トップページ >> てんかんの症状 >> 難治性のてんかんで記憶障害が進行するケースがあります

てんかんと記憶障害

てんかん発作で意識を失った場合は、発作中の記憶はありません。
声をかけても覚えていませんし、目の前にいても覚えていません。
話しかけられて、何を聞いたのか、名前や場所を答えられるかで、意識障害がある発作が起きたことが分かります。
意識が途切れたことを自覚できますが、ただなんとなくぼんやりしていたかを区別するには誰かから声をかけてもらったほうが確実です。

しかし、一時的な記憶障害はてんかんだけではありません。
思い出すことができない状態を健忘といい、健忘を起こす病気はてんかん以外に脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、アルコール中毒、一過性健忘などがあります。
一過性健忘は精神的な要因で、一部の記憶が抜け落ちるために鑑別しづらいと言われています。

てんかんに伴う記憶障害発作は、意識があっても記憶に関わる機能に変化が現れます。
よくあるのが既視感、未視感、予知夢、フラッシュバックなどです。
これらは誰でも何となく感じるものなので、かなり紛らわしいです。
この症状は側頭葉てんかんに多く、前兆として始まりの分かる人もいます。

てんかん発作を繰り返すうちに、記憶障害が生じることが分かってきました。
とくに難治性のてんかんで記憶障害が進行するケースがあります。

高齢者のてんかんと記憶障害

高齢者はてんかんと無関係と思われがちですが、高齢者でもてんかんを発症します。
そのてんかんは、「側頭葉てんかん」です。
高齢発症てんかんは、側頭葉てんかんが最も多く、その割合が7割と考えられています。

そもそも側頭葉はどんな部位かと言うと、側頭葉は記憶をつかさどる部位です。
ですので、記憶障害などを伴います。

その中でも最も障害されやすいのが、短期記憶といわれています。
数時間前や2、3日前の出来事が忘れやすい傾向にあります。

高齢者の記憶障害と言うことで、認知症と間違われがちです。

側頭葉てんかんは,本人が自覚のないままに無意識に行動する自動症が特徴です.
その他の側頭葉てんかんの特徴を下記に記載します。

  • 自覚が無く、無意識に何かの行動や動作を行う(自動症)
  • 動作を停止し一点を凝視する
  • 口をぺちゃぺちゃさせたり、手をもぞもぞさせる
  • 発作の内容を全く記憶していない
  • こみ上げるような不快感、気が遠くなりそうな感じ、恐怖感などの前兆がある場合がある
  • 性格変化もあると言われているが、症状に個人差があるので何ともいえない

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