一般的には統合失調症はドーパミン脳内伝達物質の大量放出が原因で陽性症状として発症する病気の事でパーキンソン病とは概念が間逆です。
この場合、歩き方の変化は統合失調症特異な症状としては認知されていません。
しかし抗精神薬の大量服用による副作用として歩き方が一時的に変化する場合もある様です。
この様な症状を錐体外路症状で薬剤性のパーキンソン状態と言います。
しかし陰性状態はパーキンソン病と同様、ドーパミン不足な状態なので症状が重症化すると歩き方の他、社会生活上困難な場合は皆無とは言えません。
歩き方も含め動作への障害を下記に記載します。
- 情報の時間連結の障害
- 思考・連想への脈略や道理の緩み
- 連合障害
- 連想弛緩
- 連想分裂
- 総合機能の失調
- 短期作業記憶障害
- 過敏症状
- 倦怠感
- 注意・集中力の減退
- 過覚醒
- 自発動作の困難
- 行動力衰弱
- 同調能力・交流能力の低下(自閉・引き篭り)
- 神経伝達物質分泌の不安定
- ドーパミン代謝の不足または亢進
- ドーパミン受容体D1、D2
- 前頭前野
- 運動連合野(ウェルニッケ脳症:栄養失調や偏りが原因で急激な歩行不安定に成る)の機能障害
機能衰弱は通常、代謝の減退が顕著に表れ、老化に伴い起こる現象です。
しかし統合失調症の発症時期は若年層から高齢層まで年齢に関係なく発症します。
陰性と陽性症状の共通点は、情意性を伴った自発的な対処行動に於いて、本来の潜在的能力から期待される行動規範(役割実行能力)に至らない症状と言えます。
脳には異なる部位を多数持ち、複雑な神経ネットワークで構成されており、それが正常に働いて環境適応に必要な言動に対応する様に出来ています。
通例では統合失調では脳機能の外科的ダメージは限定的(記憶、感情や運動能力など司る皮質部分の破壊)ですがそれら個別部位を纏める連合機能の不具合によって発症する病気です。
つまり脳内伝達物質の異常分泌が主な原因です。
具体的には即時対応を必要とする思考(判断)が困難で短期記憶、反応動作能力に影響が出ます。
他方、その様な症状であっても、暗記した事項や記憶テストには際立った症状は現れません。
しかじこれらはペーパテスト記述式であり、同様の問いに対して口頭での答弁では極度な緊張状態により、反比例な結果が出る事もあります。
大脳の前頭葉には2つのエリアに分類出来ます。
前頭前野(前頭連合野)というエリアでは時間的流れに沿って又は事柄を連結して状況を正確に認知する領域です。
(前頭運動野)では動作や発話などの運動機能の働きに反映する領域です。
前頭前野(前頭連合野)に伝達物質が適切に分泌され時間経過に応じてワーキングメモリーと呼ばれるエリアに、外部からの刺激や情報に応じて短期記憶が累積されます。
累積データの働きで前後関係や脈略が形成され、古い記憶(経験記憶)との相乗作用で全く新しい発想が沸いて来たり、情感を司ったり、状況判断に応じ適切な判断能力を発揮できます。
統合失調症はこの間の作用に問題があり、外部からの刺激に対して前頭前野が非活性のままで適切な連想が困難に成る症状です。
連想野の不具合は戦略的・長期的視野に立って物事を考える事が苦手で、短絡的な反応で汲々とさせられます。
又、ワーキングエリアに情報蓄積されない為、次々に起こる事象に対し極度に不安や緊張と言ったストレスに晒されます。
日常生活の上でも疲労感が常に感じて集中力減退も避けられせん。
つまり脳内で即時状況が分断(分裂)している事であって偏向した人格分裂(人格障害)とは原理的に異なります。
この様な連想障害が頻繁に発生すると、刺激に対して応答遅延の症状(思考途絶)も現れます。
思考途絶は統合失調症の特徴的症状です。
現状に対し経験記憶を活かす事に困難であるばかりか、重症化すると対話内容が単なる語呂合わせ的な発想しか得られず、支離滅裂な言動を誘発(連想弛緩)してしまいます。
思考の主体を失ったアンコントロールの思考を(自制思考・思考の洪水・思考促迫)などと表現されます。
自らの意思とは無関係に思考の洪水が興奮状態や緊張状態に晒されます。
これを指揮者不在のオーケストラと表現されます。
続いて、この前頭連合野の障害が元で前頭運動野にも異常を来たします。
連合野の働き(入力)から分析された情報を利用して発話・表情として出力を形成するからです。
当然、言動や自発的な行動様式にも異常症状が現れます。
具体的には捕捉運動野が機能不全を来すと手順動作に斑が出てきます。
この辺から窮迫時に於いて歩行困難などの症状が現れるケースも推測できます。
帯状回皮質という部分の不全からは、自発的な発言や表情筋運動が出来なくなります。
外部との強調や共感の喪失とも呼ばれ、総合的にこれら症状を(自閉状態)と呼ばれます。
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