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若年性アルツハイマーの発症年齢

認知症は決して高齢者だけの病気ではなく、若年性のものもあります。
若年性の場合は、高齢者とは逆に、脳血管認知症が多いのが特徴です。

2009年の厚生労働省のデータによると、18歳~65歳未満の若年性認知症の患者は、10万人あたり50人程度、総数約4万人となっています。
確率は低いですが、全体の人数を考えると、そこまで珍しくはない病気ともいえます。
このうちアルツハイマーは25%程度といわれています。

若年性認知症の場合、頭部外傷や血管障害などが認知症の主な原因になるため、アルツハイマーは相対的に少なくなります。
アルツハイマーは、脳の中に神経細胞を無くすたんぱく質が蓄積されて起こる病気です。基本的には老化現象なので、若い人には少ないのです。

では、具体的な若年性認知症の発症年齢ですが、平均すると51歳、上下にプラスマイナス10歳が最も多くなっています。 40~60歳での発症が多いといえますね。

また具体的には、30歳以下は非常に少ないですが、30歳以降急に増えだします。

  • 40代前半~20人弱/10万人(以下同じ)
  • 40代後半~33人程度
  • 50台前半~70人弱
  • 50台後半~150人弱

(※数字はすべて2009年厚生労働省の若年症認知症対策について、から引用)

これを見て解ることは、年齢が上がるほど人数が倍々になっていくことです。60代では更に加速します。

原因は高齢者のアルツハイマーともども、はっきりしません。
アルツハイマー自体、女性患者が多く、特に女性の場合、閉経が1つのきっかけになるようです。

若年性アルツハイマーの症状

若年性アルツハイマーの場合は、まず抑うつ、頭痛、不眠など、かなりうつ病に近い症状が初期には見られます。
実際うつ病と間違えられることも多いのです。
うつ病との違いは、言語障害、記憶障害です。
うつ病の場合も、脳のエネルギーが低下しているため、記憶が怪しい部分もありますが、「やったこと自体を忘れる」など、自分自身で何が起きたのか解らないが、エラーやミスが多いということはあまりありません。

こういう症状が出たら、すぐに身近な人に相談する、また周囲はおかしいと思ったら、専門家に見てもらうとよいでしょう。
アルツハイマーは脳の器質疾患なので、脳のCT,MRI画像を撮れば確定診断が可能です。

若年性アルツハイマーの対応

早めに発見すれば、進行を遅らす薬を早くから使えます。
何より、本人に論理力があるため、事態を受け入れ、今後の生活を周囲とともに考えていけます。
最近は、高次脳機能障害のための支援センターなど、若者向けの支援センターも増えています。そういうところを活用するとよいでしょう。

逆に高齢者のためのリハビリは逆効果になることがあります。
そもそも4,50代の人が高齢の認知症の患者と同じ生活が出来るでしょうか?
世代の違いでストレスが溜まりそうですよね。

これは若年性アルツハイマーにも言えることです。
認知症一般に「なにも解っていない」訳では決して無いのです。
自分自身の理想や好みと、場所の雰囲気が違えば不快になります。それがうつや暴力などの形になるのです。

特に、若年性アルツハイマー世代の場合、ずっと人生を走ってきている途中、マラソンでいえば「ゴールまでもう人頑張り!」という位置にいます。
いきなりのリタイアだけで、充分にショックです。
この点を1番周囲は理解してあげなくてはいけません。

また若年性アルツハイマー世代は、認知症を予防する年齢でもあります。
いたずらに病気を恐れる必要はないのですが、運動をする、社交性を保ち、楽しく出来る趣味を見つける、音楽を聴く、演奏する、食べ物に気をつける・・といったことは、認知症の発症リスクといわれる、糖尿病やうつ病の予防にもなります。

若年性アルツハイマーが気になる年になってきたら、まず出来る範囲で予防を心がけましょう。また若年性アルツハイマーは遺伝要素が強いと言われています。
心当たりがある場合は、30代くらいから生活に気をつけましょう。

心身元気な高齢者の他界後に、脳を調べて見ると、アルツハイマーになっているのだがまったく症状が出ていなかった、というケースはよくあります。
予防や発症後の対応で、病気の症状は大きく変化するのです。

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