トップページ >> 脳梗塞の症状 >> 脳梗塞の後遺症を【運動面】と【精神面】に分けて説明します。

脳梗塞の後遺症

特に後遺症の残りやすい脳梗塞は、血管の詰まりによって脳が損傷を受けた部位によって症状が違ってきます。
脳出血・くも膜下出血などと同じく、大きく分けて運動機能障害・言語障害・精神面での障害が長く残ります。

運動面の後遺症

麻痺

運動面では、体の片側の麻痺が多く、手足が動かなくなったり、感覚が失われるため、ヤケドや凍傷、壊疽の危険が高まります。
特に見落としがちなのが、電気毛布や便座暖房などでのヤケドです。
普通の皮膚感覚がある方ならばすぐに異常発熱に気付けますが、麻痺が起こっている方の場合は異常があってもすぐに動けないので、注意が必要です。

やかん
麻痺になってしまうと、火傷に注意が必要になります。

発声機能

また、発声機能(気管や声帯、舌)の運動にも後遺症が出る場合があります。
発音が聞き取りづらいため、患者は話すのがおっくうになりがちですが、会話は患者の体調の把握や、精神面での刺激に必要です。
リハビリによって症状が緩和されることも多いので、例えば筆談やキーボードを使ったり、患者が発声しやすい合言葉を決めるなどして、できるだけ会話を怠らないようにする工夫も重要です。

言語の後遺症

脳の左半分に存在する「言語野」という部位が損傷を受けると、ことばがうまく出てこなかったり、文字が読めなくなったり、人の言っていることが分からなくなったりという、言語障害が起こります。
漢字だけ読めなくなったり、話すことも聞くことも分からなくなってしまうなど、患者ごとに症状が違います。
こちらもリハビリで症状が改善・緩和することが多く、患者と周りの方が根気よく取り組んで行くことが大切です。

失認(認知障害)や失行(行動認知障害)

今までの経験や知識と、損傷を受けていない部位の脳が受け取れた情報に大きく差があると、失認(認知障害)や失行(行動認知障害)が起こります。

脳梗塞や脳出血で多く見られるのは、「左側」という概念が失われてしまう「左半側失認」です。
女性でしたら、顔の右側にだけお化粧をしたり、右側だけ髪形を整えたりと、

まるで左側は初めからなかったもののように振舞います。
男性でも、食べ物の右側だけを食べたり、体を洗うときも右側だけだったりといった行動が現れます。

左側にあるものが見えているのに分からないため、交通事故や転倒など、怪我の原因になりやすい後遺症です。
また、服を羽織ることはできてもボタンが留められない、落とした硬貨を拾えないなど、一部の行動ができなくなる「失行」も存在します。
とっさに避ける、などの行動ができなくなるため、外出時の注意が必要です。

精神面の後遺症

精神面では、人格が変化してしまったり、人を疑いやすくなったり、感情の抑制ができなくなったり、うつや認知症を発症することもあります。
患者の脳内でのルールが変わってしまっているため、患者の人格を尊重しつつ、育て直すように接してリハビリを進めることで症状が緩和される例もあります。

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