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てんかんの原因遺伝子

てんかんは遺伝するかどうかははっきりしていませんが、遺伝はほとんどしないと考えられています。
近年の遺伝子工学の進歩によって、ごく一部の特殊な特発性てんかんで原因遺伝子が特定されたものもありますが、ほとんどの特発性てんかんは多因子遺伝、つまり多くの素因や外的な因子が偶然に一致することによりけいれん発作の起こしやするしているのではないかと言われています。

現在発見されている原因遺伝子は100以上ありますが、例え子どもに遺伝したとしても、発症しないこともあります。
原因遺伝子を持っていても、それだけで発症するかどうかは分かりません。
明らかに遺伝性のものであると判断できるのは患者さん全体の1割程度です。

そのひとつに「家族性特発性部分てんかん」というものがあります。
まだマウスでの実験段階ですが、遺伝子を変えててんかんを発症させたマウスで実験したところ、特殊なたんぱく質がてんかん発作を抑えていて、そのたんぱく質が神経細胞のつなぎめ(シナプス)に存在して、発作が起こらないようにしていることが分かってきました。
この研究結果を基に、原因となるたんぱく質を補充することで症状が改善する期待、治療薬の評価を期待されています。

子どもがてんかんだと知った時、遺伝させてしまったと親として申し訳ない気持ちになってしまうことがあるかもしれませんが、今のところ遺伝したと決めつけてしまわないように、多くは遺伝が原因ではないと言われているので、医師がきちんと説明をする必要があります。

遺伝するてんかん「良性家族性新生児けいれん」について

てんかんの中に新生児が発症するてんかんがあり、その中にも重症なものと良性なものがあります。
このページでご紹介するのは、遺伝性のある「良性家族性新生児けいれん」についてです。

特徴

良性家族性新生児けいれんは良性で、多くは生後2~3日目に発症します。
そのうちの約7割は生後6週間以内に発作がおさまるといわれています。
運動障害や知的障害を引き起こすことなく、成長とともに完治していくこともあります。

対策

薬によるコントロールすることも可能。
まわりの家族が気をかけていれば通常に発達できることも多いです。
症状に改善が見られたからといって、服用を中止してしまうと症状が再発する可能性があります。
薬は主治医の方の指示に従って、きちんと服用するようにしましょう。

予防

出産には全く異常が見られないこともあり、変異遺伝子が血液検査で見つかることで診断が下される場合が少なくありませんし、遺伝子があるからといって100%てんかんを発症するということはありません。
てんかんの症状はまだ謎に包まれている部分が多い症状で、完全な予防法も治療法もまだ確立されていないため、良性家族性新生児けいれんも、妊娠の段階で予防・対策するということは難しい症状です。

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