トップページ >> くも膜下出血とは? >> くも膜下出血の症状レベルについて

くも膜下出血のレベル

はじめに

くも膜下出血を発症して、体の意識や機能状態、症状等で判断して状態をおおきく5つに分けて判断されるのが一般的のようです。
グレード1から5までに分類されています。
くも膜下出血の重症度を分類したものにはハントハス分類(Hunt and Hess)やHunt and Kosnik分類、世界脳神経外科連合(WFNS)分類などあり、WFNS分類で5段階に分類する時には局所の神経状態(失語及び麻痺)とグラスゴーコーマスケール(GCS)と呼ばれる意識障害分類方法を取り入れて分類します。
{意識障害評価分類方法には3-3-9度方式(JCS)*日本でのみ使用されている評価方法*というものがあります。}
まず、くも膜可出血の重症度分類の前に意識障害基準の分類のGCSについてお話したいと思います。

グラスゴーコーマスケール(GCS)=Glasgow Coma Scale

英語で表記される方が分かりやすいかもしれませんが、意識レベルの分類方法のひとつで、イギリスのグラスゴーのグラスゴー大学によって発表された意識障害の分類です。
意識レベルを開眼(E)、言葉による応答(V)、運動による対応(M)と3つに分けて独立して観察して評価してそれの総合計をして分類するものです。
意識レベルが一番低い状態は3点、意識が一番明瞭な状態が15点で評価されます。

開眼(E)
  • 1点:痛み刺激でも開眼無し
  • 2点:痛み刺激で開眼
  • 3点:強く呼びかえると開眼
  • 4点:自発的にまたはふつうの呼びかけで開眼
言葉の反応(V)
  • 1点:発語みられず
  • 2点:意味のない発語
  • 3点:発語はみられるが会話は成立しない
  • 4点:会話は成立するが見当識が混乱
  • 5点:見当識が保たれている
運動反応(M)
  • 1点:運動反応無
  • 2点:痛み刺激に対するゆるやかな伸展運動(体の伸び)
  • 3点:痛み刺激に対する不自然な屈曲運動(体の伸び)
  • 4点:痛み刺激に対する体を引っ込める動作あり
  • 5点:命令によって体を動かす

といった感じで大きく3つに分類されそれぞれを評価して合計点数で、点数が低いほど状態が悪いということになります。

くも膜下出血の重症度分類

くも膜下出血の分類方法は大きく3つあります。
Hunt and Hess分類、Hunt and Kosnik分類、WFSN分類とあります。
最後のWFSN分類の際は先ほどお話したGCS分類と局所神経状態との総合判断で5段階に分類します。
一般的にグレードが高いほど予後の状態が不良と言えるようです。
今回くも膜下出血の重症度分類は分かり易いHunt and Hessで説明したいと思います。

  • グレード1:無症状か軽度の頭痛および軽度の項部硬直(首のうしろの硬直)
  • グレード2:中程度の頭痛及び項硬直があり、ただし脳神経麻痺以外の神経学的失調は見られない
  • グレード3:傾眠状態(うとうとした状態)、錯乱状態、または、巣症状があり
  • グレード4:昏迷状態で、中程度の重篤な麻痺があり、早期徐脳硬直及び自律神経障害を伴うことあり
  • グレード5:深昏睡状態で徐脳硬直を示し、危篤状態の状態を表す

以上の状態別で分類できます。グレード4、5は重篤の状態で回復した場合でも高度の後遺症が残る可能性が高い状態のようです。

まとめ

病院などで病状について医師からグレードで説明があった場合などの参考になりましたでしょうか。
基本的に数字が大きい方が重篤状態と考えていいと思います。
しかしながらグレードが低い場合でも病状が急激に変化することもありえますので、入院時はできるかぎり安静に過ごせるように心がけたいものです。
入院時は少しの体の変化を見逃さないように気になることがあればすぐに医療関係者に連絡して対応してもらえるように心かけたいものです。

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