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統合失調症の残遺型(残留型)

残留型は、一応寛解(完治)が後に残る後遺症です。
妄想・幻聴と言った症状は略無く成りますが、外部からの反応に遅延症状があります。
心情など主観に基づく異常な(違和感のある)振舞を自ら認知し回避出来る様に成ります。

しかしこれは、リハビリ等での修錬による所が大きく演技的な言動で装う事で正常化が成立しています。
唐突な出来事に対して反応の鈍さとは別に時折、奇声を発し、比較的軽度な異常行動が現出する事もあります。

又話をしている途中に混乱が生じ解体型の様相を覗かせる事も在ります。

頭痛

健常者同様、過度なストレスにより頭痛が発生する事はあり、頭痛そのモノが統合失調症と一概に言える事ではありません。

しかし体感妄想という症状があり、「脳が砂に成る」の様な妄想に支配され同時に頭痛を誘発させる事も在り、このケース自体は明らかに分裂症状と言えます。
その他、事故や事件によって手足の切断を余儀なくされた場合にすでに失って存在しない部位の痛みを覚えます。
この様に統合失調症の範疇以外でも稀に体感妄想を発症するケースがあります。
抜本的な対処療法は現在の所は無く、抗精神病薬、頭痛薬の服用、ストレスからの回避及び、患者にとって現状容認出来る環境整備や新たな希望に繋がる事柄へ展開、専門医でのリハビリ 等、有効と思える手段で時間を掛けて実践する方法しか在りません。

断薬

抗精神病薬にはドーパミンを抑える効果があり、何時も眠気や軽い抑うつ感や倦怠感を覚える場合、一時的に断薬効果で気分回復する事があります。

しかし断薬する事による症状再発は当然在り得ます。
速やかに服用再開する事で大概症状は治まります。

但し長期間の断薬後の再発の場合、薬の種類によっては効果が出難い場合があり、薬の量及び種類の変更を余儀なくされるケースも在ります。
何れにせよ、薬を投与する専門医師の指示に従う事が最善です。

男性/女性

性別による統合失調症の特徴はその置かれている立場・環境によって決まる(悪い影響を与える・逆に受ける)部分が大きく、発症後の症状に至っては男女固有な特徴は在りません。

性別 罹患しやすい性格 日常生活の場 一般的に必要な意識
無口・内気・余暇は基本的に家中で送る・孤独 外社会が中心 自発性・協調
過敏・神経質・強情なタイプ 家庭内が中心 周囲との融和・協調

最近は女性の社会的活用ニーズが増し性別評価も同時に男性化される可能性も否定出来ず、罹患する性格の内容も変化するものと推測できます。
しかし現在は統合失調症発症率に於いては男性の場合0.6倍程、女性に比べ多いと言われています。

又、何らかの精神疾患に於ける潜在的人数は概ね100人に1人の割合での罹患していると考えられており実際の(受信者)罹患者数とはかなり開きが在ります。
日頃、他人の目に晒され、否応なく客観性に自己を問われ結果的に統計上の罹患者数との間に差異が生じる事情が孕んでいる様に思われます。
例えば高名で誰でも知っているエジソン、アインシュタインは高機能発達傷害もしくはこれに近い症状が確認されています。

独語

一般的に統合失調症の独語は独りでぶつぶつと囁く様な印象があります。
しかし症状には例外があり、しかも一応は言語的には正常で周囲の人(看護士など)を話しに巻き込まれる場合もあります。
初めての場合、殆ど混乱させられます。

具体的症例は、唐突に声掛けをされ「今日は何処に行くのか?」など看護士に質問します。
何処にも行く予定が無い旨、患者に伝えると、「昨日行くと行っていた。」と強く反論を振ってきます。

妄想の記憶が本人を急き立てる事だから当然、「症状」として定義され、これも独語の範疇に含まれます。
空笑や独語には客観的にその相手や対象が存在しない事から病症として理解出来ていないと周囲は違和感や戸惑いが生じますが実害(暴力・暴言)とは異なり、危険な症状へ展開する事も基本的には、ありません。

電話

粘着気質な人の行為=精神的な症状・病気という展開は、ある種、植えつけられた偏見です。
電話魔という犯罪的行為はむしろ自己利得・快楽や相手への嫌がらせや、恐怖で支配し妥協させる事と、其れなりに目的があり計画性も確認できます。
少なくとも統合失調症の症状には直結しません。
むしろ人格障害者の行為に近い様に思え、同時に精神科に通院し敢えて分裂症状(被害妄想)が観られたという医師側の証言事実だけで、話は一人歩きする場合が多い様に推測されます。

実際に罹患した人と電話での対応は、実際に面会するのと同じ要領ですので「電話での対話」に特化される事はありません。
基本的対処法は以下の通りです。

  • ①否定しない
  • ②説得・指南・強要は避ける
  • ③安易な同情・介入は避ける
  • ④有りえない事を妄想・幻聴であると断言しない

ガイドライン

ガイドラインの主項目

序文 統合失調症・薬物治療ガイドライン
第1章 初発精神病障害
第2章 再発・再燃時
第3章 維持治療
第4章 治療抵抗性
第5章 その他

一般財団法人・日本精神薬理学学会という専門科の集会で標準治療の指針等決められます。
臨床対象は精神疾患に罹患している事が明確な患者が対象の上、投薬に於いては、症状を鑑み薬物分量や種類を事細かに枠組みが定義されています。
但し学会は薬物治療の万能性は認めておらず、心理社会的治療との組み合わせを大前提に投薬効果に則しています。

日本人により合った治療を考慮しつつも、骨組みはDSMなど国際基準に準拠した内容が包括されており個別症状とは相いれないケースも在ります。
基本的にガイドライン [PDF]の内容は専門家を対象にした内容で分量は多く原文は一般的には読み解きにくい文書構成が成されています。
薬品等の選定付けなどに際してメーカー間など利益相反状態が発生する事を回避する為、厚労省の助成を利用しガイドライン作成メンバーとして関連メーカー各位の参加を促しています。

又個別臨床に於いて医師の裁量や経験値でガイドラインを逸脱、又はガイドライン遵守でそれ以外の治療可能性を放棄した場合、医師法にガイドライン自体が法的根拠と成し得る事は本意とは異なり、むしろ指南的役割に留め、法的免責される様決められています。

ガイドラインの原書では網羅的に対処法を著すだけではなく医師への推奨度やエビデンスの強さと言った評価付け、又は文書の末尾表現への反映で解釈・判断をしやすく工夫されています。

推奨度

推奨度 肯定表現 否定表現
強い …する事を勧める …しない事を推奨する
弱い …する事は望ましい …しない事が望ましい

エビデンス(医学的(科学的)根拠)の強さ

A 強い 真の効果が推測する効果に近いと確信できる。
B 中等度 真の効果が推測する効果に近いと一応考えられるが、結果的に異なる場合が残る。
C 弱い 真の効果が推測する効果に近いと一応考えられるが、結果的に異なる場合がある。
D とても弱い 不明確な推測が前提で真の効果とかけ離れている場合が時折、見られる。

薬物治療

基本的に(市販薬も含め)薬は毒でも在る事から有益性(効用・益)・副作用(害)が二律背反します。
その大前提を元に効用が副作用を上回る場合は表現としては「益」と成ります。
但し臨床下での実薬投与は複数種に及び単薬として、本来の効用に不明確な結果に繋がるケースも多い為、基準としては単薬投与による判定とプラセボ効果の有無チェックに基づいて評価されます。

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