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低気圧と偏頭痛の関係と、その対処方法

1976年の夏、4月に東京の大学へ進学した友人と北24条の某居酒屋で飲みました。
その時友人は梅雨の陰々滅々とした湿気地獄を呪いを込めて語りました。
果てしなく続く高温雨天の日々に心身共に痛めつけられたそうです。
その友人は高校在学中に登山遠足でニセコの山を走って登った化物でした。
とてもらしくないセリフに呆然としたものです。
そのことを言うと、友人は「低気圧が来ると頭が痛くなるんだ」と言いました。
そう言われると梅雨時の天気図が頭に浮かびました。
梅雨前線をめがけて北緯35°近辺で低気圧が次々と東進して来るイメージです。

思い返してみれば、『気圧の変化』特に気圧の低下の影響を受けて身体の不調を訴える人間は筆者の周辺にかなりいました。

それも一様にこめかみから額にかけての痛みでした。
偏頭痛と言うヤツです。

筆者自身はそのような痛みには縁がなかったし、その当時はそのような症状を「不定愁訴」とか「贅沢病」とか言って精神訓話的な説教をするだけでした。
要するに筆者にとっては人事だったわけです。

ところが、歳月が過ぎて学習塾で幾つかの教科の講師をするようになって、塾生の多くが天気が悪い日には心身共に絶不調になってしまう事に気がつきました。

一人一人不調の具合を訊ねてみるとこれがまた「耳の横からおでこにかけて痛い」と言うことなのです。
ここでも偏頭痛です。

おかげで「天候の悪化=低気圧→偏頭痛」という図式が頭の中にできあがってしまいました。

あらためて偏頭痛の特長を列挙してみると下記のようになります。

  • (1) 脈拍とシンクロしたズキンズキンという痛み
  • (2) 頭の片方(コメカミから額にかけて)が痛くなる
  • (3) 数日から数週間の感覚で頭痛が起こる
  • (4) 1回の頭痛が2~3時間続く

筆者は頭痛持ちでないので頭痛持ちの訴えを聞くだけですが、低気圧のよる頭痛は(1) と(2) は十分に該当するように思われます。

では、なぜ低気圧が接近すると偏頭痛がおこるのでしょうか。

その理由の説明として2つの説が有力です。

A.気圧変化説

低気圧接近による大気圧の低下で頭蓋骨にかかる圧力も減少し、その内部の圧力が相対的に高くなります。
その結果脳内の血管が拡張します。
脳内に緻密に張り巡らされた大小の血管が拡張すると、それと寄り添うように存在する神経細胞や神経繊維が刺激を受けます。
刺激を受けた神経は、異常事態に対処するために酸素と養分の補給のために血流の増大がを要求し、血管の拡張を促進する物質を放出します。
同時に血管の周辺には炎症が起こるので、その修復のためにも酸素と養分は必要なので、血管の拡張を促進する物質が放出されます。
そうなると血管は拡張し続け、神経は刺激を受け続け、炎症箇所は増大していきます。
この刺激が痛覚中枢に伝わると頭痛と言うことになります。

B.自律神経説

自律神経は、循環器・消化器・呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。
体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。
人間の身体の調子ははこの2つの神経の微妙なバランスに左右されます。
気圧が低くなると、耳の奥の内耳にある「気圧感受機構」が気圧の低下を捕らえて副交感神経の活動を促す指令を発信します。
これは「気圧の低下→天候の悪化→休息・エネルギー温存」という哺乳類2億年の知恵であって、身体は休息モードに入ります。
血流量が少くなくても良いので、血圧が下がります。
そのためには全身の血管が拡張します。
当然脳内の血管も拡張します。
結果、血管周辺の神経が刺激を受け・炎症を起こし、上記のように血管を拡張するような指令を発し続けます。
それによって血管はさらに拡張し、神経の炎症箇所は増大の一途をたどります。
それらの刺激が大脳の痛覚中枢に達すると頭痛の発作という現象が起こります。

A 、Bにせよ、気圧低下による偏頭痛は脳内血管の拡張が引き金です。
女性の生理時や産後の偏頭痛・その他の偏頭痛も、そのメカニズムを追求していくと「脳内血管の拡張」がキーワードとして出てきます。

天候悪化による頭痛の多くはは偏頭痛であると考えて差し支えないと思います。

また、頭痛以外に気圧低下にともなって「脱力感」・「眠気」・「無気力」などの症状が出るのも自律神経のうちの副交感神経の働きが過剰になっているせいであると思われます。

では気圧低下による偏頭痛を軽減する方法はあるのでしょうか。
直接の引き金が頭部の血管の拡張なので、それを収縮させて元に戻すのが基本方針となります。

冷やす

痛い部分を直接冷やすのが最も手っ取り早く効果のある方法です。
額はヒエピタでコメカミはジェルシートなどで冷やすと、血管が収縮して痛みが軽くなります。
年寄りの中には、「すべての体調悪化は冷えが原因」と言う妄想に取り付かれて、闇雲に患部を温めようとする輩もいますが、それは逆効果です。

カフェインを摂る

カフェインは血管を収縮させる作用があるので、血管の拡張を抑える効果があります。
頭痛の始まりの時期にコーヒーや紅茶・緑茶といったカフェイン含有飲料を飲むのがおススメです。
ただし、飲みすぎは禁物です。
別な種類の頭痛の原因になることがありますので。

精暗所で安静にさせる

偏頭痛の発作が、陽光の降り注ぐ屋外や騒音と目くるめく光・音響の渦のパチンコ屋で起こったりすると、頭痛が悪化する場合があります。
偏頭痛の発作を起こした方は光や音に敏感です。
騒音は無論のことごく小さな音でも過敏に反応してしまいます。
可及的に速やかに暗い静かな部屋に運び、安静にさせましょう。

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