うつになる方法
世の中には本気でうつに成りたい人がいる様です。
しかしその様な人はすでに精神的に追い詰められているので罹患するか、別の疾患を患うかは時間的な問題の様な気もします。
うつに成る方法というキーワードで先天的理由によるうつは除外し自己及び取り巻く環境(親子関係等)による発病原因をまとめました。
①幼少期の体験
幼少期~青年期に於ける、親からの虐待やネグレクト(育児放棄)を体現してきた子供が成長するのに従い、うつ病に罹患やすいと一般的に言われています。
これは、あくまで経験値に基づく論説に過ぎませんでした。
しかし磁気共鳴画像装置という機器を使用し、脳をスキャンして報酬感情の闊達度を測定する事により客観的に親の子育て方法との因果関係を探る事で実証された様です。
米国のデューク大学・テキサス健康化学センターの研究では、11歳~15歳の子供106人を被験者として磁気共鳴画像装置で脳スキャンデータを取得、2年後に再度、脳スキャンを行い、変化をチェックしました。
その結果育児放棄されている子供に於いてのみ熱意や欲望を促す報酬感情が機能不全な状態にある特異な能症状を発見できました。
医学的な表現では脳の複側線条体の機能低下の事を意味します。
複側線条体とは大脳基底部にありポジティブ感情を促す事に深く関係している部位です。
うつ病罹患者の主な共通点である自己肯定感の欠如、チャレンジ精神の欠如やネガティブな現状及び将来悲観や不安感は、この複側線条体の不具合から及ぶ可能性が古くから専門家の間では指摘されていました。
子供の好奇心を遮断する不適切な環境の下では、幼少期の間では特に異常性が認められなくとも、自我の急速な発達時期(青年期)に於いて人格に変調を来たす場合があります。
喜び、情熱、期待感が失われた人格には自発的な行動意欲という行動自体不可値な事柄で、機械的な従属社会ならある程度適応出来ても自由社会では自由意思が必要に成る為、存在意義に虚無感を悟ります。
②長期ストレスの蓄積と開放・気候や天候状態
五月病や燃え尽き症候群と似た症状は成人にも発症します。
特に潜在的に無気力や徒労感を普段から抱いている人は大型連休など(一定期間の気の緩み)終了した後にうつ病に罹患する事が多い様です。
叉、気が張っている間は乗り越えられた仕事も一息つく事で緊張が解れる事によって疲労感が一気に沸き出ます。
成人の場合はこの様に体調変化に伴い気分や気力も萎えるパターンが多いと思われます。
このまま放置する事で慢性化して、うつ病に進行します。
季節による影響も無視できず、日本の場合天候不順な6月頃や、日照時間が短くなる秋口に(夏バテが顕在化し)うつに罹患したすいと云われます。
③食事
炭水化物の加工食品の過剰接収は急激に血糖値を上げる効果以外にも閉経後の女性はうつ病に掛かり易いと米科学雑誌(クリニカルニュットリューション)で発表されています。
この研究・調査はコロンビア大学の医学センターの研究員が行いました。
まずは7万人の女性の血統指数(GI)を摂取、よく口にする炭水化物のタイプ、うつ病暦のデータを照合し、その結果精製・加工された炭水化物の接収量と比例する高血糖量と共に、うつ病の発症率とも深い関係が在る事が解りました。
異常な高血糖値を体が検知して、ホルモン反応が生じます。
その結果血糖値を下がる為に不快感が生じ、気分障害や疲労感を助長し、それが慢性化する事によってうつ病に進行すると云われます。
脳の働き(神経伝達物質(セロトニン)の量)は普段の食事の質に係わる面も大きく、うつに悩む人の95%には偏食などの特異な習慣があると言われます。
叉、ビタミンB群の欠乏も神経伝達物質の働きに関係します。
ビタミンB群は感情コントロールを司り、欠乏状態ではイラつき、不安感、恐怖感、重症に至った場合、自傷行為までに及びます。
ビタミンB群と共に亜鉛やたんぱく質、鉄分などバランス良く摂取する事で、ケースによってはうつ症状の改善に繋がります。
逆説的には脳に良い食べ物とは血糖値が時間をかけて徐々に高める食事という事に成ります。
尚、炭水化物の加工食品とは白米、お菓子、食パンなど指します。
げんなりして、やせ細ったイメージの強い、うつ病ですが実際は痩せ型より肥満タイプの人が多いと云われます。
食生活のバランスが悪く、朝抜きで昼や夜は高カロリーな外食、昼夜逆転な生活では夜中に小腹が空いてお菓子類などを取るパターンが主なる原因だと云われます。
この様な食の乱れは独り暮らしでの「孤食」が一般より高い傾向にあると云われます。
翻って、野菜・果物・魚には良質な過飽和脂肪酸、トリプトファン、各種ビタミンが含まれていますが、うつ病罹患者は普段あまり口にしない食材に相当します。
おっくう感もうつ病の典型的な特徴で手の込んだ調理や複雑な栄養管理への意欲が、そもそも沸かないのも当然と云えば当然です。
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