トップページ >> 緊張型は日本人の統合失調症では稀なタイプ

緊張型は日本人の統合失調症では稀なタイプ

『概要』

緊張型は一般的に妄想型で占められている日本人の統合失調症では稀なタイプに属します。
海外での症例では20歳代前後にピークに発症する様です。
従って又破瓜型に順じて若年層に多い症状です。
時折に妄想や幻聴の症状も現れますが妄想型と比べ症状はかなり軽度です。
従って早期の薬物治療が有効で正常な状態への速やかな回復が望めます。
揺り戻しを数回ありますが、その都度適切な対応を施せば発症スパンが次第に広がり発症症状は前回より軽度化して行きます。
逆に正常な状態が持続し緊張型患者は殆どこの傾向に倣って寛解して行きます。
症状消失を一般的に完治と表現しますが、統合失調症の場合には完治という概念は持ちません。
将来に於いて原因不明の再発は全くの0%では無いからです。
例えば再発の予兆として患者本人も原因の解らない不眠状態に成り徐々に悪化するケースも在るようです。

『特徴』

常時緊張状態に置かれているのが特徴で、一見して物静かな印象ですが手や足を小刻みに奮えています。
又、感情が平面的で表情からは何も伝わりません。
この静かな状態から一足飛びに奇異な行動に出て周囲を困惑させる特徴があります。
事情を知らない人は異様な感情を抱きます。
しかし躁鬱病とは異なり劇的な変化は殆ど在りません。

『症例』

普通に会話していて、特段会話内容に変化が在った訳でも無いのに、時には激怒したり、又別の例では怯えたり、パニック状態に成ったりと常軌を逸した状態に浸ります。
当然、周囲は何が患者を興奮させたのか皆目見当がつかないのも特徴です。
これは緊張型・興奮状態の典型的症例です。
他の症例は以下の通りです。

興奮 叫び声、壁や戸に衝突・殴打、稀に人への暴力
昏迷 急に体が固まる。(静止状態) 意識はあるが返答が無い(無反応)。
拒絶症 食事、風呂(洗面)、着換などへの無関心。強制すると拒絶反応を示す。
表情変化 うつろな顔つきに成り時折眉を潜めたりする程度。 全体的に喜怒哀楽の表情が薄い
硬直 全身を縮めた状態、又は伸ばした状態のまま長時間同じ姿勢を維持。
常同 体を前後に揺らすなど動作ループを長時間持続的に行う。
反響動作 目の前の人物と同じ動作を雄武返しする。

緊張型も含め統合失調症は他のタイプの症状と重なって現れる場合もあります。
特に破瓜型と類似するケースが多いようです。

興奮~反響動作まで全ての症状が一斉に現れる事はまずありません。
又興奮と昏迷症状が同一人物に於いて同時期に発症する例は稀です。
《例えば正常⇒混迷⇒正常⇒興奮⇒正常のパターン》では無く《正常⇒混迷⇒正常 又は 正常⇒興奮⇒正常のパターンの様に正常~異常までのサイクルと成ります》。

妄想型の特徴である陽性~陰性症状の様な幅の大きな起伏は緊張型の場合認められません。
但し一定の期間を置いて、昏迷と興奮症状が転換されるケースは稀に在り得ます。

興奮あるいは昏迷の症状が明確に現れている時は破瓜型(妄想・幻聴)の様な特徴はあまり表れません。
逆に興奮と昏迷状態の前後や意図せずに患者に強いストレスが加われば、破瓜型に近い症状が発症する傾向が高いと言われています。

『躁鬱との類似』

緊張型も躁鬱病も陽性(興奮)・陰性(昏迷)それぞれ2つ症状が現れます。
以前はその様な症状を2重人格(dissociative identity disorder)とも呼ばれていました。
ジキルとハイドの背景にはこの症例を以て説明できます。
通常の人格と劣悪(低次)な人格の移り変わりは、悪魔祓いの演出として有効です。
しかし現実は他の統合失調症と比較しても治療法は明確で予測も立てやすい事から深刻に事構える必要はありません。

躁鬱病の場合《躁状態(異常)~正常~欝状態(異常)》~ と起伏が激しいのが特徴です。
緊張型で仮に《興奮(異常)~正常~昏迷(異常)》のパターンを類推した場合、躁鬱病と略類似した症状と成り、緊張型との境界がどこにあるのか判断出来ません。

『対処』

家族や周囲も患者当人にどの様に接触すれば良いのか判断出来ず、結果的に患者は周囲から孤立を余儀なくされるケースが多いと言われます。
しかし緊張型の場合、他の分裂症(統合失調症)の種類より軽度な場合が多く、早期治療、早期回復が有効です。

『分類不能型』『単純型』

統合失調症は通常、《破瓜型(解体型)、妄想型(分裂型)、緊張型》の3型に大分されます。
早期の場合は各々の症状が干渉し合い、特定の症状が強く現れない場合などは専門医でも型の判別が出来ないケースもあります。
その場合を《分類不能型》に置かれ、近年ではその様な症例増加が見られます。
原因は早期治療の機会が増えた事により、症状の早期又は軽度段階で医師は判断しなければ成らない為だと言われます。

『単純型』

終始《正常~昏迷(異常)》で繰り返しのみで(寛解) どの型での統合失調症でも単純型だけの症状で寛解する例は殆ど無く、一つの特徴が軽減化した後、暫くおいて興奮状態との特徴交換が幾度か繰り返されるのが一般的です。

人気の記事

病気一覧ページへ
アルツハイマー
アルツハイマーについて
アルツハイマーの症状について
アルツハイマーの原因について
アルツハイマーの原因について
アルツハイマーの対応について
若年性アルツハイマーについて
くも膜下出血
くも膜下出血について
くも膜下出血の予防について
くも膜下出血の原因について
くも膜下出血の症状について
くも膜下出血の治療について
くも膜下出血のその後について
くも膜下出血と脳の病気について
急性くも膜下出血について
外傷性くも膜下出血について
脳梗塞
脳梗塞について
脳梗塞の症状について
脳梗塞の原因について
脳梗塞の予防について
脳梗塞の治療について
若年性脳梗塞について
パーキンソン病
パーキンソン病について
パーキンソン病のリハビリテーションについて
パーキンソン病の原因について
パーキンソン病の初期症状について
パーキンソン病体操について
若年性パーキンソン病について
偏頭痛
偏頭痛について
偏頭痛の症状について
偏頭痛の原因について
偏頭痛の対処について
偏頭痛と食べ物について
慢性偏頭痛について
群発頭痛について
緊張性頭痛について
自律神経失調症
てんかん
てんかんについて
てんかんの症状
てんかんの原因
てんかんの対処
てんかんの治療
てんかんと年齢
てんかんの分類
動物のてんかん
統合失調症
うつ
緊張型頭痛
コミュニケーション障害
群発頭痛

免責事項

ページトップ