自律神経失調症は大人の病気、というイメージがある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
立ちくらみや不眠症などに悩まされている子供も決して少なくないのです。
そして、これらの症状は自律神経失調症ではないかと考えられています。
これは特に10代後半とか前半とかの区別なく、小学生から高校生くらいの子供たちの間で増えているとのことです。
- 原因として指摘されているのは…
- 主に運動をあまりしない
- 睡眠時間が不規則または不足
上記のような生活習慣の乱れが指摘されています。
子供の自律神経失調症の症状は大人と大きな差はありません。
- 立ちくらみや貧血
- 不眠症
- 偏頭痛
- 疲れやすさ
上記の不定愁訴が主な症状と言われています。
子供のうちから、生活習慣のしっかりとした制御を大人がしてあげる必要があるといえるでしょう。
- 子供のうちから生活習慣をしっかりしてあげることで、自律神経失調症の予防につながります
小学生で自律神経失調症、というのは、あまり想像がつかないかもしれません。
しかし、現実に自律神経失調症、またはその疑いのある子供が増えているというのは事実のようです。
小学生は、ある意味本格的な社会生活は生まれて初めてということになります。
自分の家族でもない他人との初めての共同作業であったり、集団生活、朝礼やクラブ活動などの社会的な活動…これらは顕著に子供にストレスを与えるものと考えても差し支えないでしょう。
とはいえ、ストレスのない状態で過ごすというのは現実的ではありませんから、周囲の大人たちができることとしては、ストレスの認知と適度な発散を促してあげることが重要でしょう。
また、これくらいの年齢のときにしっかりとした生活習慣を作ってあげることも肉体へのストレスを軽減する重要なプロセスとなります。
- 小学生は本格的な社会生活は生まれて初めて
中学生は、一般に”難しい”年頃と言われます。
小学生ほど子供ではないにしても、まだまだ大人から見れば子供、という扱いの難しさや、一人の人間としての自覚やアイデンティティを持ち始める時期だということも言えます。
また、平均的には10歳~11歳ごろに男女とも第二次性徴を迎えるため、ホルモンバランスとしても不安定な時期を迎えます。
このころから、周囲との身体的な特徴や集団内での自己の立ち位置という社会的なものの見方をし始めるという背景もあります。
さて、肝心の症状です。
これは私の印象に過ぎないかもしれませんが、どちらかと言うとこの年代の自律神経失調症は女性(女子)に多く見られ、その症状は身体症状よりも精神症状が顕著に現れている傾向にあるように感じます。
精神不安定や不眠、自傷衝動などを訴える年代であるかもしれません。
もちろん、それによって治療を行わなくていいという理屈にはなりませんが、治療に当たる大人の態度としては、”問題や症状の本質はどこか”ということを冷静に見極めて治療を開始したいところです。
- 中学生は、一般に”難しい”年頃
高校生になると、小学生や中学生よりももう数段階、大人に近い物事の見方をするようになります。
また、高校生は将来について考え始める時期であることや、小中学生よりもさらに集団生活的な要素が強くなってくることから、自律神経失調症を発症しやすい状況と言えるでしょう。
ただし、この時期の自律神経失調症にも傾向があると考えています。
それは、どちらかというと精神疾患(うつなど)が先に発生し、その後身体症状としての自律神経失調症が現れる、ということです。
学校に行くことが憂鬱になり、それから日中もイライラして意欲がわかない、という症状を呈する高校生もいます。
ここで注目すべきことは、後者だけを見て、自律神経失調症だと決め付けてしまうのではなく、そもそも精神疾患や精神症状が現れた原因は何だろう?と、掘り下げてあげることが重要ということです。
なぜなら、大本の精神症状を解決しない限り、一時的に症状を抑えられたとしても根本解決には至らないおそれがあるためです。
カウンセラーや医師の助力はもちろん、家族や友人など周囲にいる方が積極的に話を聞いてあげるという体制が、症状の軽快の近道になるでしょう。
- 高校生は将来について考え始める時期
妊娠は女性にとって人生の一大イベントであるとともに、身体にとっても大きな負担のあることです。
一般に”つわり”と呼ばれる症状がある他、マタニティブルーと呼ばれる精神症状も広く知られているところです。
自律神経失調症は厄介なことに、このつわりやマタニティブルーと症状が似ている上に、どちらかが発症しているときに結びつきやすいという特徴があります。
- 妊婦の方がよく感じられる自律神経失調症の症状
- 頭痛や吐き気、腹痛といった身体症状
- そして無気力、イライラ、倦怠感といった精神症状
妊娠中は胎児への影響から、飲食物や市販薬の服用が制限されます。
そのため、身体の不調を「こんなものかな」と受け入れてしまう場合もあるでしょう。
しかしながら、不調を感じた場合には、やはり医師にその旨を正直に伝えるのがよいでしょう。
服用薬以外にも、ケアの方法はいくつか存在します。
自分に合っていて、なおかつ胎児に影響のないような治療法で上手に付き合い、無事に出産を迎えたいところです。
- 妊娠は女性にとって人生の一大イベント
大変な出産を乗り越えて、ほっと一息ついたころに、今度は産後に自律神経失調症を患う、というケースもあります。
これは、産後で体力が衰えていることももちろん影響するのですが、それよりも、妊娠によってホルモンバランスが大いに崩されることが影響しています。
ホルモンバランスが崩れることによって、自律神経も正常な働きができず、結果として、産後に自律神経の不調を引き起こすというわけです。
- 産後の自律神経失調の症状
- 全身の倦怠感から動悸
- 食欲不振
- イライラ
妊娠中にも感じていたような症状を、産後になっても感じているような印象を受けます。
出産は、身体にとって大きな負担がかかりますから、出産してもすぐに元に戻るわけではないことは確かです。
しかし、数カ月経っても症状が改善しないなどのような場合には、自律神経が妊娠中に見られる不調の状態でとどまってしまっている可能性がありますから、やはり医師の診断を一度受診してみるのがよいでしょう。
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