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統合失調症のチェックリストの例

下の評は統合失調症のチェックリストの例です。

命令して来る正体不明な声が聞こえてくる。
極度な不安・緊張を感じる様に成った。
自らの言動が誰かに操られている様に感じる。
悪口や嫌がらせを受けている様に感じる。
前向きな感覚(嬉しさ・楽しさ・快適さ)が日常生活から無く成る。
頭の中が騒がしく不眠症状に悩まされる。又は異常な長時間睡眠に浸る。
会話が負担に成り沈黙する時間が増えた。
空笑いや独り言(物に語り掛ける)事が増えた。
短期記憶(直前の事柄)を失念する。又は思考があちこちに飛び、纏まらない。
一日中、部屋に閉じこもり、何をするでも無く無為に一日を過ごす事がある。
自分の心の中が周囲に知れ渡っている様に感じる。
些細な事柄に過敏に反応したり、感情的に成る事が増えた。
身の周辺で監視・盗聴を意識する様に成った。
咄嗟の判断や1つの事への注意が出来難く成った。
行動など億劫になり、意欲の無い事が常態化してきた。

常に付きまとう症状チェック

  症状名 チェック内容(設問)
(a) 考想化声 頭の中での考えが、“声“として聞える。又は頭の中の考えが他人に聞かれている様に感じる。
(b) 考想吹込 他人の思考が自分の頭の中に入ってくる様に感じる。
(c) 考想奪取 自分の考えが他人に奪われている様に感じる。
(d) 考想伝播 頭の中の考えが他人に読まれている様に感じる。
(e)   行動や思考が他人に制御又は支配されている様に感じる。
(f)   噂話や悪口が聞こえて来る。
(g)   自分の能力で天候など変えられると信じている。
(h)   自分には宇宙人や別世界の存在と対話できると信じている。
(i)   自分には現代科学では判明できない超能力があると信じている。

設問に対して(無い・見られる・明らかにある)の三択で問われます。

(見られる)は2つの項目組み合わせ解答によって発症の可能性があると場合と可能性がない場合があります。

(明らかにある)が一つでも選択されている場合、他の項目全て(無い)場合であっても発症の可能性が高いという結果に成ります。

一カ月以上、持続している症状チェック

  症状名 チェック内容(設問)
(a)   常識上在りえないモノが見えたり、在りえない出来事を信じる。
(b)   何かを熟考していても、直ぐに忘却してしまう。又は全く別の思考が頭の中に入り込む。
(c)   自分にしか判らない言葉を使ったりする。
(d)   興奮状態
(e)   姿勢の硬直化。不自然なまでに長時間同じ姿勢でいる。
(f) 蝋屈症 受動的又は自然な流れから出来上がった姿勢のまま長時間硬直した状態に成る。
(g) 緘黙 特定な条件下で話が出来なく成る。
(h) 拒絶症 他人の要求に反目し逆の事を行う。
(i) 昏迷 心身共に反応が極度に鈍く成る。尚外部刺激にも無反応状態。
(j)   著しく無気力に成る。
(k)   会話の内容が貧困に成る。
(l)   喜怒哀楽の反応が鈍く、表情は常に平板化している。
(m)   様々な事柄への関心が薄れていく状態に成る。
(n) 無為 何もしないでいる。
(o)   引きこもり

設問に対して(無い・ある)の二択で問われます。

(ある)を2つ以上選択した場合発症の可能性が高いという結果になります。
1つの場合又は0の場合は発症の可能性が低いという結果でます。

家族ができる事

  • 病気に対する正しい知識(病識)を持つ事が必用です。
  • 薬の服用を医師の指示通り行っているか見守る事が必用です。(患者にとって監視役の様にならない様に工夫が必用)
  • 一般に回復期及び慢性期(寛解)は緩慢な陰性状態が長期に及ぶ事があり患者及び家族も忍耐力が必用に成ります。患者には治療を続けるよう必用に応じて励ます必用があります。
  • 急き立てる様な強い指導や励ましは、逆効果です。
  • 目標は発症年齢や治療時期、統合失調症の型や個人差を考慮して、達成出来る様な所に抑えてます。無理な目標は逆にストレスに成り治療効果が相殺される可能性があります。
  • 些細な事柄に拘らず、治療効果によるちょっとした変化に対して褒めるなどして、患者に達成感を持たせます。
  • 基本的に家族は鷹揚に事に構える事が患者にも心の余裕が生まれ、プラセド効果的な作用が期待できます。
  • (揺り戻し)という再発症状には前触れのパターンやサインがある事もあり、この場合家族はそれを認知しておきます。
  • 陰性症状での在宅治療の場合は運動不足や栄養過多に成るケースが多く生活習慣病に留意します。患者が中高年層の場合は特に注意が必要です。循環器系障害の発病は脳へのダメージに直結し機能障害の主な原因に成ります。又アルコールの過剰摂取は脳萎縮など外科的要因が加わって症状進行の可能性も孕みます。
主な再発のサイン
昼夜逆転生活
自室へ引篭もり
落着きが無い
突発的に活動的に変化
食欲不振

若年発症統合失調症(小学生~中学生)について

児童期・青年期で発症する統合失調症を若年発症統合失調症と特化されていた時代がありました。
国際的には固定された年齢定義はありませんが日本では就学開始年齢~中学卒業までの小学生~中学生(8歳~15歳)が対象に成ります。

20世紀当初から後半に掛けて早期痴呆症と言う病名が付され、幼児期で発病、若年で痴呆に至ると定義されたり、広汎性発達障害(自閉症)に組込まれたり、カテゴリーから分離されるなど専門医の中でも病識に対し混乱を繰り返していました。
1960年代中頃に自閉症やLD(学習障害)は言語及び認知障害である事が明確に成り、この場合妄想、幻聴は発生しない事が分かりました。
従って気分・感情障害である統合失調症とは根本的に性格が異なる事が実証されました。
若年発症統合失調症の患者は一般的に表情も平板で表現力も乏しいと思われますが言語取得能力自体に機能障害が認められません。
幼少期の正常発育の内、一定期間に屈折が現れます。
成人同様に妄想・幻聴が主な特徴に成ります。
尚、幼児期の想像力は豊かである一方で、他者に自らの印象を説明する為には語彙が足りない場合があり、医師や大人は新奇性を孕む言葉の端々に早合点して妄想と決め付けてしまう場合もあります。
逆に妄想・幻聴が欠如している事を根拠にパーソナリティ障害として診断される場合もあります。
従って成人の場合より、境界線の見極めは困難だと云われます。

尚、60~70年代に掛け、若年発症統合失調症は、成人の統合失調症とは分離されていましたが、(DSM-Ⅲ 1988年発行)マニュアル更新以降、今日の定義(DSM-Ⅳ-TR 2000年発行)に於いては若年性と成人とを同一症状とし統合失調症の1つの型(破瓜型・解体型)が若年性の症状として改正されています。
DSM-Ⅳ-TRでは診断基準をより厳格化した内容に修練されていると云われています。

DSN-Ⅳ-TRの診断基準の要約

  • 妄想
  • 幻聴
  • 解体した会話
  • 緊張行動
  • 陰性症状

上記の5つの症状の内2つ以上で1カ月の持続症状がある場合。(予後に改善が見られる場合)

社会的(人間関係)職業的・学業的機能の著しい低下。
前駆期~残遺期(回復期)を含め計、6カ月異常の持続性が認められる。

臨床像

発症年齢 下限年齢は7~8歳。現実的には10歳以下の症例は殆ど確認されない。
性別 発達障害は男児に多く、統合失調症では性別での差異は見られない。
臨床症状 年齢が10歳前後に至まで明確な症状判断が付きにくい。それ以降は心霊現象や魑魅魍魎な宗教的幻想を主に症状が現れる。発病起源は、概ね人間関係の悪化に伴う関係被害念慮。症状と後天的要素(社会・文化:宗教のあり方)による影響もありえる。
発達過程
  • ①生来おとなしい性格で手が掛からない子である他、孤立的・自閉的な発達経過を有する。
  • ②乳幼児期に於いて脅迫的・神経質・過敏傾向が強い。又は心身症的な症状が確認できた。
  • ③乳幼児期に発達に遅れや歪みがあったが、自閉症状は認められなかった。

上記①~③に何れかに該当する場合は先天的又は極初期(乳幼児期)から問題があったと見られます。
又、第一反抗期の有無は発病との因果は無し。

DSMは米国精神医学会発行のマニュアルの事で、診断指針として国際的に広く採用されています。

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