トップページ >> 若年性アルツハイマー >> 若年性アルツハイマーの対応の大変さは、病気が完治しないという特性に有ります。

若年性アルツハイマーの対応

病気になると自他共に困りますが、アルツハイマーのように完治しない病気、しかも周囲の助けがどんどん必要になっていく病気の場合は、対応がより大変になります。

若年性アルツハイマーを発症してしまったら…

若年性アルツハイマーの場合は40代~65歳以下が発症年齢となっており、仕事や家庭の事で忙しい世代です。
親の介護や育児と周囲の面倒を見る立場でもあるだけに、物理的にもかなり大変な年齢です。

しかし1番大変なのは、そう言う事情を解っていて病名を告げられる本人です。
人によっては、余命宣告より辛く感じられることもあるかもしれません。

まず周囲の人が、本人が今の「若年性アルツハイマー」という病名を受け入れられるよう、待つことが大事です。
1人暮らしの患者さんの場合は、周囲が気にかけることも大事ですが、友人、身内など利害関係の無い相手に打ち明けるのも良いでしょう。

会社は利害関係が絡みます。プライベートな相談にも乗ってくれる親密な上司や同僚であればいいのですが、下手すると会社での立場に問題が出てきます。
自分自身が病気を受け入れ、きちんと話せるようになるまでは、黙っておく、一時的に休職して、じっくり今後のことを考えるのもいいでしょう。

患者自身が「若年性アルツハイマー病」を受け入れられたら、地域包括センターや市役所の障がい者関係の窓口で、相談してみるとよいでしょう。
近年は、精神疾患が急増、また生活保護など病気による収入減のため、こういったサポート機関は、全国各地に多くあります。

そのかわり、総合窓口のような所がまだ不足しています。
役場の施設から、医者との相談まで、いろいろな情報源を見つけておくと、自分に合った方法が選べます。

若年性アルツハイマーは早めに受診することが大切

このように未来の選択肢を早めに考えるためにも、病院で早めに受診することをお勧めします。
早期であれば自分でいろいろな窓口で説明を聞き、理解することが出来ます。自分である程度把握できる=満足できる人生の選択を選べます。

「アルツハイマーでも今の会社に勤めるのが生きがい」という人の場合、診断書を書いてもらい、社内の配置転換をしてもらう、一定以上の症状が出たら退職するという方法もあります。
また病気を機に、地方へ引越し、ジョブコーチという障がい者の雇用支援を受けながら、出来る仕事を探していくという方法もあります。

地方は、土地によっては、横の絆が強くそれだけで障害のハンデをかなり軽くすることもできます。
生き方を変えるという前向きな発想をすれば、むしろ新しい世界が見る事が出来るメリットがあります。人生の再スタートですね。

補助等について必要な知識

また会社を休む、やめる場合は、休職手当、雇用保険、傷病手当金など金銭的な補助が多くあります。
精神障害の位置づけになりますので、精神障害者手帳の取得、障がい者年金、障がい者の各種控除があります。子供がいる場合、育児にかかる免除もあります。

そして介護保険が受けられます。40歳以上であれば介護保険は利用できます。
障害福祉サービスもあります。
福祉サービスをうまく利用するだけで、金銭的負担は大きく変わってきます。

このように、社会的にはかなり多くの支援があるのですが、そうはいっても現実に「仕事が出来る人」として生きてきた人が、急に障がい者としての生活を送ることになるのは辛いことです。

それは仕方がないのですが周囲が「こんなことになって・・」という態度でいるのと「就業訓練に面白いメニューがあるんだけど」と前向きに捉えるのとでは全く違います。

会社の組織で生きるのと、障がい者雇用で生きるのに差はありません。(賃金差はあります。)
若年性アルツハイマー世代に1番大事なのは「自分が社会で生きている、役に立っている」
という実感です。
会社組織の歯車より、障がいを得てからの暮らしの方が充実している人は珍しくありません。

今目の前にいる家族や友人は健康だから好きなのでしょうか?病気であってもその人自身であることには変わりません。
若年性アルツハイマー世代は「組織の中の生き方」が染み付いている世代でもあります。
組織の中で高い収入や地位を得ることが、無条件に賞賛される時代は終わりました。
どんな状況に置かれても、自分の今後を考え生き抜く人はいつの時代も1番尊敬されるのです。

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