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統合失調症の症状としての嘘と嘘への態勢

嘘(冗談)に対する苦手意識

統合失調の典型的気質は方便として嘘がつけない為、無理な頼まれ事に対応出来なかったりして、最終的に精神的に自らを追込んでしまう。

真面目・堅実というアピールには一見して得がありますが、ウェットな会話にうまく対応出来ず何となくギクシャクした人間関係を成立させてしまい、周囲も自らも疲労感が蓄積され易い環境が出来てしまいます。

自己確立されておらず、又はあいまいな為、他人の意見に偏ってしまう傾向があります。
この様に現実検討力が劣っていると周囲からの期待が高い場合、勘違いして自ら高いハードルを設けて疲労困憊に成ったり、周囲からも自惚れが目立つ様に写り環境劣化に繋がります。
逆に周囲の評価が必要以上に低かった場合、根拠なき自信喪失を来し、能動的に物事に当たる事を禁じ、常に他人任せの受動的な態度が目立つ様に成ります(妄想の中に上位自我の様な存在を作り出しそれに支配されるケースもあります)。
つまり自己像(自我)が不確実で在る為、バランスの採れた人間関係の対応や臨機応変な受答えに苦慮します。

サブパーソナリティの異常との混同

表面的な性格とは別に本来の(隠された)自我をサブパーソナリティと言いますが、その個性の中に虚言癖を有する場合、無自覚に自ら蒔いた嘘が原因で徐々に追詰められ行き、その挙句、虚言を真実としての記憶として自己修正してしまいす。
歪んだ確信が出来上がり記憶の塗り替えが更に進行するに至り幻想・幻聴などを見聞きしてしまうケースも全く否定でないという様な意見がネット上で散見されます。

一見してこの様な複合的展開が統合失調症の発病と論理的に結び付けられる様に感じますが、性格・体格及び、精神疾患との因果関係は20世紀後半以降の精神医学では無関係との帰結に及んでいます。
虚像に対する間違った確信など類似点はあっても統合失調症とは個性から発症する事は無く、あくまで脳内伝達物質の異常分泌叉は枯渇による疾患であると定義されています。

本来妄想とは根拠が薄弱又は無に近いところから発せられた非合理的で訂正不能な思い込みを意味します。
誰もが不審を抱く内容(虚偽)を、あえて勤勉・実直で通してきた患者本人が周囲に晒す事自体パーソナリティ(虚言)の域とは別の性質の疾患として捉える事はむしろ合理的判断かもしれません。

妄想か現実か判断出来る又は出来ない事、自分の言動を客観視して捕える事の有無がカギと成りそうです。
例えば、妄言・妄想を知覚していながら、周囲の反応を学習し、あえて心を閉ざす(無視)方法もありえます。
この状態は当然完治とは言えず一種の適応です。
むしろこの適応状態こそが虚言癖に相当するかもしれません。

演技性人格障害(虚言癖)

普通に会話していると何故か共有している筈の話題にズレや都合の良い様に改ざんした話し方をする人が周囲にいるかもしれません。
当然当人は自らの虚言に気付かない場合が多いのです。
その程度の症状では社会生活を送る上で大した問題に至りません。
しかし別のタイプでは勘違いを通り越して激しい思い込みによって好まない相手に対して一方的に加害責任を追及する場面もあります。
単なる《嘘つき》では片づけられない重大な虚偽で、加害者にされた本人を始め多くの人を困惑します。
このケースでは反論すると一層事態を深刻化さえます。
人格障害者は根拠なき揺るぎのない確信で物語を巧妙に次ヽと作り出し周囲への混乱を冗長させます。

虚言癖のパーソナリティと統合失調症の妄想との共通点は自らの言動に真実として確信しているところでしか在りません。
あえて違いを見出せば、嘘の内容が社会的合理性の範疇にある嘘かそれとも、誰もが不審を抱く荒唐無稽な虚言の違いくらいに思われます。
加えて統合失調症の陽性症状は、絶えず興奮状態が伴い常識的に有り得ない事柄を見境無く吐露する為、全くの第3者であってもその異常性に直ぐに認知出来ので当事者の域を超えて第3者を巻き込む様な混乱させるケースはむしろ稀です。

演技性人格障害の虚言壁の場合は表情や話口調は極普通の話し方をする為、初対面の人はその話を殆ど信じてしまうか、少なくとも違和感を覚えるケースは少ない様です。
災いの元は話に根拠の提示がなくとも噂の域では十分耐えられるだけの論理的整合性を有している所にあります。
この様なサブパーソナリティの異常は単純にその人の性格の良し悪しとして(先天的要因として)直結されやすいのですが、これも疾患の一つです。
問題は本人自信が嘘をついている事と希望している事柄との分類能力が決定的に欠如している事に尽きます。
以前は治療不可能とされていましたが、今日では投薬・リハビリ等通して緩和に向けた治療方法はある様です。

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