トップページ >> 統合失調症は緩慢な経過を辿って症状が悪化する特徴がある

統合失調症は緩慢な経過を辿って症状が悪化する特徴がある

統合失調症は発病後、急性状態のまま完治するケースは殆ど無く、基本的に幾つかの経過を通し回復期に至る慢性病として位置づけられます。
また再燃する事も少なくなく、治療目的は揺り戻しの間隔を伸ばしたり、症状を和らげる方法が摂られます。

統合失調症は発病と初期段階では急速に悪化する病ではなく他の成人病同様、緩慢な経過を辿って症状がどんどん悪化する特徴があります。

また、適切な治療がその間に成されなければ、これまでの緩慢な機能低下の流れが急速に進行します。
揺り戻しも適切な対処を摂らなければ、再燃頻度増加は避けられません。
発病当初は本人も含め周囲の誰もが発病とは思えない程の仔細な変化が特徴です。
診療機関において医師に診て貰おうと考えが及ぶまでには、かなりの時間を要しているケースが殆どです。
この段階(急性期)までに至ると小康状態と進行(安定期・挿間期)との繰り返しに成ります。
安定期から突然再発する状態をシュープ(再燃)と呼びます。
発病時や安定期の状況とは関係なく1回の再燃状態をそれぞれエピソードと1カウントします。
従って一般的に統合失調症とは急性エピソードと挿間期を繰り返しながら進行する病気と言えます。
この慢性状態の経過をプロセスと言います。
プロセスには個人差があり、揺り戻しや安定期がハッキリ症状として現れる場合とは限らず、慢性化するケースも在ります。
仮に1回目のエピソードからの回復率が略100%で在った場合でも2回目、3回目と繰り返すたびに回復率が減少し回復出来たとしても安定まで長期化する傾向があります。
回復出来ずに、つるべ落としの如く悪化を来たす場合も在ります。
この様な状態を回避する為に治療・薬の服用が必要と成ります。
医師側サイドは往診の際の留意すべき事項として今、現在の患者の状態を以て短絡的に症状を判断する事ではせず、長期的プロセス全体の中で患者の症状判断しなくては成らないと言われます。
このプロセスを具体的に著すと大脳皮質に置ける特異な部位、中枢神経系のダメージ度(変性する過程)を測る事を意味します。
実証例として長期間の無治療であった患者の場合は、人間性を司る脳の前頭葉が萎縮されてしまう事が確認されています。

また、発病の症状が現れる以前に萎縮が確認される場合もあります。
いずれにせよ、この萎縮進行は最終的には認知能力・社会的能力・自立能力・情緒機能の障害に至ります。
この機能低下は外科的からも回復を極めて難しい状態、回復に対して不荷逆性障害を意味します。

全ての病気にも言えますが回避の為には早期発見と再発予防の適切な対応が求められます。
早期発見の場合は萎縮進行を遅らせる事は医学的に不可能ではないからです。

悪化の症状については陽性症状の場合は兎に角、怒りを周りに当たり散在らす事が間々あります。
例えば毎日自分の事を馬鹿にして笑ったり悪口を言わぬ様、クレームをぶつけてきます。

事情を知らされていない周囲の人々は心当たりのない事での一方的な非難に戸惑いを覚えます。
他方、陰性症状の場合は交友関係などの繋がりでさへ、強い抵抗感を発し自らに孤立を求めます。
悪化に伴い社会性の欠如が顕著に表れます。
仕事や家事が出来なく成り、身なりに関しても無頓着に成ります。

第3者の立場に立てば陰性症状の悪化とは、正に人格崩壊の印象を受けます。
来院したケースの場合でも統合失調症と診断結果を得ても本人のみ成らず、家族や周囲はその診断結果に対し拒否反応を示しあえて治療を避けるケースもあります。
世間体を特に重視する環境に置かれた関係者、殊に肉親に神経疾患を患う者がいるという現実は受け容れがたい事に成ります。
しかし日本人の場合は100人に一人の割合で発症する病気で、決して珍しい病気ではない事を留意すべきです。
加えて症状を放置して自然治癒する病でも在りません。

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