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アルツハイマーの介護

アルツハイマーなど認知症の介護で特徴的なのは、身体介護だけではないという点です。
体のケアも物理的に大変な上、する側の疲労やしてもらう側の遠慮、負い目や心身の苦痛から来るネガティブな考えが重なり合い、悪循環になりがちです。

介護は、理由を問わず、何らかの形で第3者に入ってもらうことをお勧めします。少なくとも1人で抱え込んではいけません。
少しの風穴が状況を一変させるのです。

アルツハイマーの代表的症状「暴言、暴動、徘徊」

さて、アルツハイマーですが、よく言われる症状は、暴言、暴動、徘徊などですね。
まずこれらがなぜ起こるのかを考えて見ましょう。
アルツハイマーは人格が破壊されると言いますが、感情や本人の性格自体は維持されています。

その状況で、少しずつ論理的な思考力が壊れていった場合、どういう気持ちになると思いますか?
周囲となぜか話がかみ合わない、自分のやっていることがおかしいらしい、でも何がおかしいのか解らない、そしてそれを伝えられない・・この状況は、不安、混乱、孤独以外の何者でもありません。

徘徊
アルツハイマーで、よく言われる症状は、暴言、暴動、徘徊などです

アルツハイマーの患者に対して必要なのは「肯定」

患者の不安や孤独を緩和させる方法、それは「肯定」です。
例えば「財布がなくなった」と言われたとき、事実を考えてはいけません。本人にとっては「誰かが財布を取った、不安だ」と何かを訴えたいのです。
「あら、泥棒かね、鍵を頑丈にしようか」というだけで、自分の意見が認められた、伝わったと思われるのです。

アルツハイマーの大きな特徴

アルツハイマーの大きな特徴として、短期記憶が出来ないということがあります。
だから今日の日付を覚えられないのです。
つまり、上のような会話は、返事の内容自体は患者としてはどうでもいい可能性が多分にあります。
健常者からすれば「話の辻褄が合わないといけない」と思いますが、アルツハイマーの人の場合は、その場その場で、不安や孤独を消すという考え方をしておくといいですね。

また認知症の高齢者はよく「ボケた、どうもならん」と自分を責めるときがあります。つまり論理性はないのですが、自分自身が不安な状況に置かれているのは、本人が最もよく解っているのです。
これも穏やかに流しましょう。
また論理性欠如=頭で理解できない分、不安や孤独を感じがちになるので、目を合わせて話すことが有効です。

「あなたを気にかけていますよ」と言うサインを絶えず送ることになるからです。
先に書いたとおり短期記憶の衰えた患者の場合、直前の記憶が出来ないため、不安の連続です。目を合わせ続けることや、ボディータッチは大事です。

ボディータッチの場合

ボディータッチの場合、突然するのはやめましょう。驚く=パニックになります。
介助をするときに、必要以上に患者に触れるのです。そして歩行サポートなら「足元に気をつけようね」「すべるかも知れないね」と言葉をかけ続けるのも大事です。
これは「あなたを気にかけています」ということでもありますが、患者は状況が解っていないことが多く、そこで不安を感じます。
「一緒に歩こう」としていることを、絶えず教えてあげることで、安心してもらえます。

人と触れ合うようにする

また、極力人と触れ合うようにすることが大事です。
引きこもると症状自体が悪化しますし、何より社会において自信が持てるのは「外の世界に対する張り合い」です。健常者と全く同じです。
家族が一緒にいろいろなイベントに参加するのもいいですね。

カラオケ
家族が一緒にいろいろなイベントに参加するのもいいですね。

最後に

最後になりましたが、上のようなことをずっと付き添いの家族が実行しようとしても無理です。
どんな人でも腹は立ちます。タイミングが悪ければイライラします。
しかし、ここでサポートしてくれる人が他にもいれば、気分転換が出来ます。

介護者という自分の状況を客観的に見られますし、愚痴もこぼせます。体への負担も減ります。
介護は、自他共に幸せな暮らしをするためにするものです。
地域の住民、市の保健師さんなどサポート窓口は多くあります。
施設に入ってもらうことが幸せなこともあります。
多くの人の意見や手を借りて、全員が幸せになりましょう。

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