続した状態では日照時間に於いては高緯度地域の生活と同じ条件に成り得、まるで「人工的な冬季うつ病」と思われます。
発症の原因と治療法(高照度光療法)
脳内分泌物質のセロトニンの減少効果が季節性感情障害の主な原因です。
セロトニンは日光照射によって生じる物質でドーパミンやノルアドレナリン同様、分泌量の増減が精神感情に影響を与えます。
一般的な治療方法は起床時間(朝)に強い光刺激を照射する方法、具体的には2500~10000ルクスの明かりを30分~1時間位を目処に当てる方法が採られています。
予防法
- ①天気の良い日は積極的に日に当たる
- ②ストレスを溜めずしっかり休養を執る
- ③セロトニンの原材料であるビタミンや炭水化物を執る
うつ病の血液検査
血液に含まれるエタノールアミンリン酸(EAP)と云う神経物質の濃度により、うつ病への罹患を判断出来る様です。
EAPの濃度が1.5μM以下の場合、9割近く割合で罹患しているという結果が得られるとあります。
うつ病に罹患すると一般的に免疫力が下がり、直ぐに風邪などに掛かり易くなる傾向が高い為、血中内環境にも何らかの影響があるとの仮説から研究が始まりEAPの濃度とうつ病との相関関係が発見されたそうです。
しかし採血による心療は現在のところ保険対象外治療の為、費用を全額自己支払いで一般的に高額です。
尚このEAPの濃度正常値は人間の場合2~5μMです。
米国では細胞膜の強化という触れ込みでPEAサプリメントが販売されている様です。
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