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冬季型うつ病の原因は日照不足!?

季節が秋から冬に移り、気温が低下して日照時間が短くなっていきます。
寒暖の差に身体がついて行けず、体調を崩したり、風邪を引いたりしがちです。
インフルエンザが流行始めるのもこの時期です。

インフルエンザ

それだけでなく、下記のような症状が同時多発的に起こるとしたら「冬季型うつ病」かもしれません。

  • 最近やる気が出ない
  • 気分が落ち込み気味
  • 甘い物が無性に食べたくなる
  • とにかく眠い
  • 集中ができない
  • 些細なことも面倒で手が出ない
  • 感情ちのコントロールができない

これは、日照不足によって起こる、神経伝達物質であるセロトニン不足が原因です。

セロトニンはドパーミンやノルアドレナリンと並んで「三大神経伝達物質」と呼ばれている物質で、分子の構造からモノアミン系と総称されています。
神経興奮ホルモンであるノルアドレナリンと快感増幅ホルモンであるドパーミンの暴走を抑え、脳内のバランスを整えて維持する作用があります。

冬季型うつ病との関連で言うと、セロトニンは朝に日光を浴びると脳内のセロトニンの分泌が盛んになります。
これによって2つある自律神経の交感神経が賦活され、身体が活動状態になります。
ですから逆な言い方をすると、日光を浴びることのない生活を続け、セロトニンがキチンと分泌されなかったり機能しなかったりすると、体内時計が活動状態に切り替わらずに、いつまでも眠かったり、身体がだるかったりするという状態になります。

眠い

それでは日光を浴びれば冬季型うつ病を解消できるか、と言うと、それが100%そうだとは言えません。
なぜなら、セロトニンは日光を浴びさえすれば分泌されるものではないからです。
原材料の恒常的な供給がなければ体内での合成が不可能です。
セロトニンの原料はトリプトファンという必須アミノ酸の1つです。

肉類、魚介類、大豆などのトリプトファンを豊富に含んだ食品を摂らなければなりません。
それだけでなく、トリプトファンの吸収にはビタミンB6が必要なので、ビタミンB6を多く含むバナナ、サツマイモ、レバーや炭水化物をともに食べる必要があります。
魚介類の中でも青魚が重要です。
青さかに含まれる脂のEPD・DHAがセロトニンを活性化します。
フィンランドの調査では、魚(北海のにしん)を食べる人は食べない人に比べてうつ病のリスクが低下するというデータがあります。

にしん

セロトニンが朝に日光を浴びて分泌が盛んになり、交感神経を賦活させて身体を覚醒に導くのに対して、太陽が沈んだ後に分泌されて副交感神経を賦活させ、身体を休息と睡眠に誘う「睡眠ホルモン」がメラトニンです。
この物質はセロトニンを原料に体内で合成されます。

メラトニンは眠りを誘う他に、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促進したり、疲労除去作用があります。
また、抗酸化作用は病気の予防や老化防止などにも寄与しています。

つまり、私たちの身体の中では、昼間は自律神経の交感神経が働いている時間はセロトニンが機能し、夜間には副交感神経が優勢になるとメラトニンが機能すると言うメカニズムになっているのです。

ですから、毎日を気持ちよく生きるためには体内時計がキチンと働いてON・OFFのメリハリをつけることが必要であり、そのためには、トリプトファンを食事で摂ることは無論の事、日中はシッカリと日光を浴びる必要があると言う事です。
何のことはない、近々100~200年前の生活に戻れば良いと言うことになってしまいます。

ですが、これほど「言フニ易ク行フニ難シ」と言う事柄はめったにありません。

全面的な実行は無理でも、自覚して生活していくしかないのが現状です。

ただ、同じ脳内に働く神経伝達物質で、ともすれば憂うつな状態に陥る悪循環から救い出してくれるものがあります。
それはβ-エンドルフィンです。
β-エンドルフィンについては、こちらのページへアクセス!

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