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統合失調症の症状『暴れる』について

陽性症状では態度が尊大に成りがちで陰性の場合より暴力的言動は多発する傾向です。
陰性症状の時の抑うつの反動ととも執れますが、陰性症状の場合でも本人の限界を超えた時、自さつ衝動が始まり、阻止の為に対応する医療関係者は強い抵抗に合う可能性が高く、暴力を受ける場合もあります。
周囲や医療関係者も寸前までに豹変を察知する事が難しく、殊に自さつ衝動の予想は殆ど不可能です。

陽性・陰性問わず、統合失調症は放置される事により奇功の悪化が予想され、病気である事を認知されていない段階では第3者からの偏見が患者本人や家族を一層、孤立または不安に至らせます。

来診への基準として家族や周囲の人は、長くても2週間ほど様子を看て改善されない場合が挙げられます。

基本的に暴力はストレスが原因です。
ストレスは神経伝達物質のドーパミンの働きのバランスを狂わします。
伝達量の減退は意欲や行動を極度に抑制させ、陰性症状を引き起こします、逆に増加し過ぎると粗暴な行為や暴力性が出てきます。
よって投薬治療の意図はこのドーパミンを適切なバランスに安定させる事が目的と成ります。

90年代以降、統合失調症の治療には非定型抗精神薬(ジプレキサ、リスパタール等)が使われています。
それ以前では緊急時に於いては強力な睡眠導入剤等で対応していましたが、副作用の影響によって症状悪化を招くケースも多々ありました。
他方、非定型抗精神薬はあくまで伝達物質の調整のみに作用し副作用も限定的とされています。
但し投薬量は薬剤師などにより管理されている事が前提です。
抗精神薬の投薬分量が症状とそぐわない場合、体のだるさ。
末端(手や足)の振るえ、眠気、強張りと言った副作用は出ます。
ましてや健康な人への投薬はその様な副作用がより顕著に現れる為、扱には十分な注意が必要です。

統合失調症の患者は改善状態が続くと自己判断で回復(完治)した思い込む時期があります。
その様な段階で薬の服用するのを止めた場合は、症状が再燃する可能性が増します。
その点は医師や医療関係者が経過内容を理解させる必要があります。
加えて、非定型抗精神薬は万能薬ではありません。
例えば治療抵抗性統合失調症の患者への服用効果はより限定的です。
治療抵抗性とは他の慢性疾患の為に抗精神薬量を適宜、投与出来ない状態の事です。
少量に分けた複数種の投薬で試みても、むしろ副作用が大きく現れます。
いずれにせよ、この様な場合は医師との相談で微調整する事が望まれます。

ドーパミン阻害薬と逆の働きを持つSSRI(セロトニン再接種阻害薬)は陰性の症状改善に使われる薬種です。

2006年にエピリファイという新薬が登場しました。
これは陽性症状のみならず、双極制障害(陰と陽)双方に有効として広く使われています。
抗セロトニンと抗ドーパミン作用を持つ非定型抗精神薬とも言われます。
また、エピリファイは他と比べて副作用効果が軽いのも特徴です。
特に痙攣やこわばりの面での改善が優れていると言われます。
内用液タイプ、顆粒タイプの他、錠剤(3mg、6mg、12mg)など形状も多様です。

包括的暴力防止プログラム(cvppp)

2004年に包括的暴力防止プログラムが医療関係の間で研修が始まりました。
医療現場での暴力や攻撃性に対して適切な介入を探る研究です。
他の患者に対する暴力からの守る方法の他、発生予防の観点から兆しを予見して暴力回避を図る狙いもあります。
仮にトラブル発生した後の対応にも考慮した行動規範を設けており、気まずさによるストレスや不安感を取り除く効果が期待されます。
基本的にcvpppは身体的介入による護身術に特化して研究するのでは無くリスクアセスメントやコミュニケーション技術を生かし暴走行為を対峙する事に目的があります。
具体的には興奮状態を鎮める手法を(ディエスカレーション)と呼び、その様にコミュニケーションによる心理的介入法(ディブリーフィング)、や最終手段として身体的介入(チームテクニクス、ブレイクアウエイ法)として挙げられます。

cvpppは包括的暴力防止プログラム認定委員会によって管理され、誤った知見が伝播するのを防ぎます。
全4日の研修を受けた人をトレーナーとして自施設での支持や技能伝授が出来ます。
自施設の他、広く技能伝授する場合は更に高度な研修運営能力を身に付けたインストラクターの肩書が必要に成 ります。
欧米の調査によると、この様な適切な心理的介入は興奮状態の患者に対し非人道的な対応(拘束)を避けつつ、沈静効果が期待できるとの結論を出しています。

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