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うつと女性ホルモン

うつ病と言うと、胃の悪そうな厳しい表情の中年男性を思い浮かべてしまいます。

新型うつ病と言うと、仕事の時には生気の欠片もないくせに、アフター5や休日には人変わりしたように活気づいている新入社員、と言ったところでしょうか。

いずれにせよイメージは男性です。

無論、筆者が男性である事が原因なのですが、あらためて調べてみると、うつ病の罹患者数は昔から女性の方が高く、1996年には男性の約1.8倍でした。
それが年を追って男女双方ともうつ病罹患者は増えているのですが、男性罹患者数の伸びが著しく、20014年には女性罹患者数は男性罹患者数の1.6倍になっています。
これは長年の不景気による収入低下、失業者の増加、非正規効用の増加、あるいは正規社員でも実現可能なノルマの設定などで心を折られた男性が増加している事を意味しているかも知れません。

それにしても女性のうつ病罹患率の多さはどこから来るのでしょうか。

考えられるのは女性ホルモンの変化によるものです。

◎月経前症候群、月経前不機嫌性障害

女性の性ホルモン周期にともなう症状です。
女性ホルモン1つであるのエストロゲン(卵胞ホルモン)は神経伝達物質のセロトニンを介して感情の調節に関わっています。
セロトニンは心身の安定や心の安らぎ、別な言い方をすれば、気分を明るくし、興奮や不快感を鎮める働きがあります。
生理の始まる10日~1週間にエストロゲンが著しく減少します。
身体症状としては腰痛・下腹部痛・むくみ・だるさなどの身体的身体的症状が発現します。
同時に、それにともなって脳内のセロトニンの分泌量も低下します。
その結果憂鬱感やイライラなどの精神的症状が現れます。
月経前不機嫌性障害は月経前症候群より精神的な症状が強く出る事が特徴で、引き起こされる強い抑うつ状態がうつ病の原因になります。

これは女性の身体に起こる普遍的現象で、決して個々の女性の性格に問題があるわけではなく、感情が乱れているというわけではありません。
ただ、ホルモンの変動はストレスに対する抵抗力を削ぐため、女性は男性よりもうつ病になりやすいのは、1億総ストレスの現状では不可避なことかも知れません。

ホルモンの乱れは月経だけではありません。

◎マタニティブルー(産褥期うつ病)

産後間もなくして現れる情緒不安定などの精神症状を「マタニティーブルー(産褥期うつ病)」と言います。
抑うつや不安感などの精神的症状、不眠・倦怠感などの身体的な症状が発現します。
これが10日くらいで自然に治ります。
ただ、この症状が1ヶ月以上続くケースもあり、その場合は産後うつ病といううつ病に発展します。

◎更年期障害

加齢や閉経などによって卵巣から分泌される性ホルモンが減少し、自律神経に影響を与え、憂うつ感や情緒不安定などの精神症状を引き起こします。
従来はホルモンの低下に身体を慣らすことで自然治癒に持って行くことが治療でしたが、「失った物を加えれば良い」と言う発想からホルモン療法と言う治療法があります。

また、女性は脳の特性が男性のそれとは違うと言うことも、女性のうつ病罹患者の多さに関わっているとも言われています。

男性の脳のはたらきは「絞り込み型」で、パソコンで言えばシングルタスクなのです。

1つの事に集中し出すと他に眼がいかなくなってしまうということでして、これが女性には不可解であるようです。

曰く、旦那は休みの日は自分の趣味に没頭してしまう。

曰く、旦那は子供と遊ぶだけで他は全くやってくれない。

曰く、男性の上司の評価は多角的な視点に欠ける。

などなど、女性が男性に対して、男性が1つの事にだけ意識を向けてしまっている事に不満を感じる事が多いようです。

それに対して、女性の脳の働きは「割り込み型」で、パソコンで言えばマルチタスクです。
同時にいくつものの事を考えられる脳でして、家事や仕事をしながら「今日の晩ご飯はそうしよう」と考えたり、洗濯物をたたみながら子供のことを考えたり、誰かと電話しながらテレビドラマを観ていたりと、同時に色々と頭の中で思い描くことが、当たり前のようにできる、ようです。

この脳の特性は両刃の剣で、ネガティブな方向へ働くと、

  • 仕事のストレス
  • 家事のストレス
  • 旦那さんへのストレス
  • 子供のストレス
  • 子供のお友達のお母さんとのストレス
  • お姑さんとのストレス
  • 親とのストレス

等々、ありとあらゆるストレスを思い出してしまいます。

ストレスが多いと色々なストレスがあなたの頭を占領してしまいます。

これらのストレスは大脳内部の視床下部にある自律神経中枢部を直撃します。

2つある自律神経のうちの「闘争・逃走」のために身体のコンディションを整える役割を果たす交感神経が活性化するのです。

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