老人うつ病
躁状態など変調が無く抑うつ症状が長期間続く症状を一般的に大うつ病と呼びます。
その大うつ病内には下記が含まれます。
- 産後うつ
- 仮面うつ
- 新型うつ
- 老人性うつ
認知症など他の疾患との境界が曖昧な点もあり、老人性うつ病には現在も尚、臨床上不明な点が幾つか有ります。
基本的な発病原因は主に下記が挙げられます。
- 1家族との死別
- 2同居など環境の変化
- 3病気の治療の為の入院、後遺症
- 4その他の状況変化
1家族との死別
家族との死別の原因の中でも「連れ合いが先立たれる」事が最もストレスが強く従ってうつ発症率が高いと言われています。
一般的に男性が連れ合いに先立たれると、家事や細かい生活上の会計や近所との人間関係、子供が小さい場合はその世話など負担が増加して、精神的に異常を発しやすいと言われています。
翻って女性の場合も収入関係で大きな影響を受けます。
しかしコミュニケーション能力を活かし適応能力は男性より高いと云われます。
2同居など環境の変化
高齢に成ってから馴染んでいた環境から老人福祉サービス等の施設への入居や子供家族と同居するなど環境変化に伴い発生する諸問題(嫁姑問題や不慣れな土地での変化)により精神状態に異常(老人性うつなど)を来たす場合がります。
福祉サービスでは限りある占有スペースに置かれ、周囲は見知らぬ人々との集団生活を強いられ、必然的にストレス下に置かれ抑うつ症状を促されます。
3病気の治療の為の入院、後遺症
慢性疾患の悪化や循環器の病の為に身体に不具合が生じて、今まで出来ていた事が出来なくなる事への焦りや、不治の病で回復の見込みが立てにくい事への失望などが抑うつ症状を促す原因に成り得ます。4その他の状況変化
その他の要因として主に子供の独立・仕事の退職・経済的な問題などが該当します。
老人性うつと認知症との境界線は、素人の目から診た判断基準から視点のみならず専門家の間でも同様に難しい問題だといわれます。
- 主な特徴
- 1口数が少なくなる。
- 2嗜んでいた事柄に感心を持たなく成る。
- 3気分が優れない。
この様な状態下で認知症検査を行うと、うつが原因での集中力減退や、やる気を逸している為、認知症状の点数に反映され介護度が過剰な程に高い結果に至り結果的に当事者や周囲にも混乱が生じます。
医師は当然その辺を留意して診断や治療を行っていますが結果的に誤診の回避は困難だと云われています。
徘徊・記憶障害・会話がかみ合わない(敢えて口数は増える傾向)本来無口な人に変化が生じ意味不明な言動が増す様に成った場合、概ね認知症に至った事を示します証左に成ります。
実際に「消えたい。」としか口にしなかった表情の乏しい老人が理由もなく不自然に明るい表情に変化し、他方子供の顔や名前を失念、現在はすでに存在しない「自宅に返る。」と歩き回る様に成って認知症と診断されるケースがあります。
治療しているにも拘らず体のあちこちが痛いという症状は、実際の痛みの他に心因性の場合があります。
老人特有の症状ではありませんが、「仮面うつ病」に近い症状と云われます。
産後うつ病
医学的知見に基づいては現在ではその原因は不明です。
マタニティーブルーとも呼ばれるこの症状は基本的には抑うつ症状と概ね同症状として認識されています。
尚、一部では出産によるホルモンバランスの変化が原因と推定されていますが因果関係は証明されていません。
当然、この症状には個人差もあり統計上もばらつきが大きいのも特徴です。
‘産後うつ‘の経験者の割合は全体の38%で,未体験の場合は28%、その他は34%です。
‘産後うつ‘の発病時期はお産の2~3週間後から始まり、期間に於いては1ヶ月程度~1及び2年間と云われます。
- 主な症状
- 食欲不振
- 家事など今まで出来ていた事が出来なくなる。
叉症状の伴い、軽度~中等度~重症度の3段階に分類されています。
性格的な傾向
性格は生真面目、仕事で一定のキャリアを積んできた後出産し家庭に入る際、妻、母。
女性として何役とも完璧にこなす事を自己目標に掲げ完璧主義に徹する様、努力はするモノの歯車が噛み合わずミスを繰り返した場合、当初は焦燥感に襲われ、責任感から徐々に抑うつ症状に変化して行くパターンが多いと云われます。
ぷちうつ病
精神的特徴
うつ症状が通常より短時間なうつ症状を意味します。
若い女性が罹患し易いと言われます。
この様な特異な症状は無く、ここ最近に至って発症例が寄せられる様に成りました。
通常、日常生活には影響は及ばず周囲も本人自身も気付かない場合があります。
軽い症状であっても放置する事によりパニック障害を併発する可能性も在り、専門医で早期治療が望まれています。
通常の大うつ病は抑うつ症状が略一日中続き、期間は少なくとも2週間程持続している事が条件になります。
しかしプチうつ病の場合の継続期間は1日~2日程度です。
叉数時間だけ不安感に晒されて、残りは平常通りに戻ります。
罹患すると感情起伏が大きく成り、取り巻く条件によって喜怒哀楽が態度に現れます。
俗に’キレ’ると言われる状態をアンガ―・アタックと呼び、その後、平常に戻ると自己嫌悪に襲われるといわれます。
ちょっとした指摘や注意に対して過剰反応の様に落ち込むのも特徴です。
身体的特徴
夜間帯に成ると甘いものが欲しく成り過食気味に成ります。
一月に2~3キロ体重が増える症例もあります。
昼寝も含め一日当たり10時間以上の睡眠が必要に成ります。
一般に過眠の定義は1週間当たり3日以上10時間の睡眠を示しますが、プチうつ病はこの条件を超過する症例もあります。
躁病の症状が現れる頃には双極性の特徴である鉛様麻痺を発症します。
この症状は体が鉛や鎖で繋がれた様に重く全身が倦怠感に包まれる状態を指します。
症状自体の時間間隔が短く可なり症状進行があっても自発的に通院を試みるケースは殆ど有りません。
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